sge-root/inst_sge ユーティリティーを使用して、N1 Grid Engine のマスターホスト、実行ホスト、シャドウホスト、および Berkeley DB スプールサーバーホストのインストールとアンインストールを行えます。また、N1 Grid Engine の構成およびアカウンティングデータを自動的にバックアップすることもできます。第 2 章「N1 Grid Engine ソフトウェアの対話型インストール」で説明したコマンドの代わりに、inst_sge ユーティリティーを対話モードで使用できます。
Berkeley DB スプールサーバーホストを使用しても、高可用性は得られません。また、Berkeley DB スプールサーバーには認証メカニズムがなく、完全に信頼できるユーザーのみの閉じたネットワークだけで使用できます。
インストールおよびバックアップ手順を簡単に自動化するには、sge-root/util/install_modules ディレクトリにある構成テンプレートを使用します。
自動インストールでは、ユーザーが操作を行う必要はありません。インストール中に、端末にメッセージが表示されることはありません。インストールが終了すると、インストールのログファイルの場所を示すメッセージが表示されます。インストールのログファイル名は、install_hostname_timestamp .log の形式になります。通常、インストール中のエラーに関する情報はこのファイルにあります。重大なエラーが発生した場合、インストールスクリプトがログファイルをスプールディレクトリに移動できないことがあります。この場合、ログファイルは /tmp ディレクトリに格納されます。
自動インストールを実行する最初の手順は、構成ファイルの設定です。構成ファイルのテンプレートは sge-rootT/util/install_modules ディレクトリにあります。自動インストールを計画するときは、次のことを考慮してください。
リモートホストで自動インストールを使用するには、root ユーザーがパスワードなしに rsh または ssh でリモートホストにアクセスできる必要があります。
ローカルスプール、つまりマスターホストにスプールする場合は、特別な構成は不要です。ただし、NFS version 3 volume のディレクトリにスプールすることはできません。ローカルスプールには、NFS version 4 volume を使用できます。
マスターホスト以外のホストで Berkeley DB スプールサーバーを実行するには、個別のホストに RPC サービスをインストールおよび構成する必要があります。
自動インストールの開始前に手動でこの手順を実行するには、次のコマンドを使用します。
./inst_sge -db |
次のコマンドを使用して、Berkeley DB スプールサーバーを自動的にインストールすることもできます。
% ./inst_sge -db -m -x -auto <full-path-to-configuration-file> |
このコマンドによって構成ファイル内の SPOOLING_SERVER エントリが調べられ、サーバーホスト上で Berkeley DB のインストールが開始されます。
マスターホストで自動インストールを開始すると、クラスタ全体を 1 つのコマンドでインストールできます。自動インストールスクリプトは rsh または ssh でリモートホストにアクセスし、インストールをリモートで開始します。この手順には、各ホストから読み取り可能な、正しく構成された構成ファイルが必要です。そのファイルは、それぞれのホストにインストールするか、NFS で共有します。