Solaris WBEM Services には、CIM Object Manager が Solaris オペレーティング環境と通信を行うためのプログラム、Solaris プロバイダが含まれます。Solaris プロバイダは、Managed Object Format (MOF) で作成される一連のファイル内で定義されます。これらのファイルは、集合的に Solaris スキーマと呼ばれます。Solaris スキーマは、CIM Object Manager と Solaris 環境が通信に使用するクラスの定義を提供することにより、Solaris 環境の CIM クラスを拡張します。
Solaris スキーマを構成する MOF ファイルは、/opt/SUNWconn/wbem/schema に入っています。これらのファイルは、任意のテキストエディタで表示できます。Solaris_Schema1.0.mof は、中心となるスキーマファイルです。このファイルには、Solaris スキーマを構成するほかのファイルを指すポインタが、インストール時にそれらのファイルがコンパイルされる順番で入っています。
Solaris スキーマは、Solaris パッチやインストール済みのソフトウェアパッケージなど、Solaris 固有のリソースについて詳しく説明した MOF コンパイラファイルです。Solaris スキーマは、標準の CIM スキーマクラスを拡張したものです。
Solaris WBEM Services のインストール時に、MOF コンパイラは標準の CIM 2.1 MOF ファイルを CIM Object Manager 内にコンパイルします。インストールが終わると、コンパイルされたこれらのクラスは、システム上のリソース (プロセス、アプリケーションソフトウェア、CPU リソース、メモリーなど) を表します。アプリケーションは、API を使用して任意の WBEM 対応システム上の管理対象リソースの取得、設定、および操作が行えるようになります。
ほかのベンダーも、基底クラスにもとづいて標準の CIM スキーマを拡張します。この情報モデルを使用してシステムを管理する利点は、アプリケーションが任意の CIM システム上の任意のシステムリソース (プロセスなど) のプロパティを取得、設定できることです。Microsoft Windows 32 システム、Solaris システム、UNIX プラットフォームなどの CIM 互換プラットフォーム上のプロセスまたはデバイスについてのプロパティは、同じ API を使用して取得、設定できます。