ここでは、サーバーの検出時に発生する可能性がある問題とこれらの問題への対処方法について説明します。
検出プロセスで使用するネットワークサービスがファイアウォールでブロックされていない場合は、N1 System Manager を使用した管理可能なサーバーの検出はルーターを経由して機能します。検出プロセスで使用するネットワークサービスには、SSH や SNMP があります。
Sun Fire V800 シリーズのサーバーなど、RSC (Remote System Control) 技術に基づく管理可能なサーバーを N1 System Manager で検出するには、サーバーの電源が切断されている必要があります。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 Troubleshooting Guide』の「Discovery of RSC Servers」を参照してください。
管理対象サーバーを手動で、または OS ベースの検出で検出する場合、N1 System Manager で同じサーバーが複数回検出される場合があります。重複は、次の場合に発生します。
サーバーを手動で検出します。次に SP ベースの検出を使用して別のサーバーを検出しますが、2 番目のサーバーのプラットフォームの MAC アドレスの一つが、手動検出ファイル内の MAC アドレスと一致します。この場合、重複するサーバーが検出されます。
OS ベースの検出を使用してサーバーを検出しますが、サービスプロセッサが OS とは別のサブネットにあります。次に SP ベースの検出を使用して別のサーバーを検出しますが、サブネットの競合が原因で、SP ベースの検出コマンドで同じサーバーが検出されます。この場合、重複するサーバーが検出されます。
これらのケースが両方発生する場合があります。2 つの重複するサーバーが検出されると、同じサーバーが 3 回表示されます。
重複するサーバーの検出は、混乱の原因になるので推奨されません。また、同じ管理対象サーバーに OS をプロビジョニングする処理が同時に発生するか、サーバーへの OS のプロビジョニングとサーバーの電源切断の処理が同時に発生する可能性があります。
OS ベースの検出または手動検出でサーバーを検出した場合は、detectduplicates ユーティリティーを使用して重複するサーバーを特定します。
N1-ok> /opt/sun/n1gc/bin/detectduplicates 名前 ハードウェア Discovered At ネットワーク manual1 V20z - ファイル manual2 V20z - ファイル 192.168.79.2 V20z 192.168.79.2 管理 192.168.79.67 SF-T2000 192.168.79.67 管理 manual3 T2000 - ファイル |
detectduplicates ユーティリティーの出力では、重複が、空行で区切られたグループに分けられます。この例では、detectduplicates ユーティリティーで 2 グループの重複が検出されています。
detectduplicates ユーティリティーの出力には次の情報が表示されます。
名前 – show server コマンドで表示されるサーバーの名前です。
ハードウェア – show server コマンドで表示されるサーバーのモデルです。
Discovered At – サーバーの検出に使用された IP アドレスです。手動で検出したサーバーは、IP アドレスが '-' です。
ネットワーク – サーバーの検出に使用されたネットワークです。次に有効な値を示します。
管理 – 管理 (サービスプロセッサ) ネットワーク
データ – プロビジョニングネットワーク
ファイル – 手動で指定
N1 System Manager では、手動で、または OS ベースの検出で検出された管理対象サーバーに使用できる機能が限られています。サーバーの「サーバーの詳細」ページに、または show server コマンドを使用したときに一部のサーバーの詳細情報が表示されない場合があります。検出方法によってサーバーに使用可能な機能については、「検出に基づく管理対象サーバーの機能」を参照してください。
管理対象サーバーが OS ベースの検出で検出されたかどうかは、N1 System Manager のブラウザインタフェースのサーバーの詳細のセクションで、または show server コマンドを使用して特定できます。OS ベースの検出で検出されたサーバーは、次の条件を満たしています。
接続のセクションに mgmtEth インタフェースが表示されない
管理 IP アドレスが、サーバーの検出時に discover コマンドで使用していた IP アドレスと同じである
電源管理機能が unavailable になっている
サーバーの検出方法によっては、一部の機能がない場合があります。表 4–1 に、検出方法によって管理対象サーバーに対して行うことができる操作とできない操作を示します。手動で、または OS ベースの検出で検出された管理対象サーバーでは、サーバーの検出方法が原因でサポートされていない操作を実行しようとすると、「unsupported operation」というエラーメッセージが表示されます。
一部のサーバーでは、RSC (Remote System Control) がサポートされています。RSC サーバーの一部のモデルでは、N1 System Manager で表示されるモデル番号が、サーバーの検出方法によって異なる場合があります。
手動で、または OS ベースの検出で検出された Sun Fire V490 サーバーは、モデル名 SF-V490 が表示されます。Sun Fire V490 サーバーがサービスプロセッサを使用して検出された場合は、モデル名 SF-RSC が表示されます。
手動で、または OS ベースの検出で検出された Sun Fire V890 サーバーは、モデル名 SF-V890 が表示されます。サーバーがサービスプロセッサを使用して自動的に検出された場合は、モデル名 SF-RSC が表示されます。
詳細は、「モデル番号によるサーバーの検出と識別」を参照してください。
手動で、または OS ベースの検出で検出された管理対象サーバーの再プロビジョニングを行うときの注意点があります。SSH と管理 IP アドレスが変更されている場合は、load server コマンドを使用して再設定する必要があります。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 オペレーティングシステムプロビジョニングガイド』を参照してください。
N1 System Manager を使用して、手動で、または OS ベースの検出で検出された管理対象サーバーに OS をロードするときは、manualnetboot 機能がオンになっている必要があります。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 オペレーティングシステムプロビジョニングガイド』を参照してください。