C++ ライブラリ・リファレンス

引数なしのマニピュレータの使用法

引数なしのマニピュレータは、次の 3 つを実行する関数です。

  1. ストリームの参照引数を受け取ります。

  2. そのストリームに何らかの処理を行います。

  3. その引数を返します。

iostream では、このような関数 (へのポインタ) を使用するシフト演算子がすでに定義されていますので、関数を入出力演算子シーケンスの中に入れることができます。シフト演算子は、値の入出力を行う代わりに、その関数を呼び出します。tab ostream に挿入する tab マニピュレータの例を示します。


ostream& tab(ostream& os) { 
         return os << '¥t' ; 
         } 
...
cout << x << tab << y ;   

次のコードは、上の例と同じ処理をより洗練された方法で行います。


const char tab = '¥t';
...
cout << x << tab << y;

次に示すのは別の例で、定数を使用してこれと同じことを簡単に実行することはできません。入力ストリームに対して、空白の読み飛ばしのオン、オフを設定したいと仮定します。ios::setf ios::unsetf を別々に呼び出して、skipws フラグをオンまたはオフに設定することもできますが、次の例のように 2 つのマニピュレータを定義して設定することもできます。

空白の読み飛ばしのオン、オフの設定


#include <iostream.h>
#include <iomanip.h>
istream& skipon(istream &is) {
       is.setf(ios::skipws, ios::skipws);
       return is;
}
istream& skipoff(istream& is) {
       is.unsetf(ios::skipws);
       return is;
}
...
int main ()
{
   int x,y;
   cin >> skipon >> x >> skipoff >> y;
   return 1;
}