Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.2 配備計画ガイド

グループとウィンドウのメカニズム

Directory Server は、レプリケーションの流れを最適化するためのグループとウィンドウのメカニズムを提供しています。グループのメカニズムを使用すると、変更を個別にではなく、グループで送信するように指定できます。グループサイズは、1 つの更新メッセージにまとめることのできるデータ変更の最大数を表します。ネットワーク接続がレプリケーションのボトルネックになっているように見える場合は、グループサイズを増やし、レプリケーションのパフォーマンスをもう一度チェックしてください。グループサイズの設定については、『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.2 管理ガイド』「グループサイズの設定」を参照してください。

ウィンドウのメカニズムは、サプライヤが処理継続のためのコンシューマからの受信通知を待つことなく、コンシューマに特定の数の更新要求を送信するように指定します。ウィンドウサイズは、コンシューマからの即座の受信通知がなくても送信できる更新メッセージの最大数を表します。メッセージごとに受信通知を待つのではなく、多数のメッセージをすばやく連続して送信する方がより効率的です。適切なウィンドウサイズを使用することにより、レプリカがレプリケーションの更新または受信通知の到着を待つために費やす時間を削除できます。コンシューマレプリカがサプライヤから遅延している場合は、ウィンドウサイズをデフォルトより大きい値 (たとえば 100) に増やし、それ以上の調整を行う前にレプリケーションのパフォーマンスをもう一度チェックしてください。レプリケーションの更新頻度が高く、そのため更新の間隔が短い場合は、LAN で接続されているレプリカでもウィンドウサイズを大きくすると利点が得られます。ウィンドウサイズの設定については、『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.2 管理ガイド』「ウィンドウサイズの設定」を参照してください。

グループとウィンドウのメカニズムはどちらも、変更のサイズに基づいています。そのため、変更のサイズが大幅に変動する場合、これらのメカニズムを使用してレプリケーションのパフォーマンスを最適化することは実用的でない場合があります。変更のサイズが比較的均一である場合は、グループとウィンドウのメカニズムを使用して、差分更新と完全更新を最適化することができます。