この手順では、Sun Cluster Geographic Edition インフラストラクチャーをローカルクラスタだけで有効にします。この手順は、地理的に離れたクラスタのすべてのクラスタで繰り返し実行してください。
次の条件が満たされているか確認します。
そのクラスタが Solaris オペレーティングシステム と Sun Cluster ソフトウェアを実行している。
SunPlex Manager 用の Sun Cluster 管理エージェントコンテナが動作している。
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアがインストールされている。
クラスタが、セキュリティー証明書の使用によって、セキュリティー保護されたクラスタ通信用にすでに構成されている。つまり、同じクラスタ内にあるノード同士が同じセキュリティー証明書を共有している必要がある。この構成は Sun Cluster のインストール時に行われます。
Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアへのアップグレードを行う際は、セキュリティー証明書がクラスタのすべてのノードで同じである必要があります。したがって、セキュリティー証明書をクラスタの 1 つのノードから別のノードに手動でコピーする必要があります。共通エージェントコンテナ用のセキュリティーファイルのコピーについては、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の第 5 章「Sun Cluster ソフトウェアのアップグレード」の手順を参照してください。
クラスタノードの 1 つにログインします。
この作業を行うには、Geo Operation RBAC 権利プロファイルが割り当てられていなければなりません。RBAC の詳細は、「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
論理ホスト名 (クラスタ名と同じ) が使用可能で、定義されていることを確認します。
# scconf -p | grep -i "cluster name" |
クラスタ名が望ましくない場合は、次のコマンドでクラスタ名を変更できます。
# scconf -c -C cluster=clustername |
詳細は、scconf(1M) のマニュアルページを参照してください。
Sun Cluster Geographic Edition インフラストラクチャーを有効にしたあとは、このインフラストラクチャーを有効にした状態でクラスタ名を変更しないでください。
ネームサービスファイルとローカルホストファイルに、クラスタ名に一致するホストエントリが含まれていることを確認します。
ローカルホストファイル hosts は、/etc/inet ディレクトリに入っています。
クラスタノードの 1 つで、Sun Cluster Geographic Edition インフラストラクチャーを起動します。
# geoadm start |
geoadm start コマンドは、Sun Cluster Geographic Edition インフラストラクチャーをローカルクラスタだけで有効にします。詳細は、geoadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
インフラストラクチャーが有効であり、Sun Cluster Geographic Edition リソースグループがオンライン状態であることを確認します。
Sun Cluster Geographic Edition リソースグループの一覧は、「Sun Cluster Geographic Edition インフラストラクチャーリソースグループ」を参照してください。
# geoadm show # scstat -g |
geoadm show コマンドの出力には、クラスタ内の特定のノード上で Sun Cluster Geographic Edition インフラストラクチャーが有効であることが示されます。
scstat -g コマンドの出力には、geo-failovercontrol、geo-hbmonitor、geo-clustername の各リソースと geo-infrastructure リソースグループがクラスタの一方のノードでオンラインになっていることが示されます。
詳細は、scstat(1M) のマニュアルページを参照してください。
この例では、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアを cluster-paris クラスタで有効にする手順を示します。
cluster-paris で、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアを起動します。
phys-paris-1# geoadm start |
Sun Cluster Geographic Edition インフラストラクチャーが正常に有効になったことを確認します。
phys-paris-1# geoadm show --- CLUSTER LEVEL INFORMATION --- Sun Cluster Geographic is active on : node phy-paris-1, cluster cluster-paris Command execution successful phys-paris-1# |
Sun Cluster Geographic Edition のリソースグループとリソースの状態を検証します。
phys-paris-1# scstat -g -- Resource Groups and Resources -- Group Name Resources ----------- --------- Resources: geo-clusterstate - Resources: geo-infrastructure geo-clustername geo-hbmonitor geo-failovercontrol -- Resource Groups -- Group Name Node Name State ----------- --------- ----- Group: geo-clusterstate phys-paris-1 Online Group: geo-clusterstate phys-paris-1 Online Group: geo-infrastructure phys-paris-1 Online Group:geo-infrastructure phys-paris-2 Offline -- Resources -- Resource Name Resources State Status Message ------------- --------- ----- -------------- Resource: geo-clustername phys-paris-1 Online Online - LogicalHostname online Resource: geo-clustername phys-paris-1 Offline Offline Resource: geo-hbmonitor phys-paris-1 Online Online- Daemon OK Resource: geo-hbmonitor phys-paris-2 Offline Offline Resource: geo-failovercontrol phys-paris-1 Online Online Resource: geo-failovercontrol phys-paris-2 Offline Offline |
保護グループの作成については、使用しているデータ複製ソフトウェアの種類に対応した Sun Cluster Geographic Edition データ複製ガイドを参照してください。