Sun Cluster Geographic Edition Sun StorEdge Availability Suite 向けデータ複製ガイド

Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 を使用するシステム上での強制テイクオーバー

主ボリュームと二次ボリュームのデータが完全に整合しているかどうかにかかわらず二次クラスタ上でアプリケーションをオンラインにする必要がある場合は、テイクオーバーを実行します。ここでは、保護グループがすでに起動されているものと仮定します。

テイクオーバーは次の手順で行われます。

テイクオーバーの前後において主クラスタと二次クラスタで起こりうる条件については、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 C「テイクオーバー後の状態」を参照してください。

ここからは、二次クラスタによる強制テイクオーバーの実施に必要な手順と、その後のデータの回復方法について説明します。

ProcedureSun StorEdge Availability Suite 3.2.1 サービスを二次クラスタへ即時に強制的テイクオーバーする

始める前に

二次クラスタに主クラスタの処理を引き受けさせるためには、次の条件が満たされている必要があります。

  1. 二次クラスタ内のノードの 1 つにログインします。

    この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. テイクオーバーを開始します。


    # geopg takeover  [-f] protectiongroupname
    
    -f

    ユーザーに確認することなく、強制的にコマンドを実行します

    protectiongroupname

    保護グループの名前を指定します


例 3–2 二次クラスタによる強制テイクオーバー

この例では、二次クラスタ cluster-newyork による avspg の強制テイクオーバーの方法を示します。

phys-newyork-1 は二次クラスタの第 1 ノードです。どのノードが phys-newyork-1 かを確認する場合は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition クラスタ構成の例」を参照してください。


phys-newyork-1# geopg takeover -f avspg

次の手順

テイクオーバー後の主クラスタと二次クラスタの状態については、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 C「テイクオーバー後の状態」を参照してください。

テイクオーバー中に Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアが実行する処理

geopg takeover コマンドを実行すると、ソフトウェアにより、二次クラスタ上のボリュームセットの状態が Replicating または Logging であることが確認されます。

元の主クラスタ cluster-paris にアクセスできる場合は、次の処理が実行されます。

元の二次クラスタ cluster-newyork 上では、次の処理が実行されます。

コマンドが正常に実行された場合、二次クラスタ cluster-newyork が保護グループの新しい主クラスタになります。ローカルクラスタ上の保護グループの役割に従って、保護グループのデバイスグループと関連付けられているボリュームセットの役割が逆転します。テイクオーバーを行う前、元の二次クラスタ上で保護グループがアクティブだった場合、新しい主クラスタ上でアプリケーションリソースグループがオンラインになります。元の主クラスタにアクセスできる場合、このクラスタが保護グループの新しい二次クラスタになります。保護グループのデバイスグループに関連付けられているすべてのボリュームセットの複製は、停止します。


注意 – 注意 –

テイクオーバーが正常に完了すると、データ複製は停止します。複製を引き続き中断したままにする場合は、geopg start コマンドを -n オプション付きで実行します。このオプションを指定すると、新しい主クラスタから新しい二次クラスタへのデータ複製が行われません。


このコマンドは、それまでの操作のうち 1 つでも失敗したものがあると、エラーを返します。個々のコンポーネントの状態を表示するには、geoadm status コマンドを実行します。失敗の原因によっては、保護グループの Configuration の状態が Error に設定されることがあります。保護グループは、有効になっている場合と無効になっている場合があります。

保護グループの Configuration の状態が Error に設定されている場合は、「Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 保護グループを検証する方法」の手順に従って、保護グループを再検証します。

個々のパートナークラスタ上で保護グループの構成が一致していない場合は、「Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 保護グループを再同期させる方法」の手順に従って、構成を再同期させる必要があります。