クラスタノードの追加または削除を行う場合は、Sun Cluster ソフトウェアを再構成する必要があります。クラスタの最初のインストールで、scinstall(1M) コマンドによりクラスタ内の「アクティブ」ノードの数と「潜在」ノードの数が指定されます。この節の作業は、潜在ノードの追加とアクティブノードの削除をする場合に行なってください。
潜在ノードとしてまだ指定されていなノードを追加するには、クラスタ全体を停止し、再構成する必要があります。
この作業は、最初のインストールですでに「潜在」と指定されたノードに対してだけ行なってください。
scinstall(1M) コマンドを使用して、追加するノード上に Sun Cluster 2.2 をインストールします。
『Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール』で説明しているインストール作業を行なってください。ただし、scinstall(1M) プロンプトに応答する場合は、次の点に注意してください。
アクティブノードの数を入力するプロンプトには、現在追加しようとしているノードも合計に含めてください。
新しいクラスタノード数は 3 つ以上になります。そのため、クラスタ構成データベース (CCD) の共有情報のプロンプトは表示されません。
(直接接続デバイスを使用した VxVM のみ) ノードロックポートのプロンプトでは、指定されたノードロックデバイスとポートを入力してください。
(VxVM のみ) 定足数デバイスのプロンプトでは、定足数デバイスを選択しないでください。代わりに、complex モードを選択し、続いて N を選択してください。定足数デバイスの構成は、後で scconf -q コマンドを使用して行います。
(VxVM のみ) クラスタの分割動作を選択するために、ask を選択してください。
(SCI のみ) sm_config テンプレートファイルを更新して、新しいノードの情報を検証します。
この手順は、Ethernet 構成では不要です。
最初のインストールで「潜在」と指定されたノードは、それらのホスト名が _% という文字でコメントアウトされた状態で sm_config ファイルに含められています。アクティブにするノードの名前のコメントアウトを解除し、ファイル内の構成情報がノードの実際のレイアウトと一致しているか確認してください。
(SCI のみ) sm_config を実行します。
(VxVM のみ) ルートディスクグループを設定します。
詳細は、『Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール』の VxVM の付録を参照してください。
(SDS のみ) Solstice DiskSuite ディスクセットを設定します。
詳細は、『Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール』の Solstice DiskSuite の付録を参照してください。
すべてのノードに接続された直接接続デバイスがある場合には、新しいノードの直接接続ディスクフラグを設定します。
すべてのノードの cdb ファイルについて直接接続フラグを正しく設定するには、クラスタ内のすべてのノードで次のコマンドを実行してください。この例では、クラスタ名は sc-cluster です。
# scconf sc-cluster +D |
(VxVM のみ) 共通の定足数デバイスを選択します。
ボリュームマネージャが VxVM で、すべてのノードに接続された直接接続デバイスが存在する場合は、すべてのノードで次のコマンドを実行し、共有の定足数デバイスを選択します。
# scconf sc-cluster -q -D |
すべてのノードに接続された直接接続ディスクが存在しない場合は、定足数デバイスを新しいノードと共有するノードペアごとに次のコマンドを実行します。
# scconf -q |
(VxVM のみ) 新しいノードで、ノードロックポートを設定します。
直接接続ディスクをインストールしたばかりの場合は、すべてのノードでノードロックポートを設定します。
クラスタにすでに直接接続ディスクが含まれている場合は、新しいノードでだけ次のコマンドを実行してください。この例では、クラスタ名は sc-cluster で、端末集配信装置は cluster-tc です。
# scconf sc-cluster -t cluster-tc -l port_number |
クラスタを停止します。
すべてのノードで scconf -A コマンドを実行して、アクティブノードの数を更新します。
詳細は、scconf(1M) のマニュアルページを参照してください。この例では、クラスタ名は sc-cluster で、アクティブノードの新しい合計数は 3 です。
# scconf sc-cluster -A 3 |
(VxVM のみ) 共有 CCD が存在する場合は、これを削除します。共有 CCD は 2 ノードクラスタ以外では使用されません。
すべてのノードで次のコマンドを実行します。
# scconf sc-cluster -S none |
ftp をバイナリモードで使用し、既存のノードから新しいノードに cdb ファイルをコピーします。
cdb ファイルは、通常 /etc/opt/SUNWclus/conf/clustername.cdb です。
クラスタを起動します。
1 つのノード (任意) で、次のコマンドを実行します。
# scadmin startcluster phys-hahost sc-cluster |
続いて、ほかのすべてのノードで次のコマンドを実行します。
# scadmin startnode |
scconf(1M) コマンドを使用すると、scinstall(1M) コマンドによってクラスタソフトウェアのインストール時に設定されたアクティブノードの数を減らし、ノードを削除できます。この作業を行うには、クラスタ内のすべてのノードで scconf(1M) コマンドを実行する必要があります。
HA 構成の場合、削除するノードがマスターとなっているすべての論理ホストをスイッチオーバーします。
パラレルデータベース構成の場合、この手順は省略してください。
# haswitch phys-hahost3 hahost1 |
scconf -A コマンドを実行して、ノードを削除します。
scconf(1M) コマンドは、すべてのクラスタノードで実行してください。詳細は、scconf(1M) のマニュアルページを参照してください。
このコマンドに指定する数字は、ノード番号ではありません。この数字は、scconf 操作の後でアクティブなクラスタノードの合計数です。scconf 操作では、常に、最も大きなノード番号のノードがクラスタから削除されます。したがって、たとえば、3 ノードクラスタからノード番号 2 を削除することはできません。
この例では、クラスタ名は sc-cluster で、scconf 操作の後、アクティブノードの合計数は 2 です。
# scconf sc-cluster -A 2 |