Solaris PC NetLink 管理マニュアル

3.4.3.3 WINS と NetBIOS モード

デフォルトでは SunLink Server ソフトウェアは、各ネットワークインタフェースをブロードキャストモードで使用します。ネットワークサービスまたは資源を要求するコンピュータは、このモードでネットワークに要求を送信し、資源やサービスを所有するマシンからの応答を要求します。要求を受信した各コンピュータは、アドレスを返します。

このモードでは WINS サーバーは不要ですが、多くのネットワークトラフィックが発生します。ブロードキャストモードはサブネットを通して動作しません。

WINS サーバーは NetBIOS ハイブリッドノード (h ノード) を使用します。このノードではネットワークサービスまたは資源を要求するコンピュータは、特定の WINS サーバーに直接要求を送信し、WINS サーバーは資源を所有するマシンのアドレスを捜して応答します。

WINS プロキシ

WINS プロキシは、複数のサブネットを組み合わせたネットワークでサブネット内のコンピュータの何台かがブロードキャストモードを使用している場合に便利です。WINS プロキシは、ローカルからの別のサブネット上のサービスへの要求を処理し、ネットワークアドレスを書き込み、必要に応じて WINS サーバーに接続します。

プライマリ WINS サーバーとセカンダリ WINS サーバーの IP アドレスを入力すれば、NetBIOS サービスが WINS サーバーを使用して NetBIOS 名の解決を行うように構成することもできます。プライマリ WINS サーバーのみ、または両方を構成することができます。指定する WINS サーバーのアドレスは、WINS サービスを実行しているローカルの SunLink Server システムまたは、WINS サービスを実行している別の SunLink Server システム、WINS サービスを実行している Windows NT サーバーの IP アドレスのいずれかになります。

プライマリまたはセカンダリの WINS サーバーが構成されている場合、SunLink Server システムで WINS プロキシを設定すれば、WINS サーバーを使用して NetBIOS 名を解釈処理するように構成されていない別のコンピュータに WINS プロキシサービスを提供することができます。このオプションを使用すると、ローカルサブネット上の b モードと h モードの NetBIOS ノードの両方の NetBIOS 名前空間に参加することになり、名前が重複する原因になることがあるので注意してください。

NetBIOS の適用範囲

NetBIOS の適用範囲は、特定のネットワークデバイスが接続できるコンピュータを制限する機能で、あまり使用することはありません。

適用範囲を使用する主な理由は、広域エリアネットワーク (WAN) または大規模なネットワーク内で、同じ NetBIOS 名を持つ 2 つ以上のネットワークインタフェースによって名前が重複するのを防ぐことです。

あるネットワークが、同じサブネット上に存在する 2 つのマシンを持った靴工場に属していると考えてみます。営業員がわかりやすいように 2 つのマシンには目印が付いています。

1 つのマシンはスニーカーを売っている人が使用し、別のマシンはブーツを売っている人が使用しています。どちらのマシンにも「sales」 という NetBIOS 名がつけられいていると問題が生じる可能性があります。しかし、一方のマシンの適用範囲名が 「sneakers」、もう一方が「boots」と付けられている場合は、両方のマシンは重複せずに「sales」という NetBIOS 名を保持することができます。この場合、これらのマシンは同じ適用範囲に属するマシンとしか通信できません。