Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール

Solstice DiskSuite を含むファイルシステム

Solstice DiskSuite ソフトウェアは、多重ホストディスクに、他のボリュームマネージャでは必要とされない領域を必要とし、いくつか使用制限があります。たとえば、Solstice DiskSuite で UNIX ファイルシステム (UFS) ロギングを使用する場合は、各多重ホストディスクの 1 〜 2% をメタデバイス状態データベースの複製と UFS ロギング用に予約する必要があります。具体的なガイドラインと制限事項については、付録 B 「Solstice DiskSuite の構成」 と Solstice DiskSuite のマニュアルを参照してください。

それぞれの共有ディスクセットが使用するすべてのメタデバイスは前もって (すなわち、md.conf ファイルに含まれる設定に基づいて再構成起動時に) 作成されます。md.conf ファイル内の各フィールドについては、Solstice DiskSuite のマニュアルに説明があります。Sun Cluster 構成で使用するフィールドは 2 つあり、md_nsetsnmd です。md_nsets フィールドはディスクセット数を定義し、mnd フィールドは各ディスクセット用に作成するメタデバイス数を定義します。インストール時、これら 2 つのフィールドに、将来のクラスタのあらゆる拡張を考慮した値を設定してください。

クラスタを実際に使用し始めた後で Solstice DiskSuite の構成を拡張しようとすると、すべてのノードについて再構成再起動が必要になるため、作業は時間のかかるものになります。また、要求されたあらゆるデバイスを作成するには、ルート (/) ファイルシステムに確保された領域では不十分という危険性も伴います。

md_nsets フィールドには、クラスタ内の予想される論理ホスト数に 1 を加えた値を設定して、Solstice DiskSuite が論理ホストの全プライベートディスク (すなわち、ローカルディスクセットに含まれないメタデバイス) を管理できるようにしてください。

nmd フィールドには、クラスタ内の任意の 1 つのディスクセットが使用するメタデバイスの予想最高数を設定する必要があります。 たとえば、最初の 15 のディスクセットは 10 個のメタデバイスを使用するが、16 番目のディスクセットは 1000 個のメタデバイスを使用するという場合は、nmd は最低でも 1000 に設定する必要があります。


注意 - 注意 -

あらゆるクラスタノード (クラスタペアトポロジの場合はクラスタペア) の md.conf ファイルの内容は、それぞれのノードがサービスを提供する論理ホスト数に関係なく、同一である必要があります。このガイドラインに従っていない場合は、重大な Solstice DiskSuite エラーが発生し、データが失われることがあります。


Solstice DiskSuite ファイルシステムの配置を計画するにあたっては、次のことを考慮してください。


注 -

スライス 2 によるスライス 6 と 0 のオーバーラップ部分は、UFS ログが存在しない raw デバイスに使用されます。


どのディスクセットについても、最初の 2 つのコントローラの先頭ドライブは、表 2-3 に示すようにパーティション分割します。

各多重ホストディスクの先頭または最後の 2M バイトは、パーティション 7 として Solstice DiskSuite 用に予約されます。

表 2-2 ドライブの多重ホストディスクのパーティション分割

スライス 

説明 

2M バイト (Solstice DiskSuite 用に予約) 

UFS ログ 

ディスクの残り領域 

スライス 6 と 0 のオーバーラップ部分 

表 2-3 最初の 2 つのコントローラの先頭ドライブの多重ホストディスクのパーティション分割

スライス 

説明 

2M バイト (Solstice DiskSuite 用に予約) 

2M バイト (HA 管理ファイルシステム用の UFS ログ) 

9M バイト (HA 管理ファイルシステム用の UFS マスター) 

UFS ログ 

ディスクの残り領域 

スライス 6 と 0 のオーバーラップ部分