この節では、Directory Server インスタンスの作成と削除の方法について説明します。
データを管理する前に、コマンド行ツールまたはブラウザインタフェース Directory Service Control Center (DSCC) を使用して Directory Server インスタンスを作成する必要があります。DSCC で、Directory Server インスタンスは単に「Directory Server」と呼ばれることがあります。
Directory Server インスタンスを作成する場合、Directory Server に必要なファイルとディレクトリは、指定した instance-path で作成されます。
DSCC を使用してこの作業を実行できます。詳細は、「Directory Service Control Center のインタフェース」と DSCC のオンラインヘルプを参照してください。
DSCC を使用して新しいサーバーインスタンスを作成する場合は、既存のサーバーからサーバー設定の一部またはすべてをコピーするよう選択できます。
新しい Directory Server インスタンスを作成して、インスタンスパスを設定します。
$ dsadm create instance-path |
このサーバーのディレクトリマネージャーのパスワードを設定するよう要求されます。
サーバーインスタンスにデフォルト以外のポート番号またはその他のパラメータを指定するには、dsadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
たとえば、ディレクトリ /local/ds で新しいインスタンスを作成するには、次のコマンドを使用します。
$ dsadm create /local/ds Choose the Directory Manager password: Confirm the Directory Manager password: Use 'dsadm start /local/ds' to start the instance |
サーバーインスタンスが正しく作成されていることを確認します。
$ dsadm info instance-path |
次に例を示します。
$ dsadm info /local/ds1 インスタンスのパス: /local/ds1 所有者: user1(group1) セキュリティーが確保されていないポート: 1389 セキュアポート: 1636 ビットフォーマット: 64-bit 状態: 稼働中 サーバーの PID: 22555 DSCC URL: - SMF アプリケーション名: - ブート時に起動する: 無効 インスタンスのバージョン: D-A00 |
(省略可能) Java Enterprise System インストーラまたはネイティブのパッケージインストールを使用して Directory Server をインストールし、お使いの OS にサービス管理ソリューションがある場合は、次の表で示すように、サーバーがサービスとして管理されるようにできます。
オペレーティングシステム |
コマンド |
---|---|
Solaris 10 |
Sun クラスタ環境で作業している場合、次のコマンドを使用します。 dsadm enable-service --type CLUSTER instance-path resource-group そうでない場合は、次のようになります。 dsadm enable-service --type SMF instance-path |
Solaris 9 |
Sun クラスタ環境で作業している場合、次のコマンドを使用します。 dsadm enable-service --type CLUSTER instance-path resource_group そうでない場合は、次のようになります。 dsadm autostart instance-path |
Linux、HP-UX |
dsadm autostart instance-path |
Windows |
dsadm enable-service --type WIN_SERVICE instance-path |
Directory Server を起動します。
$ dsadm start instance-path |
サーバーは実行されますが、データやサフィックスは含まれていません。サフィックスを作成するには、 dsconf を使用します。
(省略可能) 次のいずれかの方法で、サーバーインスタンスを登録します。
URL https://host:6789 にアクセスし、DSCC によってサーバーを登録します。
dsccreg add-server コマンドを使用します。
詳細については、dsccreg(1M) のマニュアルページを参照してください。
Directory Server インスタンスがスタンドアロンでパスワードポリシーを使用する場合、またはDS6-only パスワードポリシーモードにすでに移行したレプリケーショントポロジに属している場合は、インスタンスをこのモードに移行します。
$ dsconf pwd-compat -h host -p port to-DS6-migration-mode ## Beginning password policy compatibility changes . ## Password policy compatibility changes finished. Task completed (slapd exit code: 0). $ dsconf pwd-compat -h host -p port to-DS6-mode ## Beginning password policy compatibility changes . ## Password policy compatibility changes finished. Task completed (slapd exit code: 0). |
DSCC を使用してこの作業を実行できます。詳細は、「Directory Service Control Center のインタフェース」と DSCC のオンラインヘルプを参照してください。
Directory Server を停止します。
$ dsadm stop instance-path |
以前に DSCC を使用してサーバーを管理していた場合は、コマンド行を使用してサーバーを登録解除します。
$ dsccreg remove-server /local/ds Enter DSCC administrator's password: /local/ds is an instance of DS Enter password of "cn=Directory Manager" for /local/ds: This operation will restart /local/ds. Do you want to continue ? (y/n) y Unregistering /local/ds from DSCC on localhost. Connecting to /local/ds Disabling DSCC access to /local/ds Restarting /local/ds |
詳細については、dsccreg(1M) のマニュアルページを参照してください。
(省略可能) 以前にサーバー管理ソリューションでサーバーインスタンスを有効にした場合は、サービスとしてのサーバーの管理を無効にします。
オペレーティングシステム |
コマンド |
---|---|
Solaris 10 |
Sun クラスタ環境で作業している場合、次のコマンドを使用します。 dsadm disable-service --type CLUSTER instance-path そうでない場合は、次のようになります。 dsadm disable-service --type SMF instance-path |
Solaris 9 |
Sun クラスタ環境で作業している場合、次のコマンドを使用します。 dsadm disable-service --type CLUSTER instance-path そうでない場合は、次のようになります。 dsadm autostart --off instance-path |
Linux、HP-UX |
dsadm autostart --off instance-path |
Windows |
dsadm disable-service --type WIN_SERVICE instance-path |
サーバーインスタンスを削除します。
$ dsadm delete instance-path |
このコマンドによって、データベースやデータを含むすべてが削除されます。
インスタンスがサービスとして有効にされている場合、またはインスタンスがシステムの起動時に自動的に起動されている場合には、ルートアクセス権を持つ管理ユーザーで、dsadm delete を実行する必要があります。