HA 1.3 または Sun Cluster 2.1 を Sun Cluster 2.2 にアップグレードするにあたっては、SAP に関わる次のことに注意してください。
HA 1.3 または Sun Cluster 2.1 で hasap_start_all_instances あるいは hasap_stop_all_instances スクリプトをカスタマイズしていた場合は、Sun Cluster 2.2 へのアップグレードを開始する前に、そのスクリプトファイルを安全な場所に保存し、アップグレードの完了後に復元してください。Sun Cluster 2.2 は古いスクリプトを削除するため、こうすることによって、カスタマイズ内容が失われるのを防ぐことができます。
Sun Cluster 2.2 に実装されている構成パラメータは、Solstice HA 1.3 や Sun Cluster 2.1 に実装されているものと異なります。このため、Sun Cluster 2.2 にアップグレードした後に、hadsconfig(1M) コマンドを実行して、Sun Cluster HA for SAP を再構成してください。
アップグレードを開始する前に、既存の構成を表示し、現在の構成変数を書き留めておいてください。Solstice HA 1.3 の場合は hainetconfig(1M) コマンド、Sun Cluster 2.1 の場合は、hadsconfig(1M) コマンドを使用して、それぞれ構成を表示することができます。Sun Cluster 2.2 にアップグレードした後に、hadsconfig(1M) コマンドを採用して、インスタンスを再作成してください。
Sun Cluster 2.2 では、hareg -n コマンドは、すべてのインスタンスおよび障害モニターを含めて、Sun Cluster HA for SAP データサービス全体を停止します。以前のバージョンでは、 Sun Cluster HA for SAP と組み合わせられたとき、hareg -n コマンドは、単に障害モニターだけを停止しました。
また、hareg -y を使用して Sun Cluster HA for SAP データサービスを起動する場合は、前もって SAP 中央インスタンスを停止しておく必要があります。停止しておかないと、Sun Cluster HA for SAP データサービスは、インスタンスを正しく起動、監視することができません。