この章では、OracleAS Adapter for VSAMの作成例について説明します。OracleAS Adapter for VSAMを使用するためには、BPELプロセスまたはメディエータ・プロセスを構成することも必要です。BPELまたはメディエータの使用方法の詳細は、「JDeveloperでのプロジェクト作成の例」を参照してください。
OracleAS Adapter for VSAMを使用してアウトバウンド相互作用を作成するには、VSAMデータソースを作成し、VSAMからメタデータをインポートして、データベース・アダプタを作成してから、データのアクセスに使用する相互作用を作成する必要があります。
VSAMデータソースを作成する手順は、次のとおりです。
メインフレーム・コンピュータのVSAM配下でHospitalデータベースが使用できることを確認します。
まずVSAMデータが格納されているメインフレーム・コンピュータへのアクセスを構成します。このアクセスはOracle Connectで構成します。Oracle Connectを開いて、「Oracle StudioでのIBM z/OSプラットフォームの設定」の指示に従います。「Add machine」ダイアログ・ボックスに、次の情報を入力します。
Host name/IP address: Hospitalデータベースがあるメインフレーム・コンピュータの名前かIPアドレスを入力します。これはOracle Connectと同じディレクトリにインストールする必要があります。
Port: デーモンが実行しているポート番号を入力します。デフォルトのポートは2551です。
Display name: このフィールドには何も入力する必要はありません(デフォルトでは、ホスト名とポート番号が表示名になります)。
User name: アクセスするコンピュータで管理者パスワードが必要な場合に使用します。その場合は、コンピュータの管理者の名前を入力します。
Password: 必要であれば、コンピュータの管理者のパスワードを入力します。
Connect via NAT with fixed IP address: 指定されたポートにかかわりなく、各外部IPが1つの内部IPに固定構成でマッピングされるNAT(Network Address Translation)ファイアウォール・プロトコルがマシンで使用されている場合は、これを選択します。
正しい情報が設定された「Add Machine」ダイアログ・ボックスを次の図に示します。
Oracle Studioにコンピュータ構成を追加した後、「Configuration」ビューにVSAMデータソースを追加します。VSAMデータソースを追加する手順は、次のとおりです。
追加したコンピュータを開いて、「NAV」バインディングを開きます。
「Data sources」フォルダを右クリックして、「New data source」を選択します。
「New data source」ダイアログ・ボックスで、「Name」フィールドに「Hospital」と入力します。
「Type」フィールドで「VSAM」を選択し、「Next」をクリックします。
「Data source connect string」ページに次の情報を入力します。
Data HLQ: データ・ファイルの書込み先をOracle Connect for VSAMがインストールされているDEF高位修飾子にする場合は、このフィールドを空白のままにします。
Disk Volume name: データが格納されている高位修飾子(HLQ)。
「Finish」をクリックします。
VSAMデータソースの追加方法の詳細は、「VSAMデータソースの設定」を参照してください。
正しい情報が設定された「Add data source」ダイアログ・ボックスを次の図に示します。
ここでは、VSAMデータからデータソースにメタデータをインポートします。データのインポート方法の詳細は、「VSAMデータソースのメタデータのインポート」を参照してください。
この例では、HospitalデータベースのDoctor
列とPatient
列からメタデータをインポートします。このデータベースはOracle Connectの例として用意されていますので、Oracle Connectをメインフレーム・コンピュータにインストールするときにインストールしてください。
メタデータのインポートには、次の情報が必要になります。
「Get Input Files」ステップで、hospital.cob
というファイルを追加します。
「Apply Filters」ステップで、単に「Next」をクリックします。
「Select Tables」ステップでDOCTORとPATIENTを選択し、「Next」をクリックします。
「Import Manipulation」ステップで、「Next」をクリックします。
「Create VSAM Indexes」ステップで、「Next」をクリックします。
「Metadata Model Selection」ステップで、「Default value for all tables」を選択し、「Next」をクリックします。
「Import Metadata」ステップで、「Yes」を選択して、「Finish」をクリックします。
必要なデータを入手するために使用する相互作用はデータベース・アダプタを使用して作成します。これらの相互作用は、JDeveloperでエンドポイントを設定するときにサービスとして使用します。JDeveloperを使用したエンドポイントの作成方法の詳細は、「JDeveloperでのプロジェクト作成の例」を参照してください。
相互作用を作成するには、次の作業をします。
ここでは、探している情報を入手するための相互作用を作成できるようにするデータベース・アダプタを作成します。データベース・アダプタを作成するには、次の作業をします。
追加したコンピュータを開いて、「NAV」バインディングを開きます。
「Adapters」フォルダを右クリックして、「New adapter」を選択します。
アダプタの次の情報を入力して「Finish」をクリックします。
Name: findDoctor
Type: Database
「Create event queue for the adapter」を選択します。
データベース・アダプタの設定方法の詳細は、「Oracle Connectアダプタの設定」を参照してください。
正しい情報が設定された「Add Adapter」ダイアログ・ボックスを次の図に示します。
相互作用を作成し、Oracle Application Server配下でデータを処理できるようにします。ここで作成する相互作用は、JDeveloperでエンドポイントを作成するときに使用します。この例では、findDoctor
という相互作用を作成します。相互作用を作成するには、次の作業をします。
追加したコンピュータを開いて、「NAV」バインディングを開きます。
使用するアダプタを右クリックし、「Show in Metadata」を選択します。
「Interactions」を右クリックし、「New」を選択します。
ウィザード内で次の情報を入力して「Finish」をクリックします。
Name: findDoctor
Type: Database
「Create event queue for the adapter」を選択します。
Creation Mode: 「Manual」を選択し、「Database query」を選択します。
Interaction Name: findDoctor
.
「Create New Query」を選択します。
データベースから医師を検索するSelect文を作成します。
相互作用の作成方法の詳細は、「アウトバウンド相互作用の生成」を参照してください。
すべての入力内容を保存し、Oracle Studioを終了します。
JDeveloperとの接続を設定するには、WSDLとJCAファイルの両方を作成する必要があります。BPELプロセスまたはメディエータ接続を設定する前に、Oracle Studioを使用してファイルを作成します。
JCA構成ファイルの作成方法の詳細は、「JCA構成ファイルの作成」を参照してください。findDoctor
アダプタ用のファイルを作成するには、次の手順を実行します。
Oracle Studioの「Cofiguration」ペインから、「NAV」バインディングを開き、「Adaper」フォルダを開きます。
findDoctorアダプタを右クリックし、「Generate JCA Configuration Files」を選択します。
ダイアログ・ボックスで、BPELプロセスまたはメディエータ接続を作成する際に見つけることのできる場所にファイルを保存します。