Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.2 管理ガイド

Directory Server での SASL 暗号化レベルの設定

SASL メカニズムを設定する前に、暗号化が必要かどうかを指定する必要があります。SASL 暗号化の要件は、最大および最小 SSF (Strength Security Factor) によって設定されます。

属性 dsSaslMinSSF(5dsat) および dsSaslMaxSSF(5dsat) は、暗号化鍵の長さを示します。これらは、cn=SASL, cn=security, cn=config に保存されています。

サーバーに対しては、暗号化しないという選択肢も含めて、すべてのレベルの暗号化を設定できます。つまり、Directory Server は 256 より大きい dsSaslMinSSF 値と dsSaslMaxSSF 値を受け入れます。しかし、現在 SASL メカニズムは 128 より大きい SSF をサポートしません。Directory Server はこれらの値のネゴシエーションを行い最大限の SSF 値 (128) にします。このため、使用されるメカニズムによっては、実際の最大 SSF 値は、設定された最大値より小さい可能性があります。

SASL セキュリティーファクタ認証は、次の 2 つの主要な項目に基づきます。サーバーとクライアントアプリケーションによって要求される最小ファクタと最大ファクタ、および使用可能な暗号化メカニズム。これらは背後のセキュリティーコンポーネントによって提供されます。つまり、サーバーとクライアントは両方で設定された最大ファクタ以下で、両方で設定された最小ファクタ以上の、使用可能な中で最も大きいセキュリティーファクタを使用しようとします。

Directory Server に対するデフォルトの最小 SASL セキュリティーファクタである dsSaslMinSSF0 で、保護されていないことを示します。実際の最小値は、Directory Server の最小値を変更しない限り、クライアント設定によって変わります。実際は、サーバーとクライアントに使用する最低レベルに最小値を設定します。サーバーとクライアントが最低要件を満たすメカニズムのネゴシエーションに失敗した場合、接続は確立されません。

ProcedureSASL 暗号化を要求する

DSCC を使用してこの作業を実行することはできません。この手順で説明しているように、コマンド行を使用してください。

  1. SASL 暗号化を要求するにはdsSaslMinSSF 値を最低限必要な暗号化に設定します。


    $ ldapmodify -h host -p port -D cn=admin,cn=Administrators,cn=config -w -
    Enter bind password:
    dn: cn=SASL, cn=security, cn=config
    changetype: modify
    replace: dsSaslMinSSF
    dsSaslMinSSF: 128
    ^D

ProcedureSASL 暗号化を許可しない

DSCC を使用してこの作業を実行することはできません。この手順で説明しているように、コマンド行を使用してください。

  1. SASL 暗号化を許可しない場合は dsSaslMinSSFdsSaslMaxSSF の両方の値をゼロに設定します。


    $ ldapmodify -h host -p port -D cn=admin,cn=Administrators,cn=config -w -
    Enter bind password:
    dn: cn=SASL, cn=security, cn=config
    changetype: modify
    replace: dsSaslMinSSF
    dsSaslMinSSF: 0
    
    replace: dsSaslMaxSSF
    dsSaslMaxSSF: 0
    ^D