Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.2 配備計画ガイド

チューニングプロセス

パフォーマンスのチューニングは、デフォルト設定を変更して特定の配備要件が反映されるようにすることを意味します。次のプロセスフェーズのリストには、Directory Server のチューニング時に考慮すべき主要項目が記載されています。

目標の定義

配備要件に基づいて、特定の測定可能なチューニング目標を定義します。

次の各質問を検討してください。

  • どのアプリケーションが Directory Server を使用しますか。

  • システムの全体を Directory Server の専用にすることができますか。

    システム上でほかのアプリケーションも実行されますか。

    そうであれば、システム上で実行されるほかのアプリケーションはどれですか。

  • この配備によって何件の「エントリ」が処理されますか。

    エントリ件数はどのくらいになりますか。

  • Directory Server は 1 秒あたり何件の「検索」をサポートする必要がありますか。

    どのようなタイプが検索されるか

  • Directory Server は 1 秒あたり何件の「更新」をサポートする必要がありますか。

    どのようなタイプが更新されるか

  • どのような種類のピークの更新頻度および検索頻度が予期されますか。

    平均の更新頻度はどれくらいになると予期されますか。

  • 配備がこのシステム上で一括インポートによる初期化を繰り返し必要としますか。

    そうであれば、データのインポート頻度はどのくらいであると予期されますか。何件のエントリがインポートされますか。

    エントリの種類はわかりますか。

    サーバーが稼働したままの状態で、オンラインで初期化を実行する必要があるか

このリストはすべての要素を網羅しているわけではありません。自身の目標リストがすべての要素を網羅していることを確認してください。

方法の選択

最適化をどのように実施する予定であるかを決定します。また、最適化結果をどのように測定および解析する予定であるかも決定します。

次の各質問を検討してください。

  • システムのハードウェア構成を変更できるか。

  • すでに存在しているハードウェアを使用したり、サーバーが稼働しているオペレーティングシステムや Directory Server のみをチューニングしたりすること以外に方法がないか。

  • ほかのアプリケーションをどのような方法でシミュレートできるか。

  • テスト用の典型的なデータサンプルをどのような方法で生成すべきか。

  • 結果をどのような方法で測定すべきか。

  • 結果をどのような方法で解析すべきか。

テストの実行

計画したテストを実行します。配備が大規模で複雑な場合、このフェーズでかなりの時間がかかる可能性があります。

結果の確認

テストした潜在的な最適化によって、プロセス開始時に定義した目標が達成されたかどうかをチェックします。

最適化によって目標が達成された場合には、その結果を文書化します。

最適化によって目標が達成されなかった場合には、Directory Server のプロファイリングと監視を行います。

プロファイリングおよび監視

潜在的な変更を適用したあとで、Directory Server の動作のプロファイリングと監視を行います。

関係するすべての動作の測定値を収集します。

グラフ化と解析

プロファイリング中や監視中に監視した動作をグラフ化および解析します。証拠を見つけたり、さらなるテストを示唆するパターンを発見したりする努力を行ってください。

「プロファイリングおよび監視」フェーズに戻って別のデータを収集する必要がある可能性もあります。

調整およびチューニング

測定値の解析結果が示唆する、さらなる潜在的な最適化を適用します。

「テストの実行」フェーズに戻ります。

結果の文書化

適用した最適化によってプロセス開始時に定義した目標が達成された場合には、その最適化を適切に文書化し、あとでその最適化を容易に再現できるようにします。