この章で説明するアプリケーションの例では、どのようにデータサービスアプリケーションの高可用性を実現するかを示します。これは例として示すことだけを目的としています。このアプリケーションの高可用性を実現できる保証はありません。
この章では、Sun Cluster データサービス API について説明している hareg(1M) と haget(1M) のマニュアルページを読んでいることを前提としています。
このアプリケーション例は、API の機能を多数 (すべてではありません) 示します。次に示すアプリケーションの特徴に注意してください。
アプリケーション例で使用されるデータは簡単に異なるセットに分割できません。したがって、単一のデータセット (論理ホスト) を使用します。
in.named データサービスはコマンド行オプション -b をサポートします。このオプションを使用すると、論理ホストのディスクセット上にあるファイルシステム内のデータを指定できます。
あるデータサービスのクライアントサーバープロトコルでは、サーバーが自分のホスト名をクライアントへのメッセージの一部としてクライアントに戻すことがあります。このようなプロトコルでは、クライアントは戻されたホスト名を将来サーバーに接続するときのホスト名として使用できます。サンプルの in.named では、このような状況は発生しません。in.named データサービスはサーバーのホスト名を必要とせず、クライアントにもホスト名を戻しません。
in.named データサービスは、特別に指定なしに多重ホームホストを処理できます。
in.named データサービスは、特別に指定なしに追加の論理ホストの IP アドレスを処理できます。停止メソッドと開始メソッドは in.named デーモンを強制終了および再起動します。