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Oracle® Complex Event Processing CQL言語リファレンス
11g リリース1(11.1.1)
B61613-01
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3 疑似列

疑似列はストリーム要素と同じように動作しますが、実際にはタプルの一部ではありません。

3.1 疑似列の概要

疑似列からの選択はできますが、値の変更はできません。疑似列は引数のない関数にも似ています(1.1.11項「関数」を参照)。

Oracle CQLでは、次の疑似列がサポートされています。

3.2 ELEMENT_TIME疑似列

ELEMENT_TIME疑似列は、特定のストリーム要素に関連付けられたタイムスタンプ値をjava.lang.Math.Bigint(Long)として返します。

構文については、pseudo_column::=を参照してください。

この項では、様々な問合せでELEMENT_TIMEを使用する方法を説明します。

3.2.1 SELECTでのELEMENT_TIMEの使用

例3-1は、select文でELEMENT_TIME疑似列を使用する方法を示しています。ストリームS1にはスキーマ(c1 integer)があります。例3-2に示す入力ストリームがある場合、この問合せは例3-3に示す結果を返します。関数to_timestampを使用して、Long値をタイムスタンプ値に変換しています。

例3-1 Select文でのELEMENT_TIME疑似列

<query id="q4"><![CDATA[ 
    select 
        c1, 
        to_timestamp(element_time) 
    from 
        S1[range 10000000 nanoseconds slide 10000000 nanoseconds]
]]></query>

例3-2 入力ストリーム

Timestamp   Tuple
 8000       80
 9000       90
13000       130
15000       150
23000       230
25000       250

例3-3 出力リレーション

Timestamp   Tuple Kind  Tuple
 8000       +           80,12/31/1969 17:00:08
 8010       -           80,12/31/1969 17:00:08
 9000       +           90,12/31/1969 17:00:09
 9010       -           90,12/31/1969 17:00:09
13000       +           130,12/31/1969 17:00:13
13010       -           130,12/31/1969 17:00:13
15000       +           150,12/31/1969 17:00:15
15010       -           150,12/31/1969 17:00:15
23000       +           230,12/31/1969 17:00:23
23010       -           230,12/31/1969 17:00:23
25000       +           250,12/31/1969 17:00:25
25010       -           250,12/31/1969 17:00:25

問合せにGROUP BY句が含まれる場合、SELECT文で直接ELEMENT_TIME疑似列を使用することはできません。かわりに、3.2.2項「GROUP BYでのELEMENT_TIMEの使用」に説明されているように、ビューを使用します。

3.2.2 GROUP BYでのELEMENT_TIMEの使用

例3-4の問合せQ1があるとします。GROUP BY句があるため、問合せのSELECT文でELEMENT_TIMEを使用することはできません。

例3-4 GROUP BYを含む問合せ

<query id="Q1"><![CDATA[ 
    SELECT
        R.queryText AS queryText,
        COUNT(*) AS queryCount
    FROM
        queryEventChannel [range 30 seconds] AS R
    GROUP BY
        queryText
]]></query>

かわりに、例3-5に示すようなビューを作成します。V1に相当する派生したストリームには、特定のqueryTextグループに対して(queryTextqueryCountmaxTime)が変わるたびに、ストリーム要素が含められます。

例3-5 ビュー

<view id="V1"><![CDATA[ 
    ISTREAM (
        SELECT
            R.queryText AS queryText,
            COUNT(*) AS queryCount,
            MAX(R.ELEMENT_TIME) as maxTime
        FROM
            queryEventChannel [range 30 seconds] AS R
        GROUP BY
            queryText
    )
]]></view>

これらの問合せ要素を選択するには、例3-6に示すように問合せを作成します。

例3-6 問合せ

<query id="Q1"><![CDATA[ 
    SELECT
        queryText,
        queryCount,
        ELEMENT_TIME as eventTime
    FROM
        V1
]]></query>

3.2.3 PATTERNでのELEMENT_TIMEの使用

例3-7は、pattern問合せでELEMENT_TIME疑似列を使用する方法を示します。Nth.statusの値が>= F.statusで、そのタプルのNth.ELEMENT_TIME値と最後にFに一致したタプルとの差がjava.lang.Math.Bigint(Long)として指定された間隔に満たない場合、タプルまたはイベントは相関変数Nthに一致します。

例3-7 PatternでのELEMENT_TIME疑似列

...
PATTERN (F Nth+? L)
        DEFINE
            Nth AS 
                Nth.status >= F.status
                AND 
                Nth.ELEMENT_TIME - F.ELEMENT_TIME < 10000000000L,
            L AS 
                L.status >= F.status 
                AND 
                count(Nth.*) = 3
                AND L.ELEMENT_TIME - F.ELEMENT_TIME < 10000000000L 
...