コンパイルに必要なメモリー量は、次の要素によって異なります。
各手続きのサイズ
最適化のレベル
仮想メモリーに対して設定された限度
ディスク上のスワップファイルのサイズ
SPARC プラットフォームでメモリーが足りなくなると、オプティマイザは最適化レベルを下げて現在の手続きを実行することでメモリー不足を補おうとします。それ以後のルーチンについては、コマンド行の -xOlevel オプションで指定した元のレベルに戻ります。
1 つのファイルに多数のルーチンが入っている場合、それをコンパイルすると、メモリーやスワップ領域が足りなくなることがあります。その場合には、最適化レベルを下げるか、複数ルーチンからなるソースファイルを 1 つのルーチンからなるファイルに分割します。
現在のスワップ領域は swap -s コマンドで表示できます。詳細は、swap(1M) のマニュアルページを参照してください。
demo% swap -s total: 40236k bytes allocated + 7280k reserved = 47516k used, 1058708k available
ワークステーションのスワップ領域を増やすには、mkfile(1M) と swap(1M) コマンドを使用します (そのためには、スーパーユーザーでなければなりません)。mkfile コマンドは特定サイズのファイルを作成し、swap -a はこのファイルをシステムのスワップ領域に追加します。
demo# mkfile -v 90m /home/swapfile /home/swapfile 94317840 bytes demo# /usr/sbin/swap -a /home/swapfile
1 つの手続きが数千行からなるような非常に大きなルーチンを -xO3 以上でコンパイルすると、非常に多くのメモリーが必要になることがあります。このようなときには、システムのパフォーマンスが低下します。これを制御するには、1 つのプロセスで使用できる仮想メモリーの量を制限します。
sh シェルで仮想メモリーを制限するには、ulimit コマンドを使用します。詳細は、sh(1) のマニュアルページを参照してください。
次の例では、仮想メモリーを 16M バイトに制限しています。
demo$ ulimit -d 16000
csh シェルで仮想メモリーを制限するには、limit コマンドを使用します。詳細は、csh(1) のマニュアルページを参照してください。
次の例でも、仮想メモリーを 16M バイトに制限しています。
demo% limit datasize 16M
どちらの例でも、オプティマイザは データ空間が 16M バイトになった時点でメモリー不足が発生しないような手段をとります。
仮想メモリーの限度は、システムの合計スワップ領域の範囲内でなければなりません。さらに実際は、大きなコンパイルが行われているときにシステムが正常に動作できるだけの小さい値でなければなりません。
スワップ領域の半分以上がコンパイルによって使用されることがないようにしてください。
スワップ領域が 32M バイトなら次のコマンドを使用します。
demo$ ulimit -d 16000
demo% limit datasize 16M
最適な設定は、必要な最適化レベルと使用可能な実メモリーと仮想メモリーの量によって異なります。
メモリー条件については『Sun WorkShop クイックインストール』をご覧ください。