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Oracle® Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド
11g リリース1(11.1.1)
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1.1 Oracle Reportsの概要

Oracle Reportsは数々の受賞歴のある高品位エンタープライズ・レポート・ツールです。これによって、比類ないスケーラビリティを持ちセキュアな環境における組織の内外にあるあらゆるレベルの情報に企業は即座にアクセスできます。

Oracle Reportsでは、任意のデータソース(Oracleデータベース、JDBC、XML、テキスト・ファイルなど)に対して、洗練されたWebレポートやペーパー・レポートを迅速に開発して配布できます。JSPやXMLなどのJava EEテクノロジを活用することで、レポートを様々なフォーマット(HTML、XML、PDF、EnhancedSpreadsheet、スプレッドシート・データ、デリミタ付きテキスト、デリミタ付きデータ、PostScript、RTFなど)で、任意の宛先(電子メール、Webブラウザ、WebDav、FTP、Oracle Portal、ファイル・システムなど)に、拡張性および効率に優れた方法で公開できます。

Oracle Reportsは、Oracle Reports Developer(Oracle Developer Suiteのコンポーネント)およびOracle Reports Services(Oracle Fusion Middlewareのコンポーネント)で構成されます。

Oracle Reports Developerに含まれるコンポーネントは次のとおりです。

Oracle Reports Servicesはこのマニュアルで中心的に取り上げるコンポーネントです。レポートの実行、配布および公開をエンタープライズ規模で行います。Oracle Reports Servicesを使用してレポートを配置すると、より柔軟になり、時間が節約され、処理能力も高まります。次のコンポーネントが含まれます。

Oracle Reports関連情報リソースの詳細は、「はじめに」の「関連ドキュメント」を参照してください。

1.1.1 Oracle Reports Builder

Oracle Reports Builder(rwbuilder)は、その名前が示すように、Oracle Reportsのレポート作成コンポーネントです。レポート開発者はOracle Reports Builderの設計時ユーザー・インタフェースで次の機能を使用して、レポート定義の作成やメンテナンスを行います。

  • レポートの設計手順をガイドする使いやすいウィザード

  • レポートでソースのデータにアクセスできるようにするプラッガブル・データ・ソース(PDS): JDBCやXMLなどがあります。

  • レポート・データを取得するSQL文をグラフィカルに表現するクエリー・ビルダー

  • デフォルトのレポート・テンプレートとレイアウト・スタイル: 必要に応じてカスタマイズできます。

  • ペーパー・レポートのレイアウトをWYSIWYGモードで変更できるライブ・エディタ

  • HTMLドキュメントにカスタムJSPタグを埋め込むことでHTMLページに動的なレポート出力を追加する機能

  • レポート・データをグラフィカルに表現する統合グラフ・ビルダー

  • レポートの実行方法をカスタマイズするコードを生成する機能

  • データに基づいてWebページを動的に生成するツール

  • 標準のレポート出力フォーマット(HTML、HTMLCSS、XML、PDF、RTF、スプレッドシート、PCL、PostScript、ASCIIなど)

  • JavaScriptを使用してクライアント側パラメータを検証する機能

  • PL/SQLプロシージャ内で動的なSQL文を実行する機能

  • Oracleデータベース・オブジェクトのサポート

  • イベント・ベースのレポート(データベース・イベントに基づくレポート実行)

  • レポート・セキュリティを管理したりポートレットにレポート出力を公開するためにOracle ReportsとOracle Portalをシームレスに統合する機能

詳細は、Oracle Reportsのオンライン・ヘルプ(Oracle Reports Builderで「ヘルプ」→「目次」を選択)および『Oracle Reportsレポート作成ガイド』を参照してください。

1.1.2 Oracle Reports Bridge

Oracle Reports Bridge(rwbridge)は、複数のファームにおいてReports Serverを検出する機能を実現します。詳細は、第2.3.4.1.2項「複数のサブネットにわたるサーバーの検出」を参照してください。

1.1.3 Oracle Reports Client

Oracle Reports Client(rwclient)は、リモートのReports Server(rwserver)にレポートを送信するためのコマンドライン・インタフェースを実現します。

1.1.4 Oracle Reports Runtime

rwrun(Reports Runtime)では、各自のインプロセス・サーバー(デフォルトのインプロセスReports Serverと混同しないこと)を起動してレポートを実行します。これは、rwrunプロセスと同じJVMで実行します。このインプロセス・サーバーの構成ファイルはrwbuilder.confで、トレース・ファイルはrep_machinename-rwbuilderディレクトリに保存されます。


注意:

rwrunは、テスト目的にのみ使用することをお薦めします。本番環境では、rwservletrwclientを使用して、Oracle Reports Servicesの威力をフル活用してください。

1.1.5 Oracle Reports Servlet

Oracle Reports Servlet(rwservlet)はOracle Reports Servicesのコンポーネントで、WebサーバーやJava EEコンテナ(Oracle WebLogic Serverなど)とReports Serverとの間で情報の変換と配布を行い、Webブラウザからレポートを動的に実行できるようにします。

1.1.6 Oracle Reports Server

Oracle Reports Server(rwserver)はOracle Fusion Middlewareのコンポーネントであり、全社規模でレポートの実行、配布および公開を行うレポート・サービスを実現します。このコンポーネントでは、ユーザー認証、スケジューリング、キャッシュ処理、レポート配布などのクライアント・リクエストが処理されます。Oracle Reports Server(一般的な呼称はReports Server)へのレポートの送信には、Oracle Reports Servlet(rwservlet)、Reports JSP、Oracle Reports Client(rwclient)などのOracle Reportsクライアントを使用します。