「ジョブ」の「使用状況」タブには、ジョブによるグリッドの計算資源の使用状況に関連した情報や、ジョブの振り分け優先度で考慮するそのほかの要素に関連した情報が表示されます。「概要」表示とは異なり、実行中のジョブと一時停止しているジョブだけが表示されます。「使用状況」表示には、次の列項目があります。
状態 – ジョブの状態が、次の各文字で示されます。
d (削除) – qdel を使用してジョブが削除されたことを示します。
r (実行中) – ジョブが実行されようとしているところか、すでに実行中であることを示します。
R (再起動) – ジョブが再起動されたことを示します。この状態は、ジョブの移行、または qsub(1) コマンドの -r セクションに示す理由の一つが原因です。
s (一時停止) – すでに実行を開始したジョブが、qmod(1) を使用して一時停止されたことを示します。
S (一時停止) – すでに実行を開始したジョブが属しているキューが一時停止されたために、そのジョブも一時停止されたことを示します。
t (転送中) – ジョブが実行されようとしているところか、すでに実行中であることを示します。
T (しきい値) – 対応するキューの 1 つ以上の一時停止しきい値を超えたために、すでに実行を開始しているあるジョブが一時停止状態になっており (queue_conf(5) のマニュアルページを参照)、その結果、そのジョブが一時停止されていることを示します。
w (待機中) – 重要なリソースまたは指定された条件を待つためにジョブが一時停止されたことを示します。
これらの状態については、qstat のマニュアルページを参照してください。また、『N1 Grid Engine ユーザーズガイド』の「ジョブとキューの監視と制御」も参照してください。
ID – ジョブ ID は一意の識別情報であり、「ジョブの詳細」ページにアクセスする手段でもあります。
名前 – ジョブの名前です。ジョブに名前を割り当てると、ジョブ ID だけを使用するよりもわかりやすく、追跡が容易になります。
キュー – このジョブのキューインスタンスです。
CPU – ジョブが使用した CPU 時間です。
メモリー – ジョブが使用しているメモリー容量です。
共有 – システム全体でジョブに権利があると計算された共有資源です。
実行時間 – ジョブの振り分け後の実行時間です。
NTickets – 標準化されたチケットの優先度です。チケットポリシーの「優先指定」コンポーネントを使用して、特定の「ユーザー」、「プロジェクト」、または「部署」の権利を増加できます。優先指定チケットを割り当てることで、緊急度ポリシーの優先度の割り当てに影響を与えずに権利を変更できます。
NUrgency – 標準化された緊急度の優先度です。この優先度には 3 つの要素が寄与します。 期限、待機時間、およびリソース要件です。
NPOSIX – 標準化された POSIX の優先度です。管理者はこの値を使用して特定のジョブの優先度を自由に上げることができます。
タスク – 現在実行中のタスクです。一部のジョブは、単一のタスクで構成されます。この場合、タスク ID は常に 1 です。並列ジョブや配列ジョブはそれぞれ複数のタスクで構成されます。タスクは通常、1 から昇順で番号が付けられます。ジョブの送信方法によっては、1、3、5、のように番号がとばされる場合もあります。ジョブの実行時には、各タスクは別々に実行されるため、別個の構成情報、環境、およびトレースがあります。タスク番号をクリックすると、タスクに関する詳細情報が「Task Details」ページに表示されます。
CPU 使用量またはメモリー使用量の値が空白の場合は、そのジョブの使用状況の情報が報告されていないことを示します。使用状況が報告されたかどうかあとで再び確認してください。
各列の意味については、QMON のマニュアルページを参照してください。
標準化されたチケット、緊急度、および POSIX の各優先度は、N1GE のスケジューラで、ジョブの振り分けの優先順位の決定に使用される 3 つの上位レベルのポリシーです。それぞれで、総合的な優先順位に寄与する要素が計算されます。これら 3 つのポリシー寄与要素を有意義にするために、これらを 0 と 1 の間の数値にそれぞれ標準化します。