この節では、階層と配布アルゴリズムを組み合わせるデータビューを設定する方法を説明します。このような配備については、『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.2 Reference』の「Data Views With Hierarchy and a Distribution Algorithm」を参照してください。
ここでの例には、4 つのデータビューが含まれます。データビュー 1 のベース DN は、その他のデータビューのベース DN より上位です。データビュー 3 とデータビュー 4 のベース DN は同じですが、数値配布アルゴリズムによって、エントリがデータビュー 3 か 4 に割り振られます。
下位エントリが別のデータビューのベース DN として設定されると、Directory Proxy Server は、サブツリーの下位エントリをデータビューから自動的に除外します。数値配布アルゴリズムは同じサブツリーのエントリが異なるデータビューに分割します。データソースプールは、データ同等のデータソースのセットごとに設定されます。
次の図は、配備の例を示しています。
DSCC を使用してこの作業を実行することはできません。この手順で説明しているように、コマンド行を使用してください。
「LDAP データソースの作成と設定」で説明しているように、各 LDAP サーバーにデータソースを作成します。
「LDAP データソースプールの作成と設定」で説明しているように、4 つのデータソースプールを作成します。
「LDAP データソースのデータソースプールへの接続」の指示に従って、データソースをデータソースプールに接続します。
dc=example,dc=com を含むデータソースを data-source-pool-1 に接続します。
ou=computer,dc=example,dc=com を含むデータソースを data-source-pool-2 に接続します。
ou=people,dc=example,dc=com で uid が 0 と 99 の間のエントリを持つデータソースを data-source-pool-3 に接続します。
ou=people,dc=example,dc=com で uid が 100 と 199 の間のエントリを持つデータソースを data-source-pool-4 に接続します。
(省略可能) 負荷分散を設定します。
詳細は、「負荷分散の設定」を参照してください。
ベース DN が dc=example,dc=com で data-source-pool-1 を参照するデータビューを作成します。
$ dpconf create-ldap-data-view -h host1 -p 1389 dataview-1 \ data-source-pool-1 dc=example,dc=com |
ベース DN が ou=computer,dc=example,dc=com で data-source-pool-2 を参照するデータビューを作成します。
$ dpconf create-ldap-data-view -h host1 -p 1389 dataview-2 \ data-source-pool-2 ou=computer,dc=example,dc=com |
ベース DN が ou=people,dc=example,dc=com で data-source-pool-3 を参照するデータビューを作成します。uid が 0 から 99 までのエントリを選択するようにデータビューで配布アルゴリズムを設定します。
$ dpconf create-ldap-data-view -h host1 -p 1389 dataview-3 \ data-source-pool-3 ou=people,dc=example,dc=com $ dpconf set-ldap-data-view-prop dataview-3 distribution-algorithm:numeric \ numeric-attrs:uid numeric-lower-bound:0 numeric-upper-bound:99 |
ベース DN が ou=people,dc=example,dc=com で data-source-pool-4 を参照するデータビューを作成し、uid が 100 から 199 までのエントリを選択するようデータビューで配布アルゴリズムを設定します。
$ dpconf create-ldap-data-view -h host1 -p 1389 dataview-4 \ data-source-pool-4 ou=people,dc=example,dc=com $ dpconf set-ldap-data-view-prop dataview-4 distribution-algorithm:numeric \ numeric-attrs:uid numeric-lower-bound:100 numeric-upper-bound:199 |
excluded-subtrees パラメータをチェックして、サブツリー ou=computer,dc=example, dc=com と ou=people,dc=example, dc=com が dataview-1 から除外されていることを確認します。
$ dpconf get-ldap-data-view-prop -h host1 -p 1389 dataview-1 excluded-subtrees |
除外されたサブツリーの一覧が返されます。
変更を有効にするために Directory Proxy Server のインスタンスを再起動します。
Directory Proxy Server の再起動については、「Directory Proxy Server を再起動する」を参照してください。