日本語入力方式の概要と移行

第 4 章 ATOK12 への移行

この章では、ATOK8 および cs00 でユーザーが登録した単語情報を ATOK12 で使用する方法について説明します。また、ATOK8 の環境設定をATOK12 に移す方法についても説明します。

ATOK8 の辞書に登録した単語を ATOK12 で使用する

ATOK8 の辞書は、atok12migd コマンドを使用して、ATOK12 の辞書に併合することができます。この際、ユーザーによって登録された単語が併合の対象となります。ATOK8 の初期状態の辞書に含まれていた単語は、併合の対象にはなりません。また、ATOK8 の辞書は読み出し元となりますので、この併合によって ATOK8 の辞書の内容が変わることはありま せん。

例 - ATOK12 の辞書 (atok12u0.dic) に、ATOK8 の辞書 (atok8.dic) を併合する。

sun% atok12migd atok8.dic atok12u0.dic

併合の結果の辞書 (atok12u0.dic) は、システム管理者 (root) の権限で、/var/locale/ja/atokserver/user/<ユーザー名> の下に移します。

例 - ユーザー (yamada) が作成した ATOK12 の辞書 (atok12u0.dic) を、システムのディレクトリに移す。


sun# cp -p atok12u0.dic /var/locale/ja/atokserver/users/yamada
sun# chown  yamada /var/locale/ja/atokserver/users/yamada/atok12u0.dic
sun# chmod 600  /var/locale/ja/atokserver/users/yamada/atok12u0.dic 

atok12migd コマンドの詳細に関しては、atok12migs(1) のマニュアルページを参照してください。

ATOK8 の環境設定ファイルを ATOK12 に移す

ATOK8 の環境設定ファイルは、atok12migs コマンドを使用して、ATOK12 のスタイルファイルに変換することができます。

例 - ATOK8 の 環境設定ファイル (atok8.ucf) を、ATOK12 のスタイルファイル (atok12new.sty) に変換する。


sun% atok12migs atok8.ucf atok12new.sty

作成したスタイルファイルは (atok12new.sty)、システム管理者 (root) の権限で、/var/locale/ja/atokserver/user/<ユーザー名> の 下に移します。

例 - ユーザー (yamada) が作成した ATOK12 のスタイルファイル (atok12new.sty) を、システムのディレクトリに移す。


sun# cp -p atok12new.sty /var/locale/ja/atokserver/users/yamada 
sun# chown yamada /var/locale/ja/atokserver/users/yamada/atok12new.sty
sun# chmod 600 /var/locale/ja/atokserver/users/yamada/atok12new.sty

atok12migs コマンドの詳細については、atok12migs(1) のマニュアルページを参照してください。

cs00 の辞書に登録した単語を ATOK12 で利用する

Procedurecs00 の辞書に登録した単語を ATOK12 で使用する手順

手順
  1. udicmsdtudicm (Solaris CDE の場合) 、または udicmtool (OpenWindows の場合) を使用して、既存の cs00 の辞書から単語リストのファイルを作成します。この作業は、cs00 が動作しているシステム上で行います。Solaris 9 では、cs00 は提供されていません。

    例 -udicm を使用して、cs00 のユーザー辞書 (cs00_u.dic) を単語リストのファイル (cs00_u.list) に変換する


    sun% udicm show cs00_u.dic > cs00_u.list
    

    udicm コマンドの詳細に関しては、Solaris 10 の udicm(1) のマニュアルページを参照してください。

    sdtudicm または udicmtool を使用する方法については、Solaris 8 User Collection - Japanese の『cs00 ユーザーズガイド』を参照してください。

  2. cs00toatok コマンド使用して、cs00 の単語リストのファイルを ATOK12 が扱える単語ファイルに変換します。

    例 - cs00 の単語リストのファイル (cs00_u.dic) を ATOK12 が扱える単語ファイルリスト (atok12.list) に変換する


    sun% cs00toatok cs00_u.list > atok12.list
    
  3. ATOK12 辞書ユーティリティを使用して、手順 2 で作成した単語ファイルから単語を登録します。

    1. ATOK パレットから ATOK12 辞書ユーティリティを起動します。

    2. ATOK12 辞書ユーティリティの「一括処理」ボタンを押し、「単語一括処理」を選択します。

    3. 「単語ファイル」として、作成した単語ファイル (この例ではatok12.list) を指定します。

    4. 必要に応じて、「ATOK 辞書」と「出力ファイル」を設定します。

    5. 「登録」ボタンを押します。