Sun Cluster 2.2 のシステム管理

Sun StorEdge A5000 ディスクの管理

この節では、Sun Cluster 構成で Sun StorEdge A5000 ディスクの追加と交換を行う方法について説明します。

Sun StorEdge A5000 ディスクの追加と交換

Sun StorEdge A5000 ディスクの追加または交換を行う場合は、必ずシステムに付属のマニュアルで詳細を参照してください。


注 -

障害が発生した A5000 ディスクを SSVM または CVM の制御下で交換する場合、単純にディスクを引き出して新しいものに交換することはできません。これは、各ディスクに固有の World Wide Name (WWN) があるためです。WWN の詳細は、「SPARCstorage Array コントローラの交換と WWN の変更」を参照してください。


Sun StorEdge A5000 ディスクを追加するには (Solstice DiskSuite)

  1. luxadm コマンドを使用して、新しいディスクを挿入します。

    プロンプトが表示されたら、ディスク (1 つ以上) を設置します。アレイに物理的に接続しているノードごとに繰り返してください。

    # luxadm insert enclosure.slot
    
  2. 新しいディスクドライブを挿入し、Return キーを入力します。

  3. 必要に応じて、format を使用してディスクラベルの作成とパーティションの再分割を行います。

  4. scdidadm(1M) コマンドを使用して新しいディスクを見つけ、その DID インスタンスを作成します。

    このコマンドは、ノード 1 から実行してください。詳細は、scdidadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

    # scdidadm -r -H node2,node3...
    

    以上で、ディスクの追加作業が終了します。

Sun StorEdge A5000 ディスクを追加するには (SSVM または CVM)

  1. luxadm コマンドを使用して、新しいデバイスのループの準備を行います。

    プロンプトが表示されたら、新しいディスク (1 つ以上) を設置します。

    # luxadm insert
    
  2. SSVM に新しいディスクを通知します。

    # vxdctl enable
    
  3. vxdiskadm コマンドを使用して、新しいディスクを SSVM の制御下に置きます。

    1 (1 つ以上のディスクを追加または初期化する) を入力します。

    以上で、ディスクの追加作業が終了します。

Sun StorEdge A5000 ディスクを交換するには (Solstice DiskSuite)

  1. 障害のあるディスクを使用しているメタデバイスまたはアプリケーションをすべて確認します。

    メタデバイスがミラー化されているか RAID5 の場合、メタデバイスを停止せずにディスクを交換できます。この条件に当てはまらない場合は、適切なコマンドを使用してディスクの I/O をすべて停止する必要があります。たとえば、ストライプまたは連結上のファイルシステムのマウントを解除するには、umount(1M) コマンドを使用します。

  2. 必要に応じ、ディスクラベルを保存します。

    次に例を示します。

    # prvtoc /dev/rdsk/c1t3d0s2 > /tmp/c1t3d0.vtoc
    
  3. (省略可能) ディスクがホットスペア化されていない場合は、metareplace を使用してディスクスライスを交換します。

    次に例を示します。

    # metareplace d1 c1t3d0s2 c1t2d0s2
    d1: device c1t3d0s2 is replaced with c1t2d0s2
    
  4. luxadm -F を使用して、ディスクを削除します。Solstice DiskSuite はディスクをオフラインにしないため、-F は必須です。

    多重ホスト構成の場合は、すべてのホストについて繰り返します。次に例を示します。

    # luxadm remove -F /dev/rdsk/c1t3d0s2
    WARNING!!! Please ensure that no filesystems are mounted on these
     device(s).  All data on these devices should have been backed
     up.The list of devices which will be removed is: 
     1: Box Name "macs1" rear slot 1
     Please enter `q' to Quit or <Return> to Continue: stopping:  Drive
     in "macs1" rear  slot 1....Done
     offlining: Drive in "macs1" rear  slot 1....Done
     Hit <Return> after removing the device(s).

    注 -

    削除されるディスクドライブを示す FPM アイコンと、ディスクドライブの下の琥珀色の LED が点滅していることを確認してください。


  5. ディスクドライブを除去し、Return キーを押します。

    次に出力例を示します。

    Hit <Return> after removing the device(s). 
     Drive in Box Name "macs1" rear slot 1   
     Removing Logical Nodes: 
     Removing c1t3d0s0 Removing c1t3d0s1 Removing c1t3d0s2 Removing
     c1t3d0s3 Removing c1t3d0s4 Removing c1t3d0s5 Removing c1t3d0s6
     Removing c1t3d0s7 Removing c2t3d0s0 Removing c2t3d0s1 Removing
     c2t3d0s2 Removing c2t3d0s3 Removing c2t3d0s4 Removing c2t3d0s5
     Removing c2t3d0s6 Removing c2t3d0s7# 
  6. SPARCstorage Array がマルチホスト構成の場合は、すべてのノードについて繰り返します。

  7. luxadm insert コマンドを使用して、新しいディスクを挿入します。

    すべてのノードについて繰り返します。次に出力例を示します。

    # luxadm insert macs1,r1
    The list of devices which will be inserted is: 
     1: Box Name "macs1" rear slot 1
     Please enter `q' to Quit or <Return> to Continue: Hit <Return>
     after inserting the device(s).
  8. ディスクドライブを挿入し、Return キーを入力します。

    次に出力例を示します。

    Hit <Return> after inserting the device(s).  Drive in Box Name
     "macs1" rear slot 1  Logical Nodes under /dev/dsk and /dev/rdsk :
     c1t3d0s0 c1t3d0s1 c1t3d0s2 c1t3d0s3 c1t3d0s4 c1t3d0s5 c1t3d0s6
     c1t3d0s7 c2t3d0s0 c2t3d0s1 c2t3d0s2 c2t3d0s3 c2t3d0s4 c2t3d0s5
     c2t3d0s6 c2t3d0s7# 

    注 -

    交換したディスクドライブの FPM アイコンと、ディスクドライブの下の緑色の LED が点滅していることを確認してください。


  9. scdidadm(1M) を使用して、DID 疑似デバイス情報を更新します。

    ディスクに接続されたすべてのノードで、次のコマンドを実行して新しいディスク ID 情報を更新してください。

    # scdidadm -R DID_instance
    

    DID_instance には、交換されたディスクのインスタンス名を指定します。詳細は、scdidadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

  10. 新しいディスクに接続されたすべてのノードを再起動します。

    ダウンタイムを避けるため、haswitch(1M) コマンドを使用して、ノードが制御できるすべての論理ホストの所有権を再起動されるノードに切り替えます。次に例を示します。

    # haswitch phys-hahost2 hahost1 hahost2
    
  11. 必要に応じて、ディスクに名前を付けます。

    次に例を示します。

    # cat /tmp/c1t3d0.vtoc | fmthard -s - /dev/rdsk/c1t3d0s2
    fmthard:  New volume table of contents now in place.
  12. 必要に応じて、metadb を繰り返します。

    次に例を示します。

    # metadb -d c1t3d0s0; metadb -a c1t3d0s0
    
  13. metareplace -e を使用して、新しいディスクスライスを有効にします。

    次に例を示します。

    # metareplace -e d0 c1t3d0s0
    d0: device c1t3d0s0 is enabled

    以上で、ディスクの交換作業が終了します。

Sun StorEdge A5000 ディスクを交換するには (SSVM または CVM)

  1. 障害のあるディスクを使用しているボリュームまたはアプリケーションをすべて確認します。

    ボリュームがミラー化されているか RAID5 の場合、ボリュームを停止せずにディスクを交換できます。この条件に当てはまらない場合は、適切なコマンドを使用してディスクの I/O をすべて停止する必要があります。たとえば、ストライプまたは連結上のファイルシステムのマウントを解除するには、umount(1M) コマンドを使用します。

  2. vxdiskadm コマンドを使用し、ディスクデバイスを交換してオフラインにします。

    SSVM の場合、ディスクグループを所有している論理ホストを制御しているマシンでこのコマンドを実行してください。

    4 (交換のためにディスクを削除する) を入力し、続いて 11 (ディスクデバイスを無効 <オフライン> にする) を入力します。

    GUI を使用することもできます。

  3. luxadm コマンドを使用して、デバイスとデバイスノードを削除します。

    対話型のこのコマンドは、ディスクを実際に除去する指示を表示します。次に例を示します。

    # luxadm remove_device -F /dev/rdsk/c2t20d0s2
    

    SPARCstorage Array に接続されているノードごとにコマンドを実行します。

  4. 実際のディスクを交換し、luxadm コマンドを使用して新しいディスクを挿入します。

    これにより、新しいデバイスとデバイスノードが作成されます。次に例を示します。

    # luxadm insert_device ratbert,r4
    

    SPARCstorage Array に接続されたノードごとにこのコマンドを繰り返します。

  5. ボリュームマネージャに新しいディスクを通知します。

    # vxdctl enable
    
  6. vxdiskadm コマンドを使用して、新しいディスクを SSVM の制御下に置きます。

    5 (障害が発生したディスクまたは削除されたディスクを交換する) を入力してください。

  7. (省略可能) 必要に応じ、ボリュームを復元します。

    以上で、ディスクの交換作業が終了します。