ネットワーク経由でエントリをより効率的に送信するために、レプリケーションメカニズムがエントリをグループ化する方法は、ウィンドウとグループネットワークパラメータによって決定されます。これらのパラメータは、サプライヤとコンシューマがレプリケーション更新メッセージと、その確認応答を交換する方法に影響します。すべてのレプリケーションアグリーメントのパラメータは設定可能であるため、各コンシューマの特定のネットワーク状況に従ってレプリケーションパフォーマンスを調整することができます。
変更の効果を監視して、必要に応じてパラメータを調整します。手順については、「レプリケーションの状態の取得」を参照してください。ウィンドウとグループのサイズパラメータを変更するときに、レプリケーションを中断する必要はありません。
ウィンドウサイズ (デフォルト値は 10) は、コンシューマからの即時の確認応答なしに送信できる更新メッセージの最大数を表します。
各コンシューマからの確認応答を待機するよりも、短時間に連続して多数のメッセージを送信する方が効果的です。適切なウィンドウサイズを使用することで、レプリケーション更新や確認応答の到着を待機するためにレプリカが費やす時間を排除できます。
コンシューマレプリカがサプライヤよりも遅れている場合、詳細な調整を行う前に、ウィンドウサイズをデフォルトよりも大きい数字 (100 など) に設定して、レプリケーションのパフォーマンスをもう一度確認してみます。レプリケーションの更新頻度が高く、更新間隔が短い場合、ローカルエリアネットワーク (LAN) 接続されたレプリカでもウィンドウサイズを大きくすることでパフォーマンスが向上する可能性があります。
DSCC を使用してこの作業を実行できます。詳細は、「Directory Service Control Center のインタフェース」と DSCC のオンラインヘルプを参照してください。
ウィンドウサイズを変更します。
$ dsconf set-repl-agmt-prop -h host -p port suffix-DN consumer-host:consumer-port transport-window-size:value |
次に例を示します。
$ dsconf set-repl-agmt-prop -h host2 -p 1389 dc=example,dc=com host1:1389 \ transport-window-size:20 |
グループサイズ (デフォルト値は 1) は 1 つの更新メッセージに入れることのできるデータ修正の最大数を表します。ネットワーク接続がレプリケーションを妨害しているように思われる場合、グループサイズをデフォルトよりも大きい数字 (10 など) に設定して、レプリケーションのパフォーマンスを再確認してみます。
グループサイズを大きくする場合、次のことがあてはまることを確認します。
ウィンドウサイズがグループサイズよりも大幅に大きい数字に設定されていること
ウィンドウサイズをグループサイズで割った値が、コンシューマの cn=config の nsslapd-maxThreadsPerConn の値よりも大幅に上回っていること (通常は 2 倍)
グループサイズが 1 よりも大きい数に設定されている場合、サプライヤはグループが満たされるのを待たずに、コンシューマに更新を送信します。
DSCC を使用してこの作業を実行できます。詳細は、「Directory Service Control Center のインタフェース」と DSCC のオンラインヘルプを参照してください。