この章では、Sun Cluster のノードコンポーネントを追加または取り外すためのソフトウェア作業について説明します。この章で説明する項目は次のとおりです。
Sun Cluster の Solstice DiskSuite コンポーネントはデバイス番号に影響を受けやすいため、システムボードを頻繁に移動させると混乱を起こします。インスタンスの名前と番号付けの詳細は、第 1 章「Sun Cluster の管理の準備」を参照してください。
ノードが最初に起動される時に、/dev ディレクトリ内の多重ホストディスク拡張装置エントリは接続スロットに関連付けられます。
たとえば、ノードが起動される時、システムボード 0 と SBus スロット 1 が多重ホストディスク拡張装置の識別情報の一部となります。このボードまたは SBus カードが新しい位置に移し替えられると、それらが新しい位置に移った時点で Solaris は SBus コントローラに新しいコントローラ番号を割り当てます。そのため、Solstice DiskSuite に混乱が生じます。
SBus カードは、スロット内の SBus カードの種類が同じであれば、移動できます。
多重ホストディスク拡張装置に通じているファイバケーブルの移動も、問題を起こす可能性があります。SBus カードを切り替える場合は、多重ホストディスク拡張装置も、変更前にそれらが接続されていた SBus スロットに接続し直す必要があります。
SIMM や CPU などのボードレベルモジュールの追加または交換を行うには、ソフトウェアとハードウェアの両方の作業が必要です。
ボードレベルモジュールを追加するノードで、Sun Cluster を停止します。
この例では、phys-hahost2 がボードレベルモジュールを追加する最初のノードです。
phys-hahost2# scadmin stopnode |
ノードを停止します。
phys-hahost2# halt |
ノードの電源を切ります。
該当するハードウェアマニュアルの操作指示に従って、ボードレベルモジュールを取り付けます。
ノードに電源を入れます。
ok boot -r |
ノードで、クラスタソフトウェアを起動します。
# scadmin startnode |
同様にハードウェアのアップグレードが必要なほかの Sun Cluster ノードで、手順 1 から 手順 7 を繰り返します。
必要に応じて、各論理ホストをそれらのデフォルトのマスターにスイッチバックします。
手動モードが設定されていない場合は、自動スイッチバックが行われます。
phys-hahost2# haswitch phys-hahost1 hahost1 |
Sun Cluster ノードの SBus カードを交換するには、ボード交換を行う稼動中のノードにデータサービスをスイッチオーバーします。論理ホストは、次の作業でデフォルトマスターにスイッチバックできます。
SBus カードの交換が必要な Sun Cluster ノードから、論理ホストの所有権を切り替えます。
たとえば、物理ホスト phys-hahost2 のボードを交換する場合は、次のように入力します。
phys-hahost1# haswitch phys-hahost1 hahost1 hahost2 |
影響を受けるノードで Sun Cluster を停止します。
障害のある SBus カードを持つホストで、stopnode オプションを指定して scadmin(1M) コマンドを実行してください。
phys-hahost2# scadmin stopnode |
影響を受けるノードを停止し、電源を切ります。
ハードウェアの交換作業を行います。
SBus カードの交換方法は、該当するハードウェアのサービスマニュアルで説明している手順を参照してください。
ノードに電源を入れ、そのノードでクラスタソフトウェアを起動します。
# scadmin startnode |
ノードは、自動的に Sun Cluster 構成に再結合します。
必要に応じて、論理ホストをデフォルトのマスターにスイッチバックします。
手動モードが設定されていない場合、自動スイッチバックが行われます。
phys-hahost1# haswitch phys-hahost2 hahost2 |