Sun Cluster 2.2 のクライアントパッケージとサーバーパッケージをインストールしたら、ここで説明するインストールの後処理作業を行います。
クラスタを構成するための主な作業は、次のとおりです。
全ノードでソフトウェアディレクトリのパスを設定する
全ノードで /.rhosts ファイルへの IP アドレスを追加する
(SCI のみ) sm_config テンプレートファイル (/opt/SUNWsma/bin/Examples に含まれている template.sc) を編集する (アクティブではなく、潜在的と指定したノードのコメントアウト)
(SCI のみ) sm_config(1M) コマンドにより SCI プライベートインターコネクトスイッチを設定する
Sun Cluster のパッチをインストールする
すべてのノードを再起動する
(VxVM のみ) VxVM または CVM をインストールし、構成する
pnmset(1M) コマンドにより、 NAFO バックアップグループを構成する
クラスタを起動する
(Solstice DiskSuite のみ) Solstice DiskSuite をインストールし、構成する
(省略可能) 追加論理ホストを設定する
(VxVM のみ) 共有 CCD ボリュームを構成する
HA データサービスを構成し、起動する
Sun Cluster Manager を構成し、起動する
クラスタを構成する詳細な手順は、次のとおりです。
全ノードについて、ソフトウェアディレクトリのパスを設定します。
すべてのノードで、PATH の設定に/sbin、/usr/sbin、/opt/SUNWcluster/bin、/opt/SUNWpnm/bin を追加します。また、MANPATH の設定に /opt/SUNWcluster/man を追加します。
すべてのノードで、PATH と MANPATH の設定にボリュームマネージャに固有のパスを追加します。
VERITAS Volume Manager 3.0.4 の場合は、PATH の設定に /opt/VRTSvmsa/bin と /etc/vx/bin を追加し、MANPATH の設定に /opt/VRTSvmman/man を追加します。
Solstice DiskSuite 4.2 の場合は、PATH の設定に /usr/opt/SUNWmd/sbin を追加し、MANPATH の設定に /usr/opt/SUNWmd/man を追加します。
Solstice DiskSuite 4.2.1 の場合は、PATH の設定に /usr/sbin を追加し、MANPATH の設定に /usr/man を追加します。
プライベートインタフェースに SCI (Scalable Coherent Interface) を使用する場合は、SCI のパスを設定します。
PATH の設定に /opt/SUNWsci/bin、/opt/SUNWscid/bin、/opt/SUNWsma/bin を追加し、MANPATH の設定に /opt/SUNWsma/man を追加します。
すべてのノードの /.rhosts ファイルに、プライベートネットワークの下記のハードコードされた IP アドレスを指定する必要があります。ノード 2 つのクラスタの場合は、下記のリスト中のノード 0 と 1 に指定されたアドレスだけ指定します。ノード 3 つのクラスタの場合は、下記のリスト中のノード 0、1、2 に指定されたアドレスを指定します。ノード 4 つのクラスタの場合は、下記のリスト中の全アドレスを指定します。
# node 0 204.152.65.33 204.152.65.1 204.152.65.17 # node 1 204.152.65.34 204.152.65.2 204.152.65.18 # node 2 204.152.65.35 204.152.65.3 204.152.65.19 # node 3 204.152.65.36 204.152.65.4 204.152.65.20 |
/.rhosts ファイルにプライベートネットワークの IP アドレスを指定しなかった場合、hadsconfig(1M) スクリプトは、データサービスが構成されたときに、すべてのノードに対する自動的なデータサービス構成情報の複製を作成できません。その場合は、hadsconfig(1M) のマニュアルページで説明しているように、構成ファイルの複製を手動で作成する必要があります。
プライベートインタフェースに SCI を使用する構成で、サーバーソフトウェアのインストール中に潜在的ノードを指定した場合は、sm_config ファイルを編集します。
scinstall(1M) を使用したサーバーソフトウェアのインストールでは、アクティブノードと潜在的ノードを指定しました。ここでテキストエディタで sm_config ファイルを開き、潜在的ノードのホスト名の前に「_%」を付けることによって、それらホスト名をコメントアウトします。下記の sm_config ファイルの例では、phys-host1 と phys-host2 がアクティブノードで、phys-host3 と phys-host4 が後でクラスタに追加される潜在的ノードです。
HOST 0 = phys-host1 HOST 1 = phys-host2 HOST 2 = _%phys-host3 HOST 3 = _%phys-host4 |
プライベートインタフェースに SCI (SBus のみ) を使用している場合は、すべてのノードを再起動します。
プライベートインタフェースに SCI (PCI Bus) を使用している場合は、 sm_config(1M) コマンドを実行する前に実行する前に再起動を行う必要はありません。
SCI (SBus または PCI Bus) を使用する場合は、sm_config(1M) コマンドを使用してスイッチを設定します。
sm_config(1M) コマンドを実行する前に、/opt/SUNWsma/bin/Examples に含まれている template.sc テンプレートファイルのコピーを作成して、編集する必要があります。詳細は、sm_config(1M) のマニュアルページと、『Sun Cluster 2.2 のシステム管理』の第 6 章にある「スイッチ管理エージェントの管理手順を参照してください。
sm_config(1M) コマンドは、1 つのノードでのみ実行してください。
# sm_config -f templatefile |
Sun Cluster 2.2 のパッチをインストールします。
パッチデータベースを調べるか、ご購入先に問い合わせて、Sun Cluster 2.2 の実行に必要なハードウェアパッチまたはソフトウェアパッチがないかどうかを確認してください。
必要なパッチがある場合は、各パッチに付属している README ファイルの指示に従ってすべてインストールしてください。
すべてのノードを再起動します。
再起動することにより、scinstall(1M) がインストールした Sun Cluster のデバイスドライバ用のデバイスファイルが作成されます。また、手順 6 でインストールしたパッチそのものが、再起動を必要とすることがあります。
SCI をインストールしていない場合、あるいはパッチをインストールしていない場合でも、この時点ですべてのノードを再起動する必要があります。
(VxVM のみ) VxVM または CVM をインストールして、構成します。
ボリュームマネージャのマニュアルに従って、使用するボリュームマネージャとそのパッチをインストールして、構成を行います。
このプロセスでは、ボリュームマネージャとそのパッチのインストール、プレックスとボリュームの作成、HA 管理ファイルシステムの構成、vfstab.logicalhost ファイルの更新などの作業を行います。詳細は、第 2 章「構成の計画」と付録 C 「VERITAS Volume Manager の構成」 を参照してください。
ここでディスクグループとボリュームを作成しますが、次に進む前に解放します。
NAFO バックアップグループをまだ構成していない場合は構成します。
初期インストールでは、scinstall(1M) コマンドを使用して、PNM パッケージの SUNWpnm のインストールや、NAFO バックアップグループごとのコントローラの設定、PNM の初期化を行うことができます。
ノード 1 つにパブリックネットワークが 1 つしかない場合でも、scinstall(1M) または pnmset(1M) を使用して、パブリックネットワークアダプタを設定する必要があります。
scinstall(1M) を使用したコントローラの設定と PNM の初期化を行なっていない場合、あるいは 1 つの NAFO バックアップグループに対して複数のコントローラを割り当てる場合は、ここで pnmset(1M) コマンドを実行します。pnmset(1M) コマンドは、対話形式のスクリプトとして動作します。
# /opt/SUNWpnm/bin/pnmset |
詳細は、『Sun Cluster 2.2 のシステム管理』のネットワークインタフェースに関する章と、pnmset(1M) のマニュアルページを参照してください。
クラスタを起動します。
Solstice DiskSuite を使用する構成で、(「サーバーソフトウェアをインストールするには」 の手順で) サーバーソフトウェアのインストール中に論理ホストを構成した場合は、起動されたクラスタが論理ホストをオンラインにしようとするため、エラーメッセージが表示されます。このメッセージは、Solstice DiskSuite ディスクセットが設定されていないことを示します。ディスクセットは、手順 11 で設定するため、このメッセージは無視してかまいません。
ノードの 1 つで次のコマンドを実行します。
# scadmin startcluster phys-hahost1 sc-cluster |
クラスタ機能のある (Oracle Parallel Server で使用した) VERITAS Volume Manager を使用する場合は、他のノードを追加する前のこの時点で共有ディスクグループを構成する必要があります。
追加する各ノードから次のコマンドを実行することによって、クラスタの他のすべてのノードを追加します。
# scadmin startnode |
クラスタが動作していることを確認します。
任意のクラスタノードから hastat(1M) を使用して、動作を確認します。
# hastat |
(Solstice DiskSuite のみ) Solstice DiskSuite をインストールして、構成します。
このプロセスでは、ボリュームマネージャとそのパッチのインストール、ディスクセットの作成、HA 管理ファイルシステムの構成、vfstab.logicalhost ファイルの更新などの作業を行います。詳細は、第 2 章「構成の計画」と付録 B 「Solstice DiskSuite の構成」 を参照してください。
ここでディスクグループとボリュームを作成しますが、次に進む前に解放します。
ノード 2 つの構成で disk string が 2 つだけの場合は、メディエータも設定する必要があります。この設定は、Solstice DiskSuite の構成を終えてから行なってください。この手順については、『Sun Cluster 2.2 のシステム管理』の二重列メディエータに関する説明を参照してください。
論理ホストをまだ追加していない場合は、追加します。
初期インストールですべての論理ホストの構成を行わなかった場合、あるいは、論理ホストの構成を変更する場合は、scinstall(1M) に変更オプションを使用して、ここで論理ホストを追加し、構成してください。
1 つの論理ホストに複数のディスクグループを構成するには、クラスタを起動した後で、scconf(1M) コマンドを使用する必要があります。詳細は、scconf(1M) のマニュアルページを参照してください。
詳細は、『Sun Cluster 2.2 のシステム管理』の第 3 章の論理ホストの追加と削除に関する説明を参照してください。
scinstall(1M) を使用して最初に論理ホストを追加する場合は、クラスタが起動する前にすべてのホストから scinstall(1M) を実行してください。scinstall(1M) コマンドを使用して既存の論理ホストを構成し直す場合は、クラスタの動作中に 1 つのノードからだけ scinstall(1M) を実行します。
すべてのノードの /etc/hosts ファイルに論理ホスト名を追加します。
例:
# # Internet host table # 127.0.0.1 localhost 123.168.65.23 phys-hahost1 loghost 123.146.84.36 123.146.84.36 123.168.65.21 hahost1 123.168.65.22 hahost2 |
すべての論理ホストをオンラインにします。
haswitch(1M) を使用して、強制的にクラスタを再構成し、すべての論理ホストがそれらのデフォルトマスターによってマスターされるようにします。
# haswitch -r |
(省略可能) クラスタがノード 2 つだけの構成で、ボリュームマネージャが VxVM の場合は、共有 CCD ボリュームを構成します。
付録 C 「VERITAS Volume Manager の構成」 で説明している手順に従って、共有 CCD ボリュームを構成してください。
HA データサービスを構成して起動します。
詳細は、このマニュアルの関連するデータサービスの章と、使用するデータサービスのマニュアルを参照してください。
Sun Cluster Manager を構成して、起動します。
Sun Cluster Manager は、クラスタの監視に使用されます。使用方法については、『Sun Cluster 2.2 のシステム管理』の説明を参照してください。