SAP および Oracle のインストール手順を開始する前に、次の準備作業を行なっておいてください。
全ノード上での Solaris オペレーティング環境およびその必須パッチをインストールする
第 3 章「Sun Cluster ソフトウェアのインストールと構成」を参照してください。
全ノード上でのボリュームマネージャのソフトウェアおよびその必須パッチをインストールする
第 3 章「Sun Cluster ソフトウェアのインストールと構成」を参照してください。
SAP および Oracle をインストールするノード上で、Solstice DiskSuite ディスクセットまたは VxVM ディスクグループを作成する。
SAP 中央インスタンスおよびデータベースインスタンス用にそれぞれ異なるディスクグループを作成することを推奨
SAP および Oracle をインストールするノード上で、Sun Cluster ガイドラインに従ってボリュームを作成する
コントローラにまたがるボリュームをミラー化する
VxVM の場合は、ミラーの再同期の高速化のためのダーティリージョンログを使用する
論理ホストのフェイルオーバーの高速化のためにロギングファイルシステムを使用する
表 10-4 をワークシートとして利用して、SAP の中央インスタンスに使用する各ファイルシステムに対応するボリューム名を収集してください。実際の構成によって異なる推奨ファイルシステムサイズについては、SAP のインストールガイドを参照してください。これらのファイルシステムは、データベースに依存しないファイルシステムです。
表 10-4 ワークシート: SAP の中央インスタンス用のファイルシステムとボリューム名 (Oracle の SAP)
ファイルシステム名 / マウントポイント |
ボリューム名 |
---|---|
/oracle/805_32 (Oracle 8.0.6 の SAP 4.6B のみ) |
|
/usr/sap/trans |
|
/sapmnt/<SAPSID> |
|
/usr/sap/<SAPSID> |
|
をワークシートとして利用して、データベースインスタンスに使用する各ファイルシステムに対応するボリューム名を収集してください。実際の構成によって異なる推奨ファイルシステムサイズについては、SAP のインストールガイドを参照してください。これらのファイルシステムは、データベースに依存しないファイルシステムです。
表 10-5 ワークシート: SAP データベースインスタンス用のファイルシステムとボリューム名 (Oracle の SAP)
ファイルシステム名 / マウントポイント |
ボリューム名 |
---|---|
/oracle/<SAPSID> |
|
/oracle/stage/stage_<version> |
|
/oracle/<SAPSID>/origlogA |
|
/oracle/<SAPSID>/origlogB |
|
/oracle/<SAPSID>/mirrlogA |
|
/oracle/<SAPSID>/mirrlogB |
|
/oracle/<SAPSID>/saparch |
|
/oracle/<SAPSID>/sapreorg |
|
/oracle/<SAPSID>/sapdata1 |
|
/oracle/<SAPSID>/sapdata2 |
|
/oracle/<SAPSID>/sapdata3 |
|
/oracle/<SAPSID>/sapdata4 |
|
/oracle/<SAPSID>/sapdata5 |
|
/oracle/<SAPSID>/sapdata6 |
|
全ノード上でSun Cluster、Sun Cluster HA for SAP、Sun Cluster HA for Oracle とそれらの必須パッチのインストール。
第 3 章で説明している手順を使用しますが、そのインストール中、scinstall(1M) を使用して論理ホストの設定を行わないでください。論理ホストの設定は、クラスタが動作した後、scconf(1M) を使用して行います。1 つの論理ホストに 2 つのディスクセットを設定してください。
全ノード上での PNM の構成
手順の詳細は、このマニュアルの 第 3 章「Sun Cluster ソフトウェアのインストールと構成」、および『Sun Cluster 2.2 のシステム管理』のネットワーク管理に関する章を参照してください。
クラスタの起動
1 つのノード上で、次のコマンドを実行します。
# scadmin startcluster physicalhost clustername |
他のすべてのノード上で、次のコマンドを連続して実行します。
# scadmin startnode |
(VxVM のみ) 全ディスクグループがデポートされていることの確認
(Solstice DiskSuite のみ) すべてのディスクセットの所有権の解除
SAP をインストールする上で scconf(1M) による論理ホストの作成。
論理ホスト数は、実際の構成によって異なります。『Sun Cluster 2.2 のシステム管理』の論理ホストの追加と削除についての説明を参照してください。次の情報が必要です。
論理ホスト名
論理ホストの潜在的マスターである物理ホスト名
論理ホストの潜在的マスター用の主パブリックネットワークコントローラ名
ディスクグループ名
論理ホストを作成するときは、scconf(1M) に -m オプションを使用して、自動フェイルバック機能を無効にしてください。
(VxVM を使用した、2 ノードの構成のみ) 共有 CCD の構成
付録 C 「VERITAS Volume Manager の構成」 を参照してください。
論理ホスト作成後の論理ホスト管理ファイルシステムの作成。
詳細な手順については、付録 B 「Solstice DiskSuite の構成」 または 付録 C 「VERITAS Volume Manager の構成」 を参照してください。
中央インスタンスおよびデータベースインスタンスボリューム用のマウントポイントの作成と、各論理ホストの全潜在的マスター上の vfstab.logicalhost ファイルへのその情報の入力。
vfstab.logicalhost ファイルは、/etc/opt/SUNWcluster/conf/hanfs にあります。
表 10-6 は、中央インタンスとデータベースインスタンスに関連付けられたディスクグループ (VxVM の場合) またはディスクセット (Solstice DiskSuite) 用として推奨するファイルシステムとマウントポイントをまとめています。論理ホストが1つの構成であっても、中央インスタンスとデータベースインスタンスのファイルシステムをそれぞれ異なるディスクグループまたはディスクセットに作成することによって、将来的に構成上の柔軟性が増すことがあります。
表 10-6 SAP の中央インスタンスとデータベースインスタンス用のファイルシステムとマウントポイント (Oracle の SAP)
ディスクグループ (VxVM) |
ディスクセット (Solstice DiskSuite) |
ボリューム名 |
マウントポイント |
---|---|---|---|
ci_dg |
CIloghost |
sap |
/usr/sap/<SAPSID> |
ci_dg |
CIloghost |
saptrans |
/usr/sap/trans |
ci_dg |
CIloghost |
sapmnt |
/sapmnt/<SAPSID> |
db_dg |
DBloghost |
oracle |
/oracle/<SAPSID> |
db_dg |
DBloghost |
stage |
/oracle/stage/stage_<version> |
db_dg |
DBloghost |
origlogA |
/oracle/<SAPSID>/origlogA |
db_dg |
DBloghost |
origlogB |
/oracle/<SAPSID>/origlogB |
db_dg |
DBloghost |
mirrlogA |
/oracle/<SAPSID>/mirrlogA |
db_dg |
DBloghost |
mirrlogB |
/oracle/<SAPSID>/mirrlogB |
db_dg |
DBloghost |
saparch |
/oracle/<SAPSID>/saparch |
db_dg |
DBloghost |
sapreorg |
/oracle/<SAPSID>/sapreorg |
db_dg |
DBloghost |
sapdata1 |
/oracle/<SAPSID>/sapdata1 |
db_dg |
DBloghost |
sapdata2 |
/oracle/<SAPSID>/sapdata2 |
db_dg |
DBloghost |
sapdata3 |
/oracle/<SAPSID>/sapdata3 |
db_dg |
DBloghost |
sapdata4 |
/oracle/<SAPSID>/sapdata4 |
db_dg |
DBloghost |
sapdata5 |
/oracle/<SAPSID>/sapdata5 |
db_dg |
DBloghost |
sapdata6 |
/oracle/<SAPSID>/sapdata6 |
Sun Cluster HA for NFS の構成と、各論理ホストの全潜在的マスター上の dfstab.logicalhost ファイルへの適切な共有ファイルシステム情報の入力 (SAP アプリケーションサーバーをクラスタの外部に構成する場合)。dfstab.logicalhost ファイルは、/etc/opt/SUNWcluster/conf/hanfs に存在します。
詳細は、「アプリケーションサーバーとテスト/開発システムに対する構成オプション」および第 11 章「Sun Cluster HA for NFS のインストールと構成」を参照してください。
クラスタの外部の SAP アプリケーションサーバーに次の表に示すファイルシステムを共有させてください。これらは、一般的なガイドラインです。詳細は、SAP のマニュアルを参照してください。
表 10-7 HA-NFS において外部の SAP アプリケーションサーバーに共有させるファイルシステム (Oracle の SAP)
外部アプリケーションサーバーに共有させるファイルシステム |
---|
/usr/sap/trans |
/sapmnt/<SAPSID>/exe |
/sapmnt/<SAPSID>/profile |
/sapmnt/<SAPSID>/global |
全潜在的マスター間における切り替えによる論理ホストの機能とマウントポイントのテスト。
このテストによって、すべてのマウントポイントが正しく作成されていることを確認します。
SAP のマニュアル『R/3 Installation on UNIX: OS Dependencies』で示されているガイドラインに従った、全潜在的マスター上のカーネルパラメータの調整。
中央インスタンスとデータベースインスタンスの 2 つが共存する、あるいは他のインスタンスと共存する構成では、その構成に応じて、カーネルパラメータを調整します。
全潜在的マスターノードに対する適切なサイズの恒久的なスワップ領域の作成。
スワップのガイドラインについては、SAP のマニュアル『Installation Requirements Checklist』を参照してください。スワップ空間を調整するにあたっては、SAP に用意されている memlimits ユーティリティを使用してください。このユーティリティについての詳細は、SAP のマニュアル『R/3 Installation on UNIX』を参照してください。
カーネルパラメータとスワップ空間調整後のクラスタの停止と全ノードの再起動
各論理ホストの全潜在的マスターに対する SAP およびデータベースのユーザーアカウントとグループアカウントの作成。
詳細は、SAP のマニュアル『R/3 Installation on UNIX: OS Dependencies』で示されているガイドラインを参照してください。ユーザーID とグループ ID は、すべてのノードで同じである必要があります。共有ディスクセット上にユーザー用のホームディレクトリを作成してください。表 10-8 は、ユーザーアカウント用として推奨するホームディレクトリのパスを示しています。
表 10-8 SAP ユーザーアカウント用のホームディレクトリのパス (Oracle の SAP)
ユーザー |
ホームディレクトリ |
---|---|
<sapsid>adm |
/usr/sap/<SAPSID>/home |
ora<sapsid> |
/oracle/<SAPSID> |
SAP 4.0b の場合は、OSS に関する注意 0100125 を参照してください。/home の外部にユーザーホームディレクトリを作成するときに従う必要がある特別な手順を示しています。
これらの準備作業をすべて完了したら、「Oracle の SAP をインストールするには」を参照してください。