この節では、Solstice BackupTM を使用して Sun Cluster ファイルシステムをバックアップする方法について説明しています。
Solstice Backup は、単一のサーバーでサーバーソフトウェアの各コピーを実行するように設計されています。Solstice Backup は、ファイルのバックアップ元と同じ物理ディスクを使用してファイルの回復が行われることを想定します。
Solstice Backup は、サーバーとクライアントに対応する物理マシンについての多くのデータ (ホスト名とホスト ID) を保持しています。論理ホストが構成される実際の物理マシンに関するこれらの情報は、Solstice Backup がクライアントインデックスをどのように格納するかに影響を与えます。
Solstice Backup の /nsr データベースは、多重ホストディスクに格納しないでください。2 つの Solstice Backup サーバーが同じ /nsr データベースにアクセスを試みると、衝突が起きます。
Solstice Backup は、クライアントインデックスを一定の方法で格納します。そのため、別の日に個別の Solstice Backup サーバーを使用して個々のクライアントをバックアップすることは避けてください。バックアップを行う場合は必ず、その論理ホストが常に同じ物理サーバーによってマスターされていることを確認してください。これは、将来の回復作業を円滑に行うためです。
デフォルトでは、Sun Cluster システムはバックアップ構成の詳しいファイルシステムの一覧を生成しません。保存セットの一覧にキーワード All が含まれる場合、どのファイルシステムを保存すべきか決定するために、/etc/vfstab ファイルが検査されます。Sun Cluster の vfstab ファイルはデフォルトでは /etc/opt/SUNWcluster/conf/hanfs に保持されるため、保存する Sun Cluster ファイルシステムを明示的に指定しないかぎり、Solstice Backup はそれらを見つけることができません。バックアップ作業のテストを行う場合、バックアップを要するすべての Sun Cluster ファイルシステムが、Solstice Backup ファイルシステム一覧に含まれることを確認してください。
次に、Solstice Backup を構成するための 4 つの方法を示します。使用している Sun Cluster 構成に応じて、適切な方法を選択してください。この場合、スイッチオーバーの回数も考慮してください。方法を決定したら、将来の回復作業が円滑に行われるように、以降は同じ方法でバックアップを行なってください。
Solstice Backup サーバーとして構成された非クラスタノード (可用性が高くないサーバー) を使用する
Sun Cluster サーバーとは別のサーバーを Solstice Backup サーバーとして機能するように構成し、論理ホストをこのサーバーのクライアントとして構成します。最良の結果を出すには、日常のバックアップを行う前に、論理ホストがそれらの個々のデフォルトマスター上に構成されていることを必ず確認してください。この方法では、スイッチオーバーが必要になる場合があります。Solstice Backup は、クライアントインデックスを一定の方法で格納します。そのため、テイクオーバーなどの結果、論理サーバーの制御を別々の日に複数の代替サーバーによって行うと、回復操作時に Solstice Backup の混乱を引き起こす場合があります。
ローカルバックアップを行うように構成された 1 台の Sun Cluster サーバーを使用する
ローカルバックアップを行うように Sun Cluster サーバーの 1 台を構成します。日常のバックアップを行う前に、必ず論理ホストをこの Solstice Backup サーバーに切り替えます。たとえば、phys-hahost1 と phys-hahost2 が Sun Cluster サーバーで、phys-hahost1 が Solstice Backup サーバーの場合、バックアップを行う前に必ず論理ホストを phys-hahost1 に切り替えます。バックアップ終了後、通常 phys-hahost2 にマスターされている論理ホストをスイッチバックします。
Solstice Backup サーバーとして構成された複数の Sun Cluster サーバーを使用する
デフォルトで制御する論理ホストのローカルバックアップを行うように、各 Sun Cluster サーバーを構成します。日常のバックアップを行う前に、必ず論理ホストがそれらの個々のデフォルトマスター上で構成されていることを確認してください。この方法では、スイッチオーバーが必要になる場合があります。Solstice Backup は、クライアントインデックスを一定の方法で格納します。そのため、テイクオーバーなどの結果、論理サーバーの制御を別の日に複数の代替サーバーによって行うと、回復操作時に Solstice Backup の混乱を引き起こす場合があります。
Solstice Backup サーバーとして構成された 1 台の Sun Cluster サーバーを使用する
論理ホストをローカルにバックアップし、その兄弟の論理ホストをネットワークを介してバックアップするように 1 台の Sun Cluster サーバーを構成します。日常のバックアップを行う前に、必ず論理ホストがそれらの個々のデフォルトマスター上で構成されていることを確認してください。この方法では、スイッチオーバーが必要になる場合があります。Solstice Backup は、クライアントインデックスを一定の方法で格納します。そのため、テイクオーバーなどの結果、論理サーバーの制御を別々の日に複数の代替サーバーによって行うと、回復操作時に Solstice Backup の混乱を引き起こす場合があります。
上記の 4 つのバックアップ方法はすべて、指定した Solstice Backup サーバーがダウンしている場合に一時的にバックアップを行う別のサーバーを構成できます。一時的な Solstice Backup サーバーを使用して、通常の Solstice Backup サーバーによってバックアップされたファイルを回復させることはできません。また、通常のバックアップサーバーから、一時的なサーバーによってバックアップされたファイルを回復させることもできません。