Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.2 管理ガイド

部分レプリケーションに関する注意点


注 –

部分レプリケーションは、Directory Server 5.2 より前のバージョンの製品では使用できません。部分レプリケーションアグリーメントを設定する場合は、マスターとコンシューマレプリカが共に Directory Server 5.2 以上を使用している必要があります。


属性の部分的なセットを有効化または変更するには、コンシューマレプリカを初期化し直す必要があります。このため、配備前に部分レプリケーションの必要性を検討し、レプリケートされたサフィックスを初期化する前に属性セットを設定しておく必要があります。

ACI、ロール、CoS などの複雑な機能が特定の属性に依存する小規模な属性セットをレプリケートするときは、慎重な対応が必要です。さらに、ACI、ロール、または CoS メカニズムの指示子やフィルタで示されているその他の属性をレプリケートしないと、データのセキュリティーが損なわれる可能性があります。レプリケートしないと、検索で返される属性セットが異なる可能性もあります。レプリケーションの対象に含める属性のリストを管理するよりも、除外する属性のリストを管理する方法が安全であり、人的なミスも少なくなります。

レプリケートするすべてのエントリがスキーマに準拠しない属性セットをレプリケートするときは、コンシューマサーバーのスキーマチェックを無効にする必要があります。スキーマに準拠しないエントリをレプリケートしても、レプリケーションメカニズムはコンシューマ上でのスキーマチェックを行わないため、エラーは発生しません。しかし、スキーマに準拠しないエントリがコンシューマに含まれるようになるので、クライアントにとって一貫した状態にする必要があるためスキーマチェックを無効にする必要があります。

部分レプリケーションは、ハブと専用コンシューマのマスターレプリカのレプリケーションアグリーメントに設定します。マルチマスターレプリケーション環境の 2 つのマスターレプリカ間での部分レプリケーションは設定できません。また、複数のマスターが同じレプリカとの間でレプリケーションアグリーメントを持つ場合、同じ属性セットをレプリケートするようにすべてのアグリーメントを設定する必要があります。