Oracle Application Server Adapter for IMS/DB ( for IMS/DB)はInformation Management System - Data Base(IMS/DB)システム上で接続性を提供し、相互作用を実行します。この章では、OracleAS Adapter for IMS/DBの機能とアーキテクチャの概要について説明します。
この章の構成は、次のとおりです。
IMS/DB(Information Management System - Data Base)は、高性能な階層データベースです。IMS/DBへのデータ・アクセスAPIはDL/Iと呼ばれ、これは、IMS/DBデータベースを横断して操作できる機能です。DL/Iを使用するには、コール元がIMS/DBの制御下で実行している必要があります。また、このAPIを使用して、CICSおよびIMS/TMトランザクションからIMS/DBにアクセスすることも可能です。
OracleAS Adapter for IMS/DBには、次の機能が含まれています。
IMS/DBのメタデータ・スキーマを取得および保持する機能。PSBファイル、DBDファイル、COBOLコピーブックなど、各種IMS定義ファイルをインポートします。これらのファイルは、z/OSコンピュータ上のOracle Connect for IMS/DBのマッピング定義に変換されます。
エンタープライズ・アプリケーション統合(EAI)モデルを使用する機能。アプリケーションをリクエストするユーザーが、各相互作用の内容と発生時期、および各相互作用に想定される入出力を指定することで、実装する相互作用をモデル化できます。さらに、OracleAS Adapter for IMS/DBでデータ構造をマップすることによって、Oracle Application Server内からIMS/DBデータへのアクセスが容易になります。
入力レコードを形成するパラメータ、およびXML文書に集計されて出力レコードを形成する出力(出力がある場合)を備えたパラメータ化されたSQLとして相互作用を実装する機能。
CICS管理、IMS/TM管理または直接アクセスのIMS/DBデータにアクセスするためのオプション機能。
CICS管理下のグローバル・トランザクションをサポートし、分散トランザクションに完全に関与できます。
OracleAS Adapter for IMS/DBには、次のコンポーネントが含まれています。
J2CA 1.5 IMS/DBアダプタ: J2CA IMS/DBアダプタは、J2EEコンポーネントとの接続性を提供するJ2EE Connector Architectureに準拠している標準のリソース・アダプタです。
Oracle Connect: Oracle Connectは、レガシー・システム上で動作し、Oracle Application Server Containers for J2EE内で動作するJ2CA 1.5 IMS/DBアダプタからのリクエストを処理します。
Oracle Studio: Oracle StudioはOracle Connectの構成ツールです。Oracle Studioを使用する構成タスクは、WindowsまたはLinuxのコンピュータで実行されます。Oracle Studioは、OracleAS Adapter for IMS/DBのモデル化に必要な特定の情報を生成できるパースペクティブを使用します。
次の図は、OracleAS Adapter for IMS/DBのコンポーネントを示しています。
OracleAS Adapter
関連項目: 『Oracle Application Server Adapter概要』 |
J2CA 1.5 IMS/DBアダプタは、Oracle Application Serverから受け取ったJ2CA相互作用の起動をXMLフォーマットに変換し、XMLフォーマットをレガシー・サーバー上のOracle Connectに渡します。デーモンは、J2CA 1.5 IMS/DBアダプタ・クライアントから着信するリクエストをリスニングし、リクエストを処理するためにサーバー・プロセスに割り当てます。接続プーリングの要件など、サーバー・プロセスのプロパティは、デーモン内のワークスペース定義によって設定されます。
サーバー・プロセスにはアプリケーション・エンジンのインスタンスが含まれています。このインスタンスがXMLフォーマットを標準SQLに変換し、その標準SQLはデータ・エンジンに渡されます。データ・エンジンは、SQLを処理し、IMS/DBからデータを取得するための効率的な方針を作成して、そのSQLと実行方針をデータベース・バックエンド・アダプタに渡します。データベース・バックエンド・アダプタは、SQLをバックエンド・ドライバに渡します。SQLは、バックエンド・ドライバでIMS/DBで認識される言語に変換され、IMS/DBに渡されて実行されます。SQL文の結果は、バックエンド・アダプタを介してアプリケーション・エンジンに戻されます。結果は、XMLに変換され、クライアントに渡されます。