スキーマファイルは LDIF ファイルで instance-path /config/schema/ にあります。instance-path は、Directory Server インスタンスが存在するファイルシステムディレクトリに対応します。たとえば、インスタンスは /local/ds/ などにあります。このファイルは Directory Server と Directory Server に依存するすべてのサーバーが使用する標準スキーマを定義します。ファイルと標準スキーマについては、『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.2 Reference』と『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.2 Man Page Reference』に説明しています。
サーバーは、起動時に 1 回だけスキーマファイルを読み取ります。スキーマのメモリー内の LDAP ビューの cn=schema 内にファイルの LDIF の内容が追加されます。スキーマ定義の順序には意味があるため、スキーマファイルの名前の先頭には番号がつけられ、英数字順に読み込まれます。このディレクトリに含まれるスキーマファイルには、インストール時に定義されたシステムユーザーだけが書き込み処理を実行できます。
スキーマを LDIF ファイルに直接定義するときは、X-ORIGIN フィールドの値として 'user defined' を指定することはできません。この値は、cn=schema の LDAP ビューで定義されるスキーマ要素用に予約されており、これは 99user.ldif ファイルに表示されます。
99user.ldif ファイルには、cn=schema エントリと、コマンド行または DSCC から追加されたすべてのスキーマ定義の追加 ACI が含まれます。新しいスキーマ定義を追加すると、99user.ldif ファイルは上書きされます。このファイルを変更するときは、変更が最新になるように、サーバーを直ちに再起動する必要があります。
他のスキーマファイルに定義されている標準のスキーマを変更しないでください。ただし、新しいファイルを追加して、新しい属性やオブジェクトクラスを定義することはできます。たとえば、複数のサーバーに新しいスキーマ要素を定義するには、98mySchema.ldif という名前をファイルにその要素を定義し、このファイルをすべてのサーバーのスキーマディレクトリにコピーします。次にすべてのサーバーを再起動して、新しいスキーマファイルを読み込みます。
DSCC を使用してこの作業を実行できます。詳細は、「Directory Service Control Center のインタフェース」と DSCC のオンラインヘルプを参照してください。
98mySchema.ldif などの独自のスキーマ定義ファイルを作成します。
スキーマファイルの定義の構文については、http://www.ietf.org/rfc/rfc4517.txt RFC 4517 で説明されています。
(省略可能) このスキーマが更新をほかのサーバーに送るマスターレプリカである場合は、レプリケーショントポロジでスキーマ定義ファイルを各サーバーインスタンスにコピーします。
レプリケーションメカニズムでは、スキーマを含む LDIF ファイルに直接加えた変更は検出されません。そのため、マスターを再起動したあとでも、変更がコンシューマにレプリケートされません。
スキーマ定義ファイルをコピーした各 Directory Server インスタンスを再起動します。
サーバーが再起動すると、スキーマ定義が再ロードされ、変更が有効になります。