Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.2 管理ガイド

JDBC データビューの設定とテスト

次の作業は、mySQL データベースがインストールされて実行中であり、データベースにデータが存在し、mySQL データベースが次のように設定されていることが前提となっています。

次の表は、データベース内のテーブルと複合フィールドを説明しています。JDBC データビューを設定するためにこの情報が必要です。

mySQL テーブル 

フィールド 

EMPLOYEE

IDSURNAMEPASSWORD TITLECOUNTRY_ID

COUNTRY

IDNAME

PHONE

USER_IDNUMBER

ProcedureJDBC データビューを設定する

  1. SQL データベース用の mysql1 という名前の JDBC データソースを作成します。


    % dpconf create-jdbc-data-source -b sample_sql -B jdbc:mysql://host2.example.com:3306 \
     -J file:/net/host2.example/local/mysql/lib/jdbc.jar -S com.mysql.jdbc.Driver mysql1
  2. SQL データベースのユーザー名とパスワードファイルを指定します。


    % dpconf set-jdbc-data-source-prop mysql1 db-pwd-file:sqlpwd.txt db-user:root
  3. プロキシサーバーを再起動します。


    % dpadm restart /local/dps
  4. データソースを有効にして、データソースへの書き込み操作を許可します。


    % dpconf set-jdbc-data-source-prop mysql1 is-enabled:true is-read-only:false
  5. mysql1–pool という名前の JDBC データソースプールを作成します。


    % dpconf create-jdbc-data-source-pool mysql1-pool
  6. JDBC データソースをデータソースプールに接続します。


    % dpconf attach-jdbc-data-source mysql1-pool mysql1
  7. ベース DN が o=sqlmyjdbc1–view という名前のデータソースプールの JDBC データビューを作成します。


    % dpconf create-jdbc-data-view mysql1-view mysql1-pool o=sql
  8. MySQL データベースの各テーブルの JDBC テーブルを作成します。


    % dpconf create-jdbc-table employee1 EMPLOYEE
    % dpconf create-jdbc-table country1 COUNTRY
    % dpconf create-jdbc-table phone1 PHONE

    SQL データベースのテーブル名は大文字と小文字を区別します。SQL データベースの場合と同じ文字 (大文字または小文字) を使用していることを確認してください。

  9. 各テーブルの各列の JDBC 属性を作成します。

    JDBC 属性を作成すると、MySQL 列が LDAP 属性にマップされます。


    % dpconf add-jdbc-attr employee1 uid ID
    % dpconf add-jdbc-attr employee1 sn SURNAME
    % dpconf add-jdbc-attr employee1 userPassword PASSWORD
    % dpconf add-jdbc-attr employee1 room ROOM
    % dpconf add-jdbc-attr phone1 tel NUMBER
    % dpconf add-jdbc-attr country1 country NAME

    phone1 user_id 列と country1 id 列は MySQL データベースのコンテキストでのみ使用されるため、これらの列の JDBC 属性を必ずしも作成する必要はありません。これらには、対応する LDAP 属性がありません。

  10. LDAP person オブジェクトクラスに対して JDBC オブジェクトクラスを作成します。

    ここでは、employee1 テーブルを一次テーブル、country1 テーブルと phone1 テーブルを二次テーブルとします。JDBC オブジェクトクラスの作成にも DN が必要です。この例では、DN は uid 属性とデータビューのベース DN から構築されます。


    % dpconf create-jdbc-object-class mysql1-view person employee1 country1 phone1 uid
  11. 一次テーブルと二次テーブル間の結合ルールを定義します。

    結合ルールは二次テーブルで定義され、そのテーブルからのデータが一次テーブルのデータにリンクされる方法を決定します。


    % dpconf set-jdbc-table-prop country1 filter-join-rule:'ID=${EMPLOYEE.COUNTRY_ID}'
    % dpconf set-jdbc-table-prop phone1 filter-join-rule:'USER_ID=${EMPLOYEE.ID}'
  12. JDBC オブジェクトクラスのスーパークラスを指定します。

    スーパークラスは、JDBC オブジェクトクラスが属性を継承した LDAP オブジェクトクラスを示します。


    % dpconf set-jdbc-object-class-prop mysql1-view person super-class:top

Procedure必要な ACI を作成する

JDBC データビューをテストする前に、ACI を設定してデータビューへの書き込みアクセスを有効にします。デフォルトで、LDAP データビュー以外への書き込みアクセスは拒否されます。この例では、ユーザーに自分のパスワードの変更を許可するグローバル ACI を 1 つ追加するだけで十分です。

  1. プロキシマネージャーとして、ACI のプールを JDBC データソースに追加し、ユーザーに自分のエントリの変更を許可するグローバル ACI を追加します。


    % ldapmodify -p 1389 -D "cn=proxy manager" -w password
    dn: cn=mysql1,cn=virtual access controls
    changetype: add
    objectclass: acisource
    dpsaci: (targetattr="*") (target = "ldap:///o=sql") \
     (version 3.0; acl "enable all access for all users "; allow(all) \
    userdn="ldap:///uid=kvaughan,o=sql";)
    cn: mysql1
  2. o=sql ドメインへの接続を処理するために接続ハンドラを作成します。


    % dpconf create-connection-handler mysql1-handler
  3. 接続ハンドラを有効にして、o=sql ドメイン内のユーザーからのバインドをすべて処理するように設定します。


    % dpconf set-connection-handler-prop mysql1-handler is-enabled:true \
     bind-dn-filters:"uid=.*,o=sql"
  4. 前の手順で追加した ACI のプールを使用するように接続ハンドラを設定します。


    % dpconf set-connection-handler-prop mysql1-handler aci-source:mysql1

ProcedureJDBC データビューをテストする

  1. o=sql のユーザーとして JDBC データソースを検索し、データビューから読み取りができることを確認します。


    % ldapsearch -p 1389 -D "uid=kvaughan,o=sql" -w mypwd -b o=sql "objectclass=*"

    注 –

    o=sql のユーザーまたは匿名バインドの資格を使用します。


  2. o=sql のユーザーとして、 userPassword 属性を変更して、データビューに書き込みができることを確認します。


    % ldapmodify -p 1389 -D "uid=kvaughan,o=sql" -w mypwd
    dn: uid=kvaughan,o=sql
    changetype: modify
    replace: userPassword
    userPassword: myNewpwd