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Oracle® Fusion Middlewareアプリケーション・セキュリティ・ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B56235-02
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F OPSSのシステムおよび構成プロパティ

この付録では、OPSSのシステム・プロパティ(サーバー起動時にスイッチ-Dを使用して設定)および構成プロパティ(構成ファイルjps-config.xmlで要素<property>および<extendedProperty>を使用して設定)について次の各項で説明します。

サーバー・プロパティをプログラムによって管理するには、OPSS MBeansを使用します。詳細と例は、第E.2.3項「OPSS Mbeansを使用したプログラミング」を参照してください。


注意:

すべてのOPSSの構成変更を有効にするには(手動で、またはJpsConfiguration MBeanを使用して)、サーバーを再起動する必要があります。

OPSSデータ・ドメインの変更の場合は、変更を有効にするためにサーバーを再起動する必要はありません。データ変更には、アプリケーション・ポリシーの変更と、資格証明の作成、削除または更新があります。


F.1 OPSSシステム・プロパティ

導入または変更したシステム・プロパティは、サーバーを再起動するまで有効になりません。システム・プロパティを設定するには、管理者はsetDomainEnv.shシェル・スクリプトを編集し、そのスクリプト内の環境変数EXTRA_JAVA_PROPERTIESにプロパティを追加する必要があります。

表F-1は、OPSSで使用可能なJavaシステム・プロパティを示しています。

表F-1 OPSSで使用されるJavaシステム・プロパティ

名前 説明

java.security.debug=access,failure

JpsAuth.checkPermissionメソッドがSubject.doAsブロック内で呼び出されたときにパーミッション・チェックが失敗すると、その失敗について通知します。

setting jps.auth.debugまたはjps.auth.debug.verboseだけでは、この場合に失敗の通知を受け取ることはできません。

java.security.policy

OPSSポリシー・ファイルの場所を指定します。

jps.authz

実行時およびデバッグのオーバーヘッドを軽減するJDK APIのAccessController.checkPermissionのコールの委任を有効または無効にします。

デフォルト値はFALSEです。

jps.auth.debug

サーバーのロギング出力を制御します。デフォルト値はFALSEです。詳細は、第J.1.2.1項「jps.auth.debug」を参照してください。java.security.debugの説明も参照してください。

jps.auth.debug.verbose

サーバーのロギング出力を制御します。デフォルト値はFALSEです。詳細は、第J.1.2.2項「jps.auth.debug.verbose」を参照してください。java.security.debugの説明も参照してください。

jps.combiner.optimize

サブジェクトの保護ドメインのキャッシュを有効または無効にします。

デフォルト値はFALSEです。

jps.combiner.optimize.lazyeval

パーミッション・チェックのトリガー時にサブジェクトの保護ドメインの評価を有効または無効にします。

デフォルト値はFALSEです。

jps.deployment.handler.disabled

WebLogic Serverにデプロイされているアプリケーションのポリシーおよび資格証明の移行を有効または無効にします。

アプリケーション・ファイルのweblogic-application.xmlにある特定のアプリケーション設定に関係なく、サーバーにデプロイされているすべてのアプリケーションについてアプリケーションのポリシーおよび資格証明の移行を無効にするにはTRUEに設定します。

デフォルト値はFALSEです。

jps.policystore.hybrid.mode

混合モードを有効または無効にします。

混合モードを使用すると、Sun java.security.PolicyからOPSS Java PolicyProviderへの移行が容易になります。混合モードが有効になっている場合、OPSS Java Policy Providerでは、java.policyとsystem-jazn-data.xmlの両方のファイルから読取りが実行されます。

デフォルト値はTRUEです。

oracle.security.jps.config

ドメイン構成ファイルjps-config.xmlまたはjps-config-jse.xmlへのパスを指定します。これらのファイルでパスを指定する場合は、絶対パスまたは構成ファイルの場所を基準とする相対パスで指定できます。


F.2 OPSS構成プロパティ

この項では、様々なインスタンスのプロパティについて説明します。この項の内容は次のとおりです。

F.2.1 LDAPポリシー・ストアのプロパティ

表F-2は、LDAPベースのポリシー・ストア・インスタンスのプロパティを示しています。

表F-2 LDAPベースのポリシー・ストアのプロパティ

名前 説明

bootstrap.security.principal.key

LDAPポリシー・ストアにアクセスするためのパスワード資格証明のキーで、CSFストアに格納されています。

J2EEアプリケーションでのみ有効です。デフォルト値はありません。

ファイルベースからLDAPベースのストアにポリシー・ストアを移行する場合、jps-config.xmlファイルでのデフォルト値はbootstrapです。

bootstrap.security.principal.map

LDAPポリシー・ストアにアクセスするためのパスワード資格証明のマップで、CSFストアに格納されています。

J2EEアプリケーションおよびJ2SEアプリケーションでのみ有効です。デフォルト値はBOOTSTRAP_JPSです。

oracle.security.jps.farm.name

LDAPポリシー・ストア内のドメイン・ノードのRDN形式。

J2EEアプリケーションおよびJ2SEアプリケーションで有効です。デフォルト値はありません。

oracle.security.jps.ldap.root.name

LDAPポリシー・ストア内のルート・ノードのRDN形式。

J2EEアプリケーションおよびJ2SEアプリケーションで有効です。デフォルト値はありません。

ldap.url

LDAPポリシー・ストアのURLです。形式は、ldap://host:portです。

J2EEアプリケーションおよびJ2SEアプリケーションで有効です。デフォルト値はありません。

policystore.type

LDAPポリシー・ストアのタイプ。

J2EEアプリケーションおよびJ2SEアプリケーションで有効です。デフォルト値はありません。

oracle.security.jps.policystore.rolemember.cache.type

ロール・メンバーのキャッシュ・タイプ。

J2EEアプリケーションでのみ有効です。有効な値は次のとおりです。

  • STATIC - キャッシュ・オブジェクトは静的にキャッシュされ、FIFOなど、適用されたキャッシュ戦略に応じてのみ明示的にクリーンアップされます。ガベージ・コレクタでは、このタイプのキャッシュはクリーンアップされません。

  • SOFT - メモリーが不足している場合、このタイプのキャッシュのクリーンアップはガベージ・コレクタに依存します。

  • WEAK - このタイプのキャッシュの動作は、タイプSOFTのキャッシュとよく似ていますが、ガベージ・コレクタによってより頻繁にクリーンアップされます。

デフォルト値はSTATICです。

oracle.security.jps.policystore.rolemember.cache.strategy

ロール・メンバーのキャッシュで使用する方針のタイプ。

J2EEアプリケーションでのみ有効です。有効な値は次のとおりです。

  • FIFO - キャッシュでは、先入れ先出し方針が実装されます。

  • NONE - リフレッシュまたは再起動が実行されるまで、キャッシュにあるすべてのエントリは増大し続けます。キャッシュのサイズを制御することはできません。使用はお薦めできませんが、ポリシーのフットプリントがきわめて小さい場合には効率的です。

デフォルト値はFIFOです。

oracle.security.jps.policystore.rolemember.cache.size

ロール・メンバーのキャッシュのサイズ。

J2EEアプリケーションでのみ有効です。デフォルト値は1000です。

oracle.security.jps.policystore.policy.lazy.load.enable

ポリシーの遅延ロードを有効または無効にします。

J2EEアプリケーションでのみ有効です。デフォルト値はTRUEです。

oracle.security.jps.policystore.policy.cache.strategy

パーミッションのキャッシュで使用する方針のタイプ。

J2EEアプリケーションでのみ有効です。

  • PERMISSION_FIFO - キャッシュでは、先入れ先出し方針が実装されます。

  • NONE - リフレッシュまたは再起動が実行されるまで、キャッシュにあるすべてのエントリは増大し続けます。キャッシュのサイズを制御することはできません。使用はお薦めできませんが、ポリシーのフットプリントがきわめて小さい場合には効率的です。

デフォルト値はPERMISSION_FIFOです。

oracle.security.jps.policystore.policy.cache.size

パーミッションのキャッシュのサイズ。

J2EEアプリケーションでのみ有効です。デフォルト値は1000です。

oracle.security.jps.policystore.refresh.enable

ポリシー・ストアのリフレッシュを有効または無効にします。

J2EEアプリケーションでのみ有効です。デフォルト値はTRUEです。

oracle.security.jps.policystore.purge.timeout

ポリシー・ストアがリフレッシュされるまでの時間(ミリ秒単位)。

J2EEアプリケーションでのみ有効です。デフォルト値は43200000(12時間)です。

oracle.security.jps.policystore.refresh.interval

ポリシー・ストアで変更がポーリングされる間隔(ミリ秒単位)。

J2EEアプリケーションでのみ有効です。デフォルト値は600000です。

oracle.security.jps.policystore.refresh.permissions.invalidate.threshold

パーミッションのキャッシュが無効になるまでのユーザーのパーミッションの数。

J2EEアプリケーションでのみ有効です。デフォルト値は50です。

oracle.security.jps.policystore.rolemember.cache.warmup.enable

このプロパティによって、ApplicationRoleメンバーシップ・キャッシュの作成方法が制御されます。TRUEに設定すると、キャッシュはサーバーの起動時に作成されます。それ以外の場合は、必要に応じて作成されます(遅延ロード)。

ユーザーおよびグループの数がアプリケーション・ロールの数を大きく上回っている場合はTRUEに設定します。それ以外の場合、つまりアプリケーション・ロールの数が非常に多い場合はFALSEに設定します。

J2EEアプリケーションでのみ有効です。デフォルト値はFALSEです。


次のコードは、J2EEアプリケーション用の前述のプロパティの構成を示しています。

<serviceInstance provider="ldap.policystore.provider" name="policystore.ldap">
     <property value="OID" name="policystore.type"/>
     <property value="bootstrap" name="bootstrap.security.principal.key"/>
     <property value="cn=wls-jrfServer" name="oracle.security.jps.farm.name"/>
     <property value="cn=jpsTestNode" name="oracle.security.jps.ldap.root.name"/>
     <property value="ldap://stadk06.us.oracle.com:3060" name="ldap.url"/>
     <property value="STATIC" name="oracle.security.jps.policystore.rolemember.cache.type"/>
     <property value="FIFO" name="oracle.security.jps.policystore.rolemember.cache.strategy"/>
     <property value="1000" name="oracle.security.jps.policystore.rolemember.cache.size"/>
     <property value="true" name="oracle.security.jps.policystore.policy.lazy.load.enable"/>
     <property value="PERMISSION_FIFO" name="oracle.security.jps.policystore.policy.cache.strategy"/>
     <property value="1000" name="oracle.security.jps.policystore.policy.cache.size"/>
     <property value="true" name="oracle.security.jps.policystore.refresh.enable"/>
     <property value="43200000" name="oracle.security.jps.policystore.refresh.purge.timeout"/>
     <property value="600000" name="oracle.security.jps.ldap.policystore.refresh.interval"/>
</serviceInstance>

次のコードは、J2SEアプリケーション用の前述のプロパティの構成を示しています。

<serviceInstance name="policystore.oid" provider="policy.oid">
   <property value="OID" name="policystore.type"/>
   <property value="bootstrap" name="bootstrap.security.principal.key"/>
   <property name="ldap.url" value="ldap://sttt:3060"/>
   <property name="oracle.security.jps.ldap.root.name" value="cn=jpsNode"/>
   <property name="oracle.security.jps.farm.name" value="cn=domain1"/>
</serviceInstance>

表F-3は、LDAPベースのポリシー・ストア・インスタンスのリロード/リフレッシュ・プロパティを示しています。

表F-3 LDAPベースのポリシー・ストアのリロード/リフレッシュ・プロパティ

名前 説明

oracle.security.jps.ldap.cache.enable

キャッシュのリフレッシュを有効または無効にします。

デフォルト値はTRUEです。

oracle.security.jps.ldap.cache.purge.timeout

既存のキャッシュが消去され、キャッシュ全体がリロードされるまでの時間(ミリ秒単位)。

デフォルト値は43200000(12時間)です。

oracle.security.jps.ldap.cache.refresh.interval

追加、削除、更新などの変更がLDAPストアで発生していないか確認するために、ポリシーでスキャンを実行する間隔(ミリ秒単位)。

デフォルト値は43200000(12時間)です。

oracle.security.jps.ldap.cache.load.factor

キャッシュ・オブジェクトの負荷率。

デフォルト値は0.7です。

oracle.security.jps.ldap.cache.initial.capacity

キャッシュのデフォルトの初期容量(MB単位)。

デフォルト値は20です。


F.2.2 LDAP資格証明ストアのプロパティ

表F-4は、LDAPベースの資格証明ストア・インスタンスのプロパティを示しています。

表F-4 LDAPベースの資格証明ストアのプロパティ

名前 説明

bootstrap.security.principal.key

LDAP資格証明ストアにアクセスするためのパスワード資格証明のキーで、CSFストアに格納されています。

J2EEアプリケーションでのみ有効です。デフォルト値はありません。

ファイルベースからLDAPベースのストアにポリシー・ストアを移行する場合、jps-config.xmlファイルでのデフォルト値はbootstrapです。

bootstrap.security.principal.map

LDAP資格証明ストアにアクセスするためのパスワード資格証明のマップで、CSFストアに格納されています。

J2EEアプリケーションおよびJ2SEアプリケーションでのみ有効です。J2EEアプリケーションでのデフォルト値は、BOOTSTRAP_JPSです。

oracle.security.jps.farm.name

LDAP資格証明ストア内のドメイン・ノードのRDN形式。

J2SEアプリケーションおよびJ2EEアプリケーションで有効です。デフォルト値はありません。

oracle.security.jps.ldap.root.name

LDAPポリシー・ストア内のルート・ノードのRDN形式。

J2SEアプリケーションおよびJ2EEアプリケーションで有効です。デフォルト値はありません。

ldap.url

LDAP資格証明ストアのURLです。形式は、ldap://host:portです。

J2SEアプリケーションおよびJ2EEアプリケーションで有効です。デフォルト値はありません。


次のコードは、J2EEアプリケーション用の前述のプロパティの構成を示しています。

<serviceInstance provider="ldap.credentialstore.provider" name="credstore.ldap">
    <property value="bootstrap" name="bootstrap.security.principal.key"/>
    <property value="cn=wls-jrfServer" name="oracle.security.jps.farm.name"/>
    <property value="cn=jpsTestNode" name="oracle.security.jps.ldap.root.name"/>
    <property value="ldap://stttt.us.oracle.com:3060" name="ldap.url"/>
</serviceInstance>

F.2.3 LDAPアイデンティティ・ストアのプロパティ

表F-5は、LDAPベースのアイデンティティ・ストア・インスタンスのプロパティを示しています。

表F-5 LDAPベースのアイデンティティ・ストアのプロパティ

名前 説明

idstore.type

LDAPアイデンティティ・ストアのタイプ。

J2SEアプリケーションでのみ有効です。デフォルト値はありません。有効な値は次のとおりです。

XML: ファイルベースのアイデンティティ・ストア。XMLはファイルベースのアイデンティティ・ストアに使用可能な唯一の値なので、この場合はidstore.typeを指定する必要はありません。

OID - Oracle Internet Directory

OVD - Oracle Virtual Directory

ACTIVE_DIRECTORY - Active Directory

IPLANET - Sun Java System Directory Server

WLS_OVD - WebLogic OVD

CUSTOM - その他の任意のタイプ

カスタムの認証プロバイダを使用する場合、サービス・インスタンスの構成で次のいずれかのプロパティを指定する必要があります。

<property name="idstore.type" value="<your-idstore-type>" 

<property name="ADF_IM_FACTORY_CLASS" 
                        value="<your-IDM-FACTOY_CLASS_NAME>"

security.principal.alias

CSFマップ名。

J2SEアプリケーションでのみ有効です。デフォルト値はありません。値の例: JPS。

security.principal.key

CSFキー名。

J2SEアプリケーションでのみ有効です。デフォルト値はありません。値の例: dap.credentials。

ldap.url

LDAP URL値。

J2SEアプリケーションでのみ有効です。デフォルト値はありません。値の例: ldap://myServerName.com:389。

user.search.bases

LDAPサーバーのDN形式によるユーザー検索ベース。

J2SEアプリケーションでのみ有効です。デフォルト値はありません。値の例: cn=users,dc=us,dc=abc,dc=com

group.search.bases

LDAPサーバーのDN形式によるグループ検索ベース。

J2SEアプリケーションでのみ有効です。デフォルト値はありません。値の例: cn=groups,dc=us,dc=abc,dc=com

idstore.config.provider

すぐに使用できるアイデンティティ・ストア・プロバイダ。

J2EEアプリケーションでのみ有効です。次の値のみがサポートされます。

oracle.security.jps.wls.internal.idstore.WlsLdapIdStoreConfigProvider

次のコードは、前述のプロパティの構成を示しています。

<serviceInstance name="idstore.ldap" provider="idstore.ldap.provider">
    <property name="idstore.type" value="OID"/>
    <property name="security.principal.alias" value="MAP_NAME"/>
    <property name="security.principal.key" value="KEY_NAME"/>
    <property name="ldap.url" value="ldap://stadk06:3060"/>
    <extendedProperty>
       <name>user.search.bases</name>
          <values>
             <value>cn=users,dc=us,dc=oracle,dc=com</value>
          </values>
    </extendedProperty>
    <extendedProperty>
       <name>group.search.bases</name>
          <values>
             <value>cn=groups,dc=us,dc=oracle,dc=com</value>
          </values>
    </extendedProperty>
</serviceInstance>

F.2.4 LDAPの汎用的なプロパティ

表F-6は、サービス・インスタンスで指定できるLDAPベースのストアの汎用的なプロパティを示しています。LDAPベースのアイデンティティ・ストアのサービス・インスタンスの場合は、ユーザーおよびロールAPIでJNDI接続ファクトリを使用するときに必ず接続プール・プロパティが選択されるように、アイデンティティ・ストアのサービス・インスタンスで次のプロパティを指定する必要があります。

<property 
name="INITIAL_CONTEXT_FACTORY" value="com.sun.jndi.ldap.LdapCtxFactory"/>

表F-6 LDAPの汎用的なプロパティ

名前 説明

connection.pool.authentication

JNDI接続プールが使用するLDAP接続のタイプを指定します。

値: none、simpleおよびDIGEST-MD5

デフォルト: simple

connection.pool.max.size

LDAP接続プールの最大接続数を指定します。

値: 整数

例: 30

connection.pool.min.size

LDAP接続プールの最小接続数を指定します。

値: 整数

例: 5

connection.pool.protocol

LDAP接続に使用するプロトコルを指定します。

値: plain、ssl

デフォルト: plain

connection.pool.provider.type

使用する接続プールを指定します。

値: JNDI、IDM

デフォルト: JNDI

connection.pool.timeout

アイドル接続がプールにとどまっていられるミリ秒数を指定します。タイムアウト後に接続が閉じられ、プールから削除されます。

値: 文字列形式の整数。

デフォルト: 300000(5分)

oracle.security.jps.ldap.max.retry

LDAP接続に問題がある場合の、最大再試行回数を指定します。

値: 整数

例: 5


次のコードは、前述のプロパティの構成を示しています。

<jpsConfig ... >
   ...
   <!-- These are various JPS common properties used for LDAP operations -->
   <property name="oracle.security.jps.farm.name" value="cn=OracleFarmContainer"/>
   <property name="oracle.security.jps.ldap.root.name"
             value="cn=OracleJpsContainer"/>
   <property name="oracle.security.jps.ldap.max.retry" value="5"/>
   ...
</jpsConfig>

F.2.5 匿名ロールと認証ロールのプロパティ

表F-7に、匿名ユーザー、匿名ロールおよび認証ロールのプロパティを示します。これらのプロパティの中には、匿名サービスやアイデンティティ・ストアのログイン・モジュールの構成に使用されるものがあります。

表F-7 匿名ロールと認証ロールのプロパティ

名前 説明

anonymous.role.description

匿名ロールの説明を提供します。

例: This is the anonymous role used by the anonymous service instance.

anonymous.role.name

匿名ロールのプリンシパル名を指定します。

デフォルト値: anonymous-role

anonymous.role.uniquename

匿名ロールの名前を指定します。

デフォルト値: anonymous-role

anonymous.user.name

匿名ユーザーのプリンシパル名を指定します。

デフォルト値: anonymous

authenticated.role.description

認証ロールの説明を提供します。

例: This is the role used for authenticated users by the identity store service instance.

authenticated.role.name

認証されたユーザーに使用されるロールのプリンシパル名を指定します。

デフォルト値: authenticated-role

authenticated.role.uniquename

認証ロールの名前を指定します。

デフォルト値: authenticated-role

remove.anonymous.role

ユーザーの認証後にサブジェクトから匿名ロールを削除する必要があるかどうかを指定します。

デフォルト値はFALSEです。


F.2.6 ポリシー・プロバイダのフレームワークのプロパティ

表F-8に、ポリシー・プロバイダのフレームワークのプロパティを示します。

表F-8 ポリシー・プロバイダのフレームワークのプロパティ

名前 説明

policystore.delegation.permission

PolicyDelegationPermissionを拡張するパーミッションの完全修飾クラス名を指定します。これは、ポリシー・フレームワークにより、実行時にカスタム・プロバイダの委任に使用されます。デフォルトでは、このプロパティはjps-config.xmlには指定されていません。

policystore.role.memberattr

ロールのメンバーの識別名(DN)を指定する静的LDAPロール・オブジェクトの属性を指定します。

例: uniquemember

policystore.role.nameattr

ロール名を一意に識別するLDAP属性の名前を指定します。

例: cn

policystore.role.objectclass

ロールを表すLDAPスキーマ・オブジェクト・クラスを指定します。複数のクラスを指定する場合は、各クラスを空白で区切ります。

Sun Java System Directory ServerのデフォルトはgroupOfUniqueNamesです。Active Directoryのデフォルトはgroupです。

例: orclrole

policystore.role.searchbase

ロールが含まれているLDAPディレクトリに、空白で区切られた識別名(DN)のリストを指定します。

例: cn=groups,dc=us,dc=abc,dc=com

policystore.role.searchscope

LDAPディレクトリ・ツリーでロールを検索するときの深さを指定します。

デフォルト値: subtreeまたはonelevel


次の例は、Oracle Internet Directoryを使用したポリシー・ストアのサービス・プロバイダの構成およびjpscontextでの使用を示しています。

<jpsConfig ... >
   ...
   <serviceProviders>
      <serviceProvider type="POLICY_STORE" name="policystore.ldap.provider"
                    class= "oracle.security.jps.internal.policystore.ldap.LdapPolicyStoreProvider">
         <description>LDAP-based PolicyStore</description>
         <property name="policystore.type" value="OID"/>
         <property name="connection.pool.max.size" value="30"/>
         <property name="connection.pool.provider.type" value="IDM"/>
      </serviceProvider>
   </serviceProviders>
   ...
   <serviceInstances>
      <serviceInstance name="policystore.oid" provider="policystore.ldap.provider">
         <property name="max.search.filter.length" value="4096"/>
         <property name="bootstrap.security.principal.key" value="bootstrap"/>
         <property name="ldap.url" value="ldap://xyz.us.oracle.com:389"/>
         <property name="policystore.jpsbase" value="cn=jps,cn=oraclecontext"/>
         <property name="policystore.role.objectclass" value="orclrole"/>
         <property name="policystore.role.searchbase" value="cn=roles"/>
         <property name="policystore.role.searchscope" value="subtree"/>
         <property name="policystore.role.nameattr" value="cn"/>
         <property name="policystore.role.memberattr" value="uniquemember"/>
         <property name="policystore.role.roleheirarchyattr" value="assignedRoles"/>
      </serviceInstance>
   </serviceInstances>
   ...  
   <jpsContexts default="default">
      <jpsContext name="default">
         <serviceInstanceRef ref="policystore.oid"/>
      </jpsContext>
   </jpsContexts>
</jpsConfig>

F.2.7 キーストアのプロパティ

表F-9は、キーストア・サービスを構成するプロパティを示しています。暗号化または署名を使用する場合は、秘密鍵を取得するためのパスワードおよびキーストア資格証明にアクセスするためのマップを指定します。

表F-9 キーストアのプロパティ

名前 説明

keystore.path

キーストアへのパス。

keystore.type

キーストアのタイプ。

keystore.csf.map

資格証明ストア内のキーストア資格証明のマップ。

keystore.pass.csf.key

資格証明ストア内のプライベート・パスワードへのキー。

keystore.sig.csf.key

署名を使用する際の資格証明ストア内の秘密鍵。

keystore.enc.csf.key

暗号化を使用する際の資格証明ストア内の秘密鍵。


次の例は、前述のプロパティの構成を示しています。

<serviceInstance provider="keystore.provider" name="keystore">
   <description>Default JKS Keystore Service</description>
   <property value="${oracle.instance}/config/default-keystore.jks" name="keystore.path"/>
   <property value="JKS" name="keystore.type"/>
   <property value="oracle.wsm.security" name="keystore.csf.map"/>
   <property value="keystore-csf-key" name="keystore.pass.csf.key"/>
   <property value="sign-csf-key" name="keystore.sig.csf.key"/>
   <property value="enc-csf-key" name="keystore.enc.csf.key"/>
</serviceInstance>