Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール

Sun Cluster HA for Oracle をインストールする準備

この節の説明に従って、Sun Cluster ノードに Sun Cluster HA for Oracle をインストールする準備をしてください。

Sun Cluster HA for Oracle のインストール場所の選択

Oracle のバイナリは、物理ホストのローカルディスクにインストールすることも、あるいは多重ホストディスクにインストールすることもできます。どちらにインストールする場合でもそれぞれ長所と短所があります。インストール場所を選択するにあたっては、次のことを考慮してください。

多重ホストディスクに Oracle のバイナリをインストールすると、1 つだけバイナリのコピーを管理すればよいことになるため、管理が容易になります。また、クラスタの再構成中の Oracle バイナリまたはサーバーの高可用性も保証されます。ただし、冗長性を犠牲にするため、障害が発生した場合の可用性が犠牲になります。スイッチオーバーが発生した場合、あるいは多重ホストディスクから Oracle のバイナリが誤って削除された場合は、データサービスが使用できなくなることに注意してください。多重ホストディスクにインストールされたバイナリは、ディスクグループの一部としてミラー化されるため、領域を割り当てる必要があります。

物理ホストのローカルディスクに Oracle のバイナリをインストールすると、冗長性が増すため、障害あるいは誤ってコピーの 1 つを削除した場合の可用性が増します。また、Oracle はバイナリを含む別の物理ノード上で動作できます。ただし、物理ホストのローカルディスクに Oracle のバイナリを配置すると、ファイルの複数のコピーを管理する必要があるため、管理上のオーバーヘッドは大きくなります。

/etc/nsswitch.conf ファイルの設定

スイッチオーバーやフェイルオーバーの場合にデータサービスを正しく起動および停止するには、/etc/nsswitch.conf ファイルを次のように設定する必要があります。

Sun Cluster HA for Oracle を実行する論理ホストをマスターできる各ノードにおいて、/etc/nsswitch.conf ファイルの group には次のエントリの 1 つが必要です。

group:
 group:		 	files
 group:		 	files [NOTFOUND=return] nis
 group:		 	files [NOTFOUND=return] nisplus

Sun Cluster HA for Oracle は、データベースノードを起動および停止するときに su user コマンドを使用します。この設定により、パブリックネットワークの障害のためにクラスタノード上でネットワーク情報ネームサービスが利用できなくなったときに、su user コマンドは NIS や NIS+ を参照しなくなります。

Sun Cluster HA for Oracle 用の多重ホストディスクの構成

Solstice DiskSuite を使用している場合は、Sun Cluster HA for Oracle が UFS ロギングあるいはミラー化 raw メタデバイスを使用するように構成できます。メタデバイスの構成についての詳細は、付録 B 「Solstice DiskSuite の構成」 を参照してください。

VERITAS Volume Manager を使用している場合は、Sun Cluster HA for Oracle が VxFS ロギングあるいは raw デバイスを使用するように構成できます。VxFS ファイルシステムについての詳細は、付録 C 「VERITAS Volume Manager の構成」 を参照してください。