Sun Management Center 4.0 インストールと構成ガイド

SNMP デーモンとレガシーエージェント

この節では SNMP の概要を述べるとともに、レガシー SNMP エージェントを Sun Management Center エージェントのサブエージェントとして構成する方法について説明します。

SNMP の概要

Sun Management Center サーバーは、SNMP を使用して Sun Management Center エージェントと通信します。SNMP は、トポロジマネージャー、構成マネージャー、イベントマネージャー、トラップハンドラなどのようなほかのサーバーコンポーネントとも通信を行います。これに対して、Sun Management Center サーバーは RMI (リモートメソッド呼び出し) を使用して Sun Management Center コンソールと通信を行います。

Sun Management Center コンポーネントの SNMP ポートは、次の 2 つのファイルに定義されます。

ファイル domain-config.x には、SNMP ベースの Sun Management Center エージェントごとに 1 つの構成ブロックが含まれます。各構成ブロックには、対応するエージェントのポートアドレスを定義する行が 1 つ以上含まれます。Sun Management Center サーバーのデフォルトのポートは、 server-config.x ファイルに定義されています。

161 以外のポートアドレスを使用する Sun Management Center エージェントがインストールされたホストは、「オブジェクトを作成」ウィンドウを使用して手動で管理ドメインに追加できます。あるいは、検出パラメータにポート番号を指定してこれらのホストを自動的に検出することもできます。「オブジェクトを作成」ウィンドウの詳細は、Chapter 3, 「Manually Adding Objects to the Topology Database,」 in 『Sun Management Center 3.6.1 User’s Guide』を参照してください。ホストを自動的に検出する方法についての詳細は、Chapter 4, 「Adding Objects to the Topology Database Using the Discovery Manager,」 in 『Sun Management Center 3.6.1 User’s Guide』を参照してください。ポート 161 以外に指定できるのは 1 つのポート番号だけであるため、代替ポート番号を選択してすべてのエージェントインストールに使用する必要があります。

レガシー SNMP エージェントをエージェントのサブエージェントとして定義する

レガシー SNMP エージェントとは、Sun Management Center エージェントフレームワークに含まれない SNMP エージェントのことです。1 つ以上のレガシーエージェントを Sun Management Center で使用する場合は、それらのエージェントを Sun Management Center エージェントのサブエージェントとして構成する必要があります。

次の基準を満たすかぎり、どのようなレガシー SNMP エージェントでも Sun Management Center エージェントのサブエージェントとして構成できます。

次の作業は、Sun Management Center サーバーまたはエージェント、あるいはサーバーとエージェントの両方がインストールされたマシンに適用できます。

Procedureレガシー SNMP エージェントをエージェントのサブエージェントとして構成する

  1. root としてログインします。

  2. /var/opt/SUNWsymon/cfg/subagent-registry-d.x ファイルが存在しない場合は、/opt/SUNWsymon/base/cfg ディレクトリからファイルをコピーします。


    # cp /opt/SUNWsymon/base/cfg/subagent-registry-d.x /var/opt/SUNWsymon/cfg/
    
  3. /var/opt/SUNWsymon/cfg/subagent-registry-d.x ファイルにある次のブロックに類似したブロックを見つけます。


    # sa2 = {
    #    type             = legacy
    #    persist          = false
    #    snmpPort         = "20001"
    #    errorAction      = restart
    #    startCommand     = "/usr/lib/snmp/mibiisa -p %port"
    #    stopCommand      = "kill -9 %pid"
    #    pollInterval     = 60
    #    pollHoldoff      = 60
    #    oidTrees         = 1.3.6.1.2.1
    #    snmpVersion      = SNMPv1
    #    securityLevel    = noauth
    #    securityName     = public
    # }
  4. 各行の先頭にあるコメント記号 (#) を削除して、コードを次のようにします。


    sa2 = {
        type             = legacy
        persist          = false
        snmpPort         = "20001"
        errorAction      = restart
        startCommand     = "/usr/lib/snmp/mibiisa -p %port"
        stopCommand      = "kill -9 %pid"
        pollInterval     = 60
        pollHoldoff      = 60
        managedTrees     = "mib-2 sun"
        oidTrees        = 1.3.6.1.2.1
        snmpVersion      = SNMPv1
        securityLevel    = noauth
        securityName     = public
     }
  5. これらのコードを次のように変更します。

    • sa2 は、エージェントの一意のサブエージェント名に変更します。

    • type には legacy を設定します。

    • Sun Management Center エージェントの終了時にサブエージェントが停止する場合は、persistfalse に設定します。この値が true の場合は、Sun Management Center エージェント はその終了時にサブエージェントを停止しません。

    • snmpPort には、サブエージェントを実行する UDP ポート番号を設定します。

    • errorAction には、restartignore、または kill のいずれかを設定します。restart オプションを使用すると、Sun Management Center エージェントはサブエージェントとの通信時にエラーが発生した場合に再起動を試みます。

    • startCommand には、サブエージェントの起動に必要なコマンドを設定します。このコマンドには %port を含める必要があります。これは、snmpPort で指定された値に置き換えられます。

    • stopCommand に、プロセス停止用のコマンドを設定します。サブエージェントプロセスのプロセス ID (PID) は、%pid で表すことができます。

    • pollInterval には、Sun Management Center エージェントがサブエージェントをポーリングする時間 (秒単位) を設定します。

    • pollHoldoff には、Sun Management Center エージェントがサブエージェントを起動してから、最初のポーリングが実行するまでの時間 (秒単位) を設定します。

    • oidTrees には、サブエージェントで管理される SNMP OID を空白文字で区切った一覧を設定します。

    • snmpVersion には、SNMPv1 SNMPv2、または SNMPv3 のいずれかを設定します。

    • securityLevel には、priv auth、または noauth のいずれかを設定します。

    • securityName には、使用する SNMPv1 コミュニティー名または SNMPv2 セキュリティー名を設定します。

    詳細は、ファイル subagent-registry-d.x 内の説明を参照してください。

  6. Sun Management Center を停止し、再起動して、変更を適用します。

    1. /opt/SUNWsymon/sbin/es-stop -A と入力して Sun Management Center を停止します。

      すべてのプロセスが正常に停止するのを待ちます。

    2. /opt/SUNWsymon/sbin/es-start -A と入力して Sun Management Center を起動します。

      すべてのプロセスが正常に起動するのを待ちます。

    詳細は、第 8 章「Sun Management Center の起動と停止」を参照してください。