Lotus Domino 4.6.3 のパーティション分割サーバー機能によって、単一のノード上で複数の Lotus Domino サーバーを実行できます。この節では、パーティション分割サーバーを Sun Cluster にインストールおよび設定する手順について説明します。パーティション分割サーバー自身の機能についての詳細は、Lotus Domino マニュアルを参照してください。
パーティション分割サーバーをインストールするには、Lotus Domino Advanced Services のライセンスが必要です。
パーティション分割サーバーをネットワークアクセスできるように構成するには、次の 2 つの方法があります。
パーティション分割サーバーのバイナリをすべてのノード上のローカルディスクにインストールし、パーティション分割サーバーごとに一意の IP アドレスを使用する方法。
パーティション分割サーバーのバイナリをすべてのノード上のローカルディスクまたは共有ディスクにインストールし、パーティション分割サーバーごとに一意の TCP ポート番号を使用して、別のパーティション分割サーバーと IP アドレスを共有する方法。
次の表に、上記方法のガイドラインを要約します。「Lotus バイナリのインストール場所の選択」も参照してください。
表 13-2 Lotus Domino サーバーのインストールオプション
サーバー |
バイナリのインストール場所 |
---|---|
単一の Lotus Domino サーバー |
すべてのノード上のローカルディスク、または共有ディスク |
一意の TCP ポート番号を持つパーティション分割サーバー |
すべてのノード上のローカルディスク、または共有ディスク |
一意の IP アドレスを持つパーティション分割サーバー |
すべてのノード上のローカルディスクのみ |
データディレクトリ |
共有ディスクのみ |
Lotus Domino 4.6.3 のパーティション分割サーバーをインストールし、データディレクトリを構成するには、次の手順を使用します。インストールを開始する前に、表 13-1 の構成オプションと表 13-2 のバイナリの場所に注意してください。詳細は、Lotus Domino インストールマニュアルも参照してください。
「」において、手順 7 から 「Lotus Domino のインストールと構成」 までを実行して、Lotus Domino 初期サーバーをインストールします。
インストールを実行するには、ユーザー root になる必要があります。
サーバーのパーティション番号が一意になることを保証するために、データディレクトリは 1 つのノード上だけで作成します。
インストール中、Lotus Domino Advanced Services をインストールするかどうかを尋ねられたときは「yes」と答えます。
これで、パーティション分割サーバーがインストールされます。
インストールが完了したら、root でログアウトして、ユーザー notes でログインし直します。
これで、Lotus Domino サーバーのデータファイルへのアクセスが保証されます。
Lotus Domino インストールプログラムを使用して、パーティション分割サーバーを設定します。
最初のパーティション分割サーバーを設定するには、次のコマンドでインストールプログラムを呼び出します。
# /opt/lotus/bin/notes |
パーティション分割サーバーを設定するには、Lotus Domino インストールプログラムを使用します。インストール中、パーティション分割サーバーのバイナリをインストールする場所 (ローカルディスクまたは共有ディスク) を指定する必要があります。インストール場所についての詳細は、表 13-2 を参照してください。
データディレクトリを作成するように尋ねられたときには、共有ディスクにデータディスクを作成します。サーバーのパーティション番号が一意になることを保証するために、すべてのデータディレクトリは 1 つのノード上だけで作成します。
後続のパーティション分割サーバーをインストールするには、まず、Lotus Domino 主 (初期) サーバーが動作している必要があります。さらに、主パーティション分割サーバーで後続のパーティション分割サーバーの名前を登録しておく必要もあります。詳細は、Lotus Domino のマニュアルを参照してください。
後続のパーティション分割サーバーを設定するには、次のコマンドを入力します。
# /opt/lotus/bin/notes -u |
ユーザー notes はすべてのファイルへの書き込み権を持っていることが必要です。
Lotus Domino 設定プログラムを使用して、パーティション分割サーバーを構成します。
パーティション分割サーバーをインストールするたびに、設定プログラムは自動的に起動します。
設定についての詳細は、Lotus Domino マニュアルを参照してください。この部分には Sun Cluster の注意事項はありません。
次に、「一意の IP アドレスを使用するように Lotus Domino パーティション分割サーバーを構成するには」、または 「一意の TCP ポート番号を使用するように Lotus Domino パーティション分割サーバーを構成するには」に進みます。
パーティション分割サーバーのバイナリをローカルディスクにインストールし、データディレクトリを共有ディスクで構成した後、一意の IP アドレスを使用するようにパーティション分割サーバーを構成するには、次の手順を使用します。
各パーティション分割サーバー上の notes.ini ファイルを編集して、適切な IP アドレスとポート番号を指定します。
これで、Lotus Notes とパーティション分割サーバー間で通信できます。
次の例において、IPaddress は現在のパーティション分割サーバーがインストールされているホストの IP アドレスです。また、port_number は Lotus の標準のポート番号 (通常は 1352) です。port_number はすべてのパーティション分割サーバーの notes.ini で同じである必要があります。逆に、IPaddress はファイルごとに異なる必要があります。
... TCPIP_TCPIPAddress=0,IPaddress:port_number ... |
notes.ini ファイルについての詳細は、Lotus マニュアルを参照してください。
次に、「Sun Cluster HA for Lotus のインストールと構成」に進みます。
パーティション分割サーバーのバイナリを各ノードのローカルディスクまたは共有ディスクにインストールし、データディレクトリを共有ディスクで構成した後、一意の TCP ポート番号を使用するようにパーティション分割サーバーを構成するには、次の手順を使用します。
ポートマッパーサーバーとなるパーティション分割サーバーを 1 つだけ選択します。
クライアントがパーティション分割サーバーにアクセスするには、ポートマッパーサーバーに割り当てられている標準のポート (1352) を使用する必要があります。ポートマッパーサーバーは他のパーティション分割サーバーへの要求を処理します。他のパーティション分割サーバーに要求を経路指定するには、ポートマッパーサーバーが動作している必要があります。したがって、ポートマッパーサーバーが停止している場合、新しいセッションは接続できません。しかし、既存のセッションの接続は維持されます。
ポートマッパーサーバー以外のすべてのパーティション分割サーバー上の notes.ini ファイルを編集して、一意の TCP ポート番号を指定します。
ポートマッパーサーバー以外のすべてのパーティション分割サーバー上の notes.ini ファイルには、当該パーティション分割サーバーの IP アドレスとポート番号を定義する行が 1 行だけ存在します。次の例において、IPaddress は共有 IP アドレスです。また、port_number は当該パーティション分割サーバーの一意のポート番号です。
... TCPIP_TCPIPAddress=0,IPaddress:port_number ... |
ポートマッパーサーバー上の notes.ini ファイルを編集して、適切な TCP 設定を指定します。
ポートマッパーサーバー上の notes.ini ファイルには、まず、自分自身のエントリが存在する必要があります。このエントリの port_number は標準のポート番号 (1352) です。さらに、他のすべてのパーティション分割サーバーのエントリも存在する必要があります。これらのエントリの port_number は各サーバーに一意のポート番号です。
次の例において、1352 は現在のポートマッパーサーバーのポート番号です。servername は後続のパーティション分割サーバーの名前、org は組織の名前、IPaddress は共有 IP アドレス、そして、port_number は各パーティション分割サーバーに割り当てられている一意のポート番号です。
IPaddress はすべてのエントリで同じである必要があります。逆に、port_number はエントリごとに異なる必要があります。
... TCPIP_TcpIpAddress=0,IPaddress:1352 TCPIP_PortMapping00=CN=servername0/O=org.IPaddress:portnumber1 TCPIP_PortMapping01=CN=servername1/O=org.IPaddress:portnumber2 TCPIP_PortMapping02=CN=servername2/O=org.IPaddress:portnumber3 TCPIP_PortMapping03=CN=servername3/O=org.IPaddress:portnumber4 ... |