Common Information Model (CIM) Object Manager は、CIM オブジェクトの管理とオブジェクトデータの送信を行います。 CIM Object Manager は、実行可能な標準 Java クラスファイルで、インストール後の処理の一環として自動的に起動されます。CIM オブジェクトは、内部的には Java クラスとして表されます。アプリケーションがクライアント API を使用して管理対象オブジェクトについての情報を要求または更新する場合、CIM Object Manager はそのオブジェクトに適したプロバイダ、または CIM Repository (永続的な記憶領域) と通信します。
プロバイダによって処理されるクラス、プロパティ、およびメソッドは、そのクラスのために CIM Object Manager と通信するプロバイダを識別するための Provider 修飾子を持ちます。Provider 修飾子を持つクラスについての要求を受け取る場合、CIM Object Manager はその要求を指定されたプロバイダに送ります。プロバイダが指定されない場合は、Java Naming and Directory Interface (JNDI) を使用して要求をデータ記憶領域に送ります。
CIM Object Manager は、1 つ以上の Solaris ホストにインストールして実行できます。WBEM 対応のクライアントは、CIM Object Manager に接続する場合、CIM Object Manager に対する参照を取得し、続いてこの参照を使用して WBEM オペレーションを実行します。
CIM Object Manager は、構文上の検査と意味上の検査を行います。構文上の検査は、コード行におけるセミコロンの位置の間違いや括弧の不足のようなエラーを検出する機能です。意味上の検査は、プログラムの規則 (ロジック) 上のエラーを検出する機能です。CIM Object Manager は、Common Information Model の規則に従って、WBEM アプリケーション内でこの規則に反するものを検出します。
たとえば、CIM 規則では、キープロパティをオーバーライドできるのは別のキープロパティだけであると定めています。キーが割り当てられているクラス A を、キーが割り当てられていないクラス B によってオーバーライドすることはできません。このようなオーバーライドが試みられると、CIM Object Manager は意味上のエラーを返します。
Class A ¥¥ クラス A を定義 { [Key] int a; } Class B:A ¥¥ クラス B は A のサブクラス { [overrides ("a", key (false)] int b; } |