Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール

Lotus Domino パーティション分割サーバーのインストールと構成

Lotus Domino 4.6.3 のパーティション分割サーバー機能によって、単一のノード上で複数の Lotus Domino サーバーを実行できます。この節では、パーティション分割サーバーを Sun Cluster にインストールおよび設定する手順について説明します。パーティション分割サーバー自身の機能についての詳細は、Lotus Domino マニュアルを参照してください。


注 -

パーティション分割サーバーをインストールするには、Lotus Domino Advanced Services のライセンスが必要です。


パーティション分割サーバーをネットワークアクセスできるように構成するには、次の 2 つの方法があります。

次の表に、上記方法のガイドラインを要約します。「Lotus バイナリのインストール場所の選択」も参照してください。

表 13-2 Lotus Domino サーバーのインストールオプション

サーバー 

バイナリのインストール場所 

単一の Lotus Domino サーバー 

すべてのノード上のローカルディスク、または共有ディスク 

一意の TCP ポート番号を持つパーティション分割サーバー 

すべてのノード上のローカルディスク、または共有ディスク 

一意の IP アドレスを持つパーティション分割サーバー 

すべてのノード上のローカルディスクのみ 

データディレクトリ 

共有ディスクのみ 

Lotus Domino パーティション分割サーバーをインストールするには

Lotus Domino 4.6.3 のパーティション分割サーバーをインストールし、データディレクトリを構成するには、次の手順を使用します。インストールを開始する前に、表 13-1 の構成オプションと表 13-2 のバイナリの場所に注意してください。詳細は、Lotus Domino インストールマニュアルも参照してください。

  1. 「」において、手順 7 から 「Lotus Domino のインストールと構成」 までを実行して、Lotus Domino 初期サーバーをインストールします。

    インストールを実行するには、ユーザー root になる必要があります。

    サーバーのパーティション番号が一意になることを保証するために、データディレクトリは 1 つのノード上だけで作成します。

  2. インストール中、Lotus Domino Advanced Services をインストールするかどうかを尋ねられたときは「yes」と答えます。

    これで、パーティション分割サーバーがインストールされます。

  3. インストールが完了したら、root でログアウトして、ユーザー notes でログインし直します。

    これで、Lotus Domino サーバーのデータファイルへのアクセスが保証されます。

  4. Lotus Domino インストールプログラムを使用して、パーティション分割サーバーを設定します。

    最初のパーティション分割サーバーを設定するには、次のコマンドでインストールプログラムを呼び出します。


    # /opt/lotus/bin/notes
    

    パーティション分割サーバーを設定するには、Lotus Domino インストールプログラムを使用します。インストール中、パーティション分割サーバーのバイナリをインストールする場所 (ローカルディスクまたは共有ディスク) を指定する必要があります。インストール場所についての詳細は、表 13-2 を参照してください。

    データディレクトリを作成するように尋ねられたときには、共有ディスクにデータディスクを作成します。サーバーのパーティション番号が一意になることを保証するために、すべてのデータディレクトリは 1 つのノード上だけで作成します。


    注 -

    後続のパーティション分割サーバーをインストールするには、まず、Lotus Domino 主 (初期) サーバーが動作している必要があります。さらに、主パーティション分割サーバーで後続のパーティション分割サーバーの名前を登録しておく必要もあります。詳細は、Lotus Domino のマニュアルを参照してください。


    後続のパーティション分割サーバーを設定するには、次のコマンドを入力します。


    # /opt/lotus/bin/notes -u
    


    注 -

    ユーザー notes はすべてのファイルへの書き込み権を持っていることが必要です。


  5. Lotus Domino 設定プログラムを使用して、パーティション分割サーバーを構成します。

    パーティション分割サーバーをインストールするたびに、設定プログラムは自動的に起動します。

    設定についての詳細は、Lotus Domino マニュアルを参照してください。この部分には Sun Cluster の注意事項はありません。

次に、「一意の IP アドレスを使用するように Lotus Domino パーティション分割サーバーを構成するには」、または 「一意の TCP ポート番号を使用するように Lotus Domino パーティション分割サーバーを構成するには」に進みます。

一意の IP アドレスを使用するように Lotus Domino パーティション分割サーバーを構成するには

パーティション分割サーバーのバイナリをローカルディスクにインストールし、データディレクトリを共有ディスクで構成した後、一意の IP アドレスを使用するようにパーティション分割サーバーを構成するには、次の手順を使用します。

  1. 各パーティション分割サーバー上の notes.ini ファイルを編集して、適切な IP アドレスとポート番号を指定します。

    これで、Lotus Notes とパーティション分割サーバー間で通信できます。

    次の例において、IPaddress は現在のパーティション分割サーバーがインストールされているホストの IP アドレスです。また、port_number は Lotus の標準のポート番号 (通常は 1352) です。port_number はすべてのパーティション分割サーバーの notes.ini で同じである必要があります。逆に、IPaddress はファイルごとに異なる必要があります。


    ...
    TCPIP_TCPIPAddress=0,IPaddress:port_number
    ...

    notes.ini ファイルについての詳細は、Lotus マニュアルを参照してください。

次に、「Sun Cluster HA for Lotus のインストールと構成」に進みます。

一意の TCP ポート番号を使用するように Lotus Domino パーティション分割サーバーを構成するには

パーティション分割サーバーのバイナリを各ノードのローカルディスクまたは共有ディスクにインストールし、データディレクトリを共有ディスクで構成した後、一意の TCP ポート番号を使用するようにパーティション分割サーバーを構成するには、次の手順を使用します。

  1. ポートマッパーサーバーとなるパーティション分割サーバーを 1 つだけ選択します。


    注 -

    クライアントがパーティション分割サーバーにアクセスするには、ポートマッパーサーバーに割り当てられている標準のポート (1352) を使用する必要があります。ポートマッパーサーバーは他のパーティション分割サーバーへの要求を処理します。他のパーティション分割サーバーに要求を経路指定するには、ポートマッパーサーバーが動作している必要があります。したがって、ポートマッパーサーバーが停止している場合、新しいセッションは接続できません。しかし、既存のセッションの接続は維持されます。


  2. ポートマッパーサーバー以外のすべてのパーティション分割サーバー上の notes.ini ファイルを編集して、一意の TCP ポート番号を指定します。

    ポートマッパーサーバー以外のすべてのパーティション分割サーバー上の notes.ini ファイルには、当該パーティション分割サーバーの IP アドレスとポート番号を定義する行が 1 行だけ存在します。次の例において、IPaddress は共有 IP アドレスです。また、port_number は当該パーティション分割サーバーの一意のポート番号です。


    ...
    TCPIP_TCPIPAddress=0,IPaddress:port_number
    ...

  3. ポートマッパーサーバー上の notes.ini ファイルを編集して、適切な TCP 設定を指定します。

    ポートマッパーサーバー上の notes.ini ファイルには、まず、自分自身のエントリが存在する必要があります。このエントリの port_number は標準のポート番号 (1352) です。さらに、他のすべてのパーティション分割サーバーのエントリも存在する必要があります。これらのエントリの port_number は各サーバーに一意のポート番号です。

    次の例において、1352 は現在のポートマッパーサーバーのポート番号です。servername は後続のパーティション分割サーバーの名前、org は組織の名前、IPaddress は共有 IP アドレス、そして、port_number は各パーティション分割サーバーに割り当てられている一意のポート番号です。

    IPaddress はすべてのエントリで同じである必要があります。逆に、port_number はエントリごとに異なる必要があります。


    ...
    TCPIP_TcpIpAddress=0,IPaddress:1352
    TCPIP_PortMapping00=CN=servername0/O=org.IPaddress:portnumber1
    TCPIP_PortMapping01=CN=servername1/O=org.IPaddress:portnumber2
    TCPIP_PortMapping02=CN=servername2/O=org.IPaddress:portnumber3
    TCPIP_PortMapping03=CN=servername3/O=org.IPaddress:portnumber4
    ...

    次に、「Sun Cluster HA for Lotus のインストールと構成」に進みます。