名前 | 形式 | 補足 | 使用例 | 属性 | 関連項目 | 注意事項
Solaris Resource Manager をインストールすると、Solaris Resource Manager CPU スケジューラもインストールされます。このスケジューラのクラス名は "SHR" です。dispadmin コマンドを使用すると、SHR クラスがあるかどうかを確認でき、SHR スケジューラが使用するタイムスライス量を取得または設定できます。
SHR スケジューラは、TS スケジューリングクラス (ts_dptbl(4) を参照) と同じ大域的スケジューリング優先順位を使用します。ただし、プロセスの優先順位の割り当ては SHR スケジューラが動的に管理し、ディスパッチャテーブルを使用せずにユーザー間での CPU 実行率を割り当てます。したがって、ディスパッチャテーブルを提供するための別のロード可能なモジュールはありません。
残りのパラメータはタイムスライス量です。タイムスライス量は実行中のシステム上で検査および変更される場合があります。タイムスライス量とは、プロセスに割り当てられた時間の長さ (チック (Hz) 単位) です。CPU 使用率の高いプロセスは、通常、より高い優先度を持つプロセスにより横取りされるまで、この時間だけ動作します。デフォルトのタイムスライス量は 11 チックであり、対話的な応答とプロセスコンテキストの切り替えシステムのオーバーヘッドとの釣り合いを考慮した値です。CPU 使用率が高く、対話的でないシステムではこの値を大きくできます。この値を小さくするとコンテキストの切り替えが増えますが、対話的な応答性は向上します。
-l オプションを指定すると、構成されたスケジューラクラスが表示されます。次に、典型的な例を示します。
CONFIGURED CLASSES | |
SYS | (System Class) |
SHR | ((SHR) SRM Scheduler) |
. . . |
次のコマンドは、カーネルメモリーから SHR クラスの現在の量を取り出し、標準出力に書き込みます。タイム量は 100 分の 1 秒単位で表わされます。
dispadmin -c SHR -g -r 100
出力は次のようになります。
# # (SHR) SRM Scheduler Configuration # Resolution=100 # Resolution Quantum=11 # Global time quantum for all processes
たとえば、この出力を shr.config ファイルに保存して、値を編集すると、次のコマンドでカーネルが使用する量を変更できます。
dispadmin -c SHR -s shr.config
priocntl(1), ts_dptbl(4), priocntl(1MSRM), srm(5SRM)
『Solaris Resource Manager 1.1 のシステム管理』
このマニュアルページは、SunOS 5.6 および SunOS 5.7 に適用できます。