Sun Cluster HA for Sybase を構成するための主な作業は、次のとおりです。
Sun Cluster HA for Sybase を実行するすべてのノードの /var/opt/sybase/sybtab ファイルに対する SQL Server 用のエントリを作成する
SQL Server を起動する
(省略可能) 障害監視用の Sybase sa でログインしパスワードを作成する
$SYBASE/interfaces ファイルを確認する
Sun Cluster ソフトウェアとクラスタデーモンのインストールを確認する
scadmin startcluster および scadmin startnode コマンドにより Sun Cluster を起動する
hareg(1M) コマンドにより Sybase データサービスを起動する
Sun Cluster HA for Sybase により Sybase の制御を開始する
hasybase(1M) コマンドにより Sybase SQL Server の運用を開始する
Sun Cluster HA for Sybase を構成する詳細な手順は、次のとおりです。
すべての SQL Server に対するエントリを作成します。
Sun Cluster HA for Sybase を実行するすべてのノード上の /var/opt/sybase/sybtab ファイルに、データベースに関連付けられているサーバー名を含める必要があります。フェイルオーバーが成功するには、Sun Cluster HA for Sybase を実行するすべてのノード上で、このファイルを最新に保つ必要があります。 SQL Server を追加あるいは削除した場合は、手動でファイルを更新してください。
/var/opt/sybase/sybtab 内のエントリの形式は、次のとおりです。
sql_server:sybase_directory |
Sun Cluster HA for Sybase の障害モニターは、バックアップサーバーを監視しません。このため、/var/opt/sybase/sybtab ファイル内にバックアップサーバー用のエントリを作成しないでください。
RUN_sqlserver ファイルのユーザーID を使用してログインします。
SQL Server をまだ起動していない場合は、次のコマンドを使用して SQL Server を起動します。
# startserver -f $SYBASE/install/RUN_sqlserver |
(省略可能) 障害監視に使用するログイン名とパスワードを作成します。
サーバーを起動、停止するには、sa_role を使用して、Sybase のログイン名「new_login_name」を作成します。
障害監視に sa ログインを使用する場合は、この手順を省略してください。
# isql -Usa -P -S sql_server_name >sp_addlogin new_login_name, password >go >sp_role "grant", "sa_role", new_login_name >go >exit |
$SYBASE/interfaces ファイルを確認します。
Sybase をローカルディスクにインストールした場合は、$SYBASE/interfaces が物理ホストではなく論理ホストを参照していることを確認します。Sybase を多重ホストディスクにインストールした場合は、すべてのローカルディスク上の /var/opt/sybase の下に interfaces ファイルが存在していて、その内容が多重ホストディスク上の $SYBASE/interfaces ファイルと同じであることを確認します。
多重ホストディスクに (論理ホスト) Sybase のサーバーをインストールした場合は、ディスクをマスターできるすべてのノード上の /var/opt/sybase ディレクトリに Sybase クライアントをインストールする必要があります。ローカルディスクに Sybase の SQL Server をインストールした場合、Sybase クライアントをインストールする必要はありません。
すべてのノードに Sun Cluster およびクラスタデーモンがインストールされ、動作していることを確認します。
# hastat |
まだ起動していない場合は、scadmin startnode コマンドを使用して起動してください。
hareg(1M) コマンドを使用して、Sun Cluster HA for Sybase を登録し、起動します。
1 つのノード上でだけ hareg(1M) コマンドを実行してください。
Sybase データサービスをまだ登録していない場合は、hareg(1M) コマンドを使用して登録してください。論理ホスト上でだけデータサービスを登録するには、-h オプションを使用して、論理ホスト名を指定します。
# hareg -s -r sybase [-h logicalhost] |
クラスタをすでに起動している場合は、次の hareg(1M) コマンドを使用して、Sybase データサービスを起動します。
# hareg -y sybase |
次のコマンドを使用して、Sybase を Sun Cluster HA for Sybase の制御下に置きます。
# hasybase insert sqlserver logicalhost 60 10 120 300 user/password ¥ $SYBASE/install/RUN_sqlserver backupserver $SYBASE/install/RUN_backupserver |
このコマンド行に含まれている要素の意味は、次のとおりです。
hasybase insert - コマンドとサブコマンド
sqlserver - SQL Server の名前
logicalhost - sql_server にサービスを提供する論理ホスト (物理ホストではない)
-60 -10 -120 -300 - 検証サイクル時間 60 秒、接続検証サイクル数 10 回、検証タイムアウト 120 秒、再起動遅延時間 300 秒を指定したパラメータ
user/password - 障害監視に使用するログイン名 (手順 3 で作成) とパスワード
$SYBASE/install/RUN_sqlserver - SQL Server の起動に使用されるファイル
backupserver (省略可能) - バックアップサーバー名
$SYBASE/install/RUN_backupserver (省略可能) - バックアップサーバーの起動に使用されるファイル
hasybase(1M) のオプションについての詳細は、hasybase(1M) のマニュアルページを参照してください。
Sybase Server の運用を開始します。
hasybase(1M) コマンドを実行して、SQL Server の運用を開始してください。SQL Server に対する監視が自動的に開始されます。詳細は、hasybase(1M) のマニュアルページを参照してください。
# hasybase start sql_server |
Sybase SQL Server が起動していない状態で hasybase(1M) コマンドが実行された場合は、Sun Cluster によって SQL Server が自動的に起動されます。