Solaris PC NetLink 管理マニュアル

3.4.2 ファイル名のマッピング

Solaris システムファイルおよびディレクトリ上では、MS-DOS オペレーティングシステムの 8.3 規格よりも多い 255 文字までの名前を持つことができます。Windows NT Workstation および Windows NT Server のユーザーは、SunLink Server ディレクトリで Solaris の長いファイル名を扱うことができますが、MS-DOS の 8.3 名前規約を採用している Windows for Workgroups では扱うことができません。すべてのユーザーが Solaris ファイルに確実にアクセスできるように、SunLink Server プログラムは名前のマッピングを提供しています。ファイルまたはディレクトリ名が MS-DOS の 8.3 名前規約に適合しない場合は、適合する別の名前が与えられます。

ネットワークからファイルまたはディレクトリに接続している Microsoft Windows 3.1 および Windows for Workgroups ユーザーは 8.3 規格で名前を参照します。Windows NT Workstation および Windows NT Server のユーザーはロングネームで参照します。(SunLink Server プログラムはファイルとディレクトリのショートネームを生成しますが、共有の名前のショートネームは生成しません。Microsoft Windows 3.1 および Windows for Workgroups を使用する場合は、共有の名前に 8.3 規格を使用して名前が重複しないようにしてください。)

SunLink Server の名前のマッピングにより、ロングファイルネームをサポートしないアプリケーションでもロングネームを持つファイルにアクセスすることができます。これらのアプリケーションはロングネームのファイルをショートネームで参照します。


注 -

ロングファイルネームをサポートしないアプリケーションでロングネームのファイルを開きファイルを保存すると、ロングネームは失われ、ショートネームのみが残ります。


SunLink Server ファイル名マッピングは次の 3 つの要素で構成されています。

名前空間のマッピング問題は、ファイル名の切り詰められた部分に Solaris ファイルシステムの i ノード番号から動的に生成される一意の擬似接尾語を結合することによって解決されます。

3.4.2.1 ファイル名マッピングの規則

Solaris システムファイル名を 8.3 形式のファイル名にマッピングするには、以下のデフォルトの規則が適用されます。

たとえば、ファイル名が longfilename.txt で i ノード番号が 11455 の場合は、long‾8u7.txt というマップ名になります。

Solaris システムファイル名から Windows NT 形式のファイル名にマッピングするには、以下のデフォルトの規則が適用されます。

たとえば、ファイル名が k<l<m.expression で i ノード番号が 8461 の場合は、k_l_m‾6j1.expression というマップ名になります。

3.4.2.2 大文字小文字の混合サポートの検討

SunLink Server プログラムのデフォルトで設定されている、大文字小文字の混合ファイル名のサポートをサーバーが継続するかどうかは、慎重に検討する必要があります。大文字小文字の混合サポートにより、クライアントは Solaris システム上の大文字小文字を含むファイル名にアクセスすることができますが、この機能を使用しないほうがサーバーの性能は向上します。

同じサーバー上で大文字小文字の混合サポートを頻繁に切り替えないようにしてください。大文字小文字の混合サポートが有効なときには、クライアントは大文字小文字の混合サポート名でファイルを作成することができます。大文字小文字の混合サポートが無効にされると、その直後に大文字小文字の混合名のファイルは無効になります。大文字小文字の混合サポートが有効から無効になると、既存のファイル名はすべて小文字になります。

1 つのディレクトリ内に、大文字と小文字の違いを区別するファイル名を作成しないでください。Solaris システムは大文字と小文字を区別するので、SunLink Server の大文字小文字の混合サポートでは大文字小文字が維持されるものの、Windows NT のように大文字と小文字を区別しない方式で動作します。Windows NT では 1 つのディレクトリ内に、大文字と小文字で区別された同じ名前のファイルを持つことができないため、Microsoft 製品のユーザーは、ファイルが大文字と小文字で区別されている可能性に気が付きません。その結果、ユーザーは希望するファイルとは別のファイルにアクセスしたり、アクセスを拒否されることがあります。