| Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Application Adapter for PeopleSoftユーザーズ・ガイド 11g リリース1(11.1.1.3.0) B61416-01 |
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Oracle WebLogic Serverは、Oracle Application Adapter for PeopleSoftを介してPeopleSoftシステムに接続します。これにより、接続性が提供され、PeopleSoftシステム上で相互作用を実行できます。この章の内容は以下のとおりです。
Oracle Application Adapter for PeopleSoftは、 PeopleSoftシステムと他のアプリケーション、データベースおよび外部ビジネス・パートナのシステムとの間でリアルタイムのビジネス・データを交換するための手段を提供します。このアダプタは、PeopleSoftとのインバウンドおよびアウトバウンド処理を可能にします。Oracle Application Adapter for PeopleSoftは、J2EE Connector Architecture(J2CA)バージョン1.0リソース・アダプタとしてデプロイできます。このデプロイメントはOracle Adapter J2CAと呼ばれます。また、Webサーブレットとしてもデプロイでき、その場合はOracle Adapter Business Services Engine(BSE)とも呼ばれます。
Oracle Application Adapter for PeopleSoftは、XMLメッセージにより、サービスおよびイベントを使用して非PeopleSoftアプリケーションがPeopleSoftと通信し、トランザクションを交換できるようにします。次に、サービスおよびイベントの役割について説明します。
イベント機能をサポートするため、チャネルがサポートされます。チャネルとは、バックエンドまたは他のタイプのシステムの特定インスタンスへの構成済の接続のことです。
チャネルは、エンタープライズ情報システム(EIS)アプリケーションからリアルタイムでイベントを受信するアダプタ・コンポーネントです。チャネル・コンポーネントは、ファイル・リーダー、HTTPリスナー、TCP/IPリスナー、またはFTPリスナーのいずれかになります。チャネルは、常にEISに固有です。アダプタでは、特定のEISに対して複数のチャネルがサポートされるため、ユーザーは、デプロイメント要件に基づいて最適なチャネル・コンポーネントを選択できます。
Oracle Application Adapter for PeopleSoftには、次の機能が装備されています。
PeopleSoft コンポーネントとインタフェース、およびPeopleSoft アプリケーション・メッセージング/インテグレーション・ブローカー用の同期および非同期双方向メッセージ
PeopleSoft メタデータの検索およびXMLスキーマまたはWebサービスの構築用のGUIツールであるOracle WebLogic Server Adapterアプリケーション・エクスプローラ(アプリケーション・エクスプローラ)
J2CA 1.0とJ2CA 1.5リソース・アダプタ用XMLスキーマおよびWSDLファイル
BSE用Webサービス
アダプタは、サポートされているビジネス・オブジェクトに対応するコンポーネント・インタフェース用のAPIにアクセスすることによってPeopleSoftアプリケーション・サーバーに接続します。各コンポーネント・インタフェースには、ビジネス・コンポーネント用のデータおよびビジネス・ロジックが含まれるため、ビジネス・コンポーネント内で定義されているプロセスをアダプタ側で重複するという要件が軽減されます。
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関連項目: Oracle Application Server Adapterコンセプト・ガイド |
PeopleSoftは、コンポーネントのインタフェース・フレームワークおよびインテグレーション・ブローカー(リリース8.4)またはアプリケーション・メッセージング(リリース8.1)ファシリティを介して他のアプリケーションおよびシステムと統合できます。Oracle Application Adapter for PeopleSoftは、PeopleSoftフレームワークを使用し、様々なインテグレーション・アクセス方法を活用して、最大限の柔軟性と機能を提供します。Oracle Application Adapter for PeopleSoftでサポートされているインテグレーション・アクセス方法の例には次のものがあります。
PeopleSoftアプリケーション・メッセージング/インテグレーション・ブローカーを使用するPeopleSoftメッセージ
この節では、次のトピックについて説明します。
PeopleSoft環境では、コンポーネント・インタフェースはPeopleSoftロジカル・システム間でのPeopleSoftアプリケーション・データの配分、および非PeopleSoftシステムとのPeopleSoftアプリケーション・データの交換用のコンテナです。
コンポーネント・インタフェースは、PeopleSoft内の既存のビジネス・プロセスに基づきます。発注エントリはその1例で、PeopleSoftによる配信プロセスの場合と、ユーザーによる配信プロセスの場合があります。コンポーネント・インタフェースはそのメソッド(Add、Updateなど)および基になるビジネス・プロセスも継承します。
PeopleSoftは、各アプリケーションに汎用コンポーネント・インタフェースを提供します。これらは、Enterprise Integration Points(EIP)と呼ばれます。また、必要に応じて独自のカスタム・コンポーネント・インタフェースを開発したり、EIPを変更したりできます。Oracle Application Adapter for PeopleSoftでは、両方のタイプのコンポーネント・インタフェースがサポートされています。
PeopleSoftアプリケーション・メッセージング/インテグレーション・ブローカーは、PeopleSoftによるPeopleSoft XMLの統合を容易にします。Oracle Application Adapter for PeopleSoftにはハンドラが装備されていますが、これはTCP/IPトランスポート・サービスを使用するPeopleSoftアプリケーション・ゲートウェイ内で構成される必要があります。
Oracle Application Adapter for PeopleSoftを使用して次の操作が可能になります。
他のアプリケーションからPeopleSoftコンポーネントにアクセスするには、次のアイテムを使用します。
コンポーネント・インタフェース。コンポーネント・インタフェースが存在しない場合は、新規に作成、セキュリティ保護およびテストを行います。既存のコンポーネント・インタフェースを変更した場合は、セキュリティ保護およびテストを行います。詳細は、PeopleSoftドキュメントを参照してください。または、スキーマやWebサービスの生成後に、コンポーネント・インタフェースのセキュリティ保護とテスト、およびコンポーネント・インタフェースのAPIを作成することもできます。
詳細は、第2章「Oracle Application Adapter for PeopleSoftの構成」を参照してください。
PeopleSoftからのメッセージを受信するには、次のアイテムを使用します。
統合環境。PeopleSoft インテグレーション・ブローカー(リリース8.4)またはアプリケーション・メッセージング環境(8.1)を構成し、テストします。環境が適切に構成されていることを確認するには、PeopleSoftドキュメントを参照してください。
メッセージ・ルーティング。TCP/IP Target Connector(リリース8.4)、HTTP Target Connector(リリース8.4)またはTCP/IP Handler(リリース8.1)を構成します。
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関連項目:
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Oracle Application Adapter for PeopleSoftは、アプリケーション・エクスプローラを次のいずれか1つのコンポーネントとともに使用します。
アプリケーション・エクスプローラ(PeopleSoft接続の構成、およびWebサービスとイベントの作成に使用)は、BSEが使用されているWebサービス環境用に構成できます。J2CA環境の場合は、Common Client Interface(CCI)を使用して、Webサービスのかわりにアダプタを使用する統合サービスを提供します。
この節では、次のトピックについて説明します。
図1-1に、パッケージされているアプリケーションのOracle Webサービス・アダプタ用の汎用アーキテクチャを示します。このアダプタは、J2EEアプリケーション・サーバーでWebコンテナにデプロイすることにより、BSEと連携します。
BSEとともにデプロイされるデザインタイム・ツールのアプリケーション・エクスプローラを使用して、アダプタ接続の構成、EISオブジェクトの参照、サービスの構成およびEISイベントをリスニングするリスナーの構成ができます。これらの操作の実行中に作成されるメタデータは、BSEによりリポジトリ内に格納されます。
BSEは、クライアントからリクエストの受信、EISとの対話、EISからのレスポンスのクライアントへの返信にSOAPをプロトコルとして使用します。
図1-1 Oracle WebLogic Server Adapter Business Services Engine(BSE)汎用アーキテクチャ

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注意: BSE用のファイル・リポジトリは本番環境では使用しないでください。 |
図1-2に、パッケージされているアプリケーションのOracle Adapter J2CA用の汎用アーキテクチャを示します。このアダプタは、J2EEアプリケーション・サーバーでWebコンテナにデプロイすることによってBSEと連携します。Oracle Adapter J2CAは、標準のJ2CA Containerにデプロイされ、アダプタのコンテナとして機能します。コネクタはリポジトリで構成されます。リポジトリにはファイル・システムまたはOracleデータベースを使用できます。リポジトリはRARファイルとしてデプロイされ、ra.xmlと呼ばれる関連デプロイメント記述子を持ちます。Oracle WebLogic Serverデプロイメント記述子のra.xmlを編集することにより複数のファクトリを作成できます。詳細は、第3章「Oracle WebLogic Serverのデプロイメントおよび統合」を参照してください。コネクタと連携する設計ツールのアプリケーション・エクスプローラを使用して、アダプタ接続の構成、EISオブジェクトの参照、サービスの構成、EISイベントをリスニングするリスナーの構成ができます。これらの操作の実行中に作成されるメタデータは、コネクタによってリポジトリ内に格納されます。
図1-2 Oracle WebLogic Server Adapter J2CA汎用アーキテクチャ

Oracle Application Adapter for PeopleSoftをOracle SOA Suiteコンポーネント(BPEL、メディエータ、BPMまたはOSB)とともに使用する場合、次の点に注意してください。
Oracle Adapter J2CAデプロイメントのみ、Oracle SOA Suiteコンポーネントとのインバウンド統合(イベント通知)がサポートされます。
Oracle Adapter J2CA and BSEデプロイメントでは、Oracle SOA Suiteとのアウトバウンド統合(リクエスト/レスポンス型サービス)がサポートされます。
BSEとOracle Adapter J2CAのデプロイメント間の差異には、次の2つの要素があります。これらの要素を理解することは、デプロイメント・オプションの選択に役立ちます。
BSEには次の利点があります。
Oracle WebLogic Serverの個別のインスタンスでデプロイできます。
優れた負荷分散を提供します。
アプリケーションの構築について、Service Oriented Architecture(SOA)モデルにより厳密に準拠します。
Oracle Adapter J2CAの方がBSEよりもわずかに高いパフォーマンスが得られます。