Sun Cluster 2.2 Cluster Volume Manager ガイド

CVM リリース 2.2.1 にアップグレードする場合

Sun Cluster 2.2 で動作する CVM リリース 2.2.1 は Solaris 2.6 を必要とするため、動作環境も同時にアップグレードしなければならない場合があります。推奨される手順としては、必要に応じて動作環境を最初にアップグレードし、次に Sun Cluster 2.2 のインストールまたはアップグレードを行い、最後に CVM をアップグレードします。


注 -

ディスクをカプセル化している場合は、手順 6までを実行し、それから動作環境のアップグレードを行う必要があります。


CVM の旧バージョンからのアップグレード

Sun Cluster 2.0 または 2.1 をインストールしている場合には、次の手順で CVM ソフトウェアと動作環境をアップグレードしてください。

  1. 動作環境をアップグレードするのに十分な領域が /opt にあることを確認します。

  2. ボリューム上に //usr/var/opt のいずれかのファイルシステムを定義している場合、それらの各ボリュームの少なくとも 1 つのプレックスが、シリンダ境界で始まる 1 つのサブディスクから形成されていることを確認します。

    上記は必須の作業です。アップグレードプロセスの一部分として、直接接続ディスクパーティションを使用するボリューム上にファイルシステムを一時的に配置する処理が含まれます。Solaris オペレーティング環境では、ディスクパーティションがシリンダ境界で始まることが要求されます。この変換は、アップグレードスクリプトによって必要に応じて自動的に処理されます。アップグレードスクリプトによって何らかの問題 (シリンダ境界への不整列など) が検出されると、問題点の説明が表示され、アップグレードプロセスが停止します。

  3. CVM 2.2.1 CD-ROM をマウントします。

    /cdrom にマウントされたファイルシステムとして CVM 2.2.1 が表示されます。

  4. upgrade_start スクリプトを実行し、CVM の旧リリースを削除する準備をします。


    # /cdrom/cdrom0/CVM_2_2_1/Tools/scripts/upgrade_start
    

    upgrade_start スクリプトによってファイルシステムを含むボリュームが検索されます。特定の重要なファイルシステムをパーティションを使用するように戻す必要があれば、その変換はスクリプトによって処理されます。

  5. シングルユーザーモードで再起動します (uadmin 2 3 などのコマンドを使用)。

  6. ボリュームマネージャパッケージを削除します。


    phys-hahost1# pkgrm SUNWvmdev SUNWvmman SUNWvxva SUNWvxvm
    
  7. マシンを停止します (uadmin 2 0 などのコマンドを使用)。

  8. (省略可能) 必要な場合、オペレーティング環境を Solaris 2.6 にアップグレードします。

    Solaris ソフトウェア環境のアップグレード方法については、Solaris のインストール関連のマニュアルを参照してください。

  9. (CVM CD-ROM 上で) CVM パッケージのあるディレクトリに移動します。


    # cd /cdrom/cdrom0/CVM_2_2_1/Product/	
    
  10. pkgadd コマンドを使用して次のパッケージをインストールします。


    # pkgadd -d . SUNWvxvm SUNWvxva SUNWvmman SUNWvmdev
    
  11. 次のように入力してアップグレードを終了します。


    # /cdrom/cdrom0/CVM_2_2_1/Tools/scripts/upgrade_finish
    
  12. マルチユーザーモードで再起動します。

    この時点でアップグレード前の構成が有効となり、ボリューム上に以前定義されていたファイルシステムが定義およびマウントされた状態となります。

  13. 「rootdg の作成」を参照し、CVM のインストールを続行します。