メモリーとスレッドの配置最適化開発者ガイド

lgrpinfo ツール

lgrpinfo ツールは、lgroup の階層、内容、および特性に関する情報を出力します。lgrpinfo ツールは、Solaris::Lgrp モジュールを必要とする Perl スクリプトです。このツールは、liblgrp(3LIB) API を使用してシステムから情報を取得し、人が読める形式で出力します。

引数を指定せずに lgrpinfo ツールを呼び出すと、システム内のすべての lgroup に関する一般的な情報が出力されます。コマンド行で lgrpinfo ツールに lgroup ID を渡すと、指定した lgroup に関する情報が返されます。lgroup を指定するには、その lgroup ID を使用するか、次のキーワードのいずれかを使用することができます。

all

このキーワードは、すべての lgroup を指定します。これはデフォルトの動作です。

root

このキーワードは、ルート lgroup を指定します。

leaves

このキーワードは、すべての葉 lgroup を指定します。葉 lgroup とは、lgroup 階層内で子を持っていない lgroup のことです。

intermediate

このキーワードは、すべての中間 lgroup を指定します。中間 lgroup とは、親と子を持っている lgroup のことです。

lgrpinfo ツールは、無効な lgroup ID を受け取った場合、その無効な ID を示すメッセージを表示し、コマンド行で渡されたほかの lgroup の処理を続行します。lgrpinfo ツールは、引数内に無効な lgroup がない場合、状態 2 で終了します。

lgrpinfo ツールのオプション

引数を指定せずに lgrpinfo ツールを呼び出すと、オプション -celmrt all を指定した場合と同じ動作になります。lgrpinfo ツールの有効なオプションは次のとおりです。

-a

このオプションは、指定された lgroup ID について、トポロジ、CPU、メモリー、負荷、および応答時間値の情報を出力します。このオプションを指定すると、-T オプションも指定した場合を除き、-tcemrlL オプションの動作を組み合わせた動作になります。-T オプションを指定した場合は、-a オプションの動作に -t オプションの動作は含まれなくなります。

-c

このオプションは、CPU の情報を出力します。

-C

このオプションは、リスト内の各 lgroup をその子で置き換えます。このオプションを -P オプションまたは -T オプションと組み合わせることはできません。引数がまったく指定されていない場合、このオプションはすべての lgroup に適用されます。

-e

このオプションは、葉 lgroup に関する lgroup 平均負荷率を出力します。

-G

このオプションは、lgroup 階層を OS 表示で出力します。ツールのデフォルトの動作では、lgroup 階層は呼び出し元の表示で出力されます。呼び出し元の表示には、呼び出し元で使用できる資源だけが含まれています。OS 表示と呼び出し元表示の詳細については、lgrp_init(3LGRP) のマニュアルページを参照してください。

-h

このオプションは、ツールに関するヘルプメッセージを表示します。

-I

このオプションは、指定された ID と一致する ID だけを出力します。このオプションは、-c-G-C、または -P オプションと組み合わせることができます。-c オプションを指定すると、一致するすべての lgroup に含まれている CPU のリストが出力されます。-c オプションを指定しない場合は、一致する lgroup の ID が表示されます。引数がまったく指定されていない場合、このオプションはすべての lgroup に適用されます。

-l

このオプションは、lgroup の応答時間に関する情報を出力します。各 lgroup について示される応答時間値は、オペレーティングシステムによって定義されたもので、プラットフォーム固有の数値です。実行中のシステムで lgroup を相対的に比較する目的にのみ使用できます。この値は、ハードウェアデバイス間の実際の応答時間を表しているとは限らず、異なるプラットフォームには当てはまらない場合もあります。

-L

このオプションは、lgroup の応答時間表を出力します。この表は、各 lgroup からほかの各 lgroup に対する相対応答時間を示します。

-m

このオプションは、メモリーの情報を出力します。メモリーサイズの報告には、サイズが 0 から 1023 の整数範囲に収まるような単位が使用されます。-u オプションを使用すると、この動作を変更することができます。値が 10 より小さい場合のみ、小数部も表示されます。

-P

このオプションは、リスト内の各 lgroup をその親で置き換えます。このオプションを -C オプションまたは -T オプションと組み合わせることはできません。引数がまったく指定されていない場合、このオプションはすべての lgroup に適用されます。

-r

このオプションは、lgroup の資源に関する情報を出力します。-T オプションを指定すると、中間 lgroup の資源についてのみ情報が表示されます。

-t

このオプションは、lgroup のトポロジに関する情報を出力します。

-T

このオプションは、システムの lgroup トポロジをツリー形式でグラフィカルに表示します。このオプションは、-a-c-e-G-l-L-m-r、および -u オプションとの組み合わせでのみ使用できます。出力を中間 lgroup だけに制限するには、-r オプションを使用します。-T オプションと -a オプションを組み合わせるときは、-t オプションは省略します。ルート lgroup が唯一の lgroup である場合を除き、このオプションではルート lgroup に関する情報は出力されません。

-uunits

このオプションは、メモリーの単位を指定します。units 引数の値には、bkmgtp、または e を指定できます。これらはそれぞれ、バイト、キロバイト、メガバイト、ギガバイト、テラバイト、ペタバイト、およびエクサバイトを表します。