この節では、次の項目について説明します。
この項では、次を含めて、アダプタおよびイベントBeanの実装の概要について説明します。
アダプタの主な役割の1つには、マーケット・データ・フィードなどのチャネルからのデータをOracle CEPイベントに変換する作業があります。これらのイベントはその後、プロセッサなどのアプリケーションの他のコンポーネントに渡されます。通常、アダプタはOracle CEPアプリケーションへのエントリ・ポイントです。アダプタは中間コンポーネントからのイベントを受信し、外部アプリケーションで読取り可能な形式にデータを変換し、それらのデータを送信するためアプリケーションの出口ポイントになる場合もあります。
『Oracle CEPスタート・ガイド』のFXサンプルの説明には、通貨データ・フィードからデータを読み込み、ネットワークの次のコンポーネントであるプロセッサに特定のイベント・タイプの形式でデータを渡す3つのアダプタが示されています。
着信データの形式およびアダプタ・コードで変換に使用される技術に応じて、さまざまなタイプのアダプタを作成できます。最も一般的なタイプのアダプタは、以下のとおりです。
Reuters、Wombat、またはBloombergなどのデータ・ベンダーAPIを使用します。
標準のJMS APIを使用して着信JMSメッセージを変換します。
TIBCO Rendezvousなどの他のメッセージング・システムを使用します。
顧客独自のデータ・プロトコルへのソケット接続を使用します。
アダプタは、特定のOracle CEPインタフェースを実装するJavaクラスです。アプリケーション全体を記述するEPNアセンブリ・ファイルでアダプタ・クラスを登録します。
オプションで、アダプタのデフォルトの構成を変更することができます。また、新しい構成要素および属性を追加して構成を拡張することもできます。2つの方法で構成データをアダプタに渡すことができます。デプロイメント後に構成を動的に変更する必要があるかどうかによって方法を選択できます。
アダプタのデプロイ後に構成データを変更しない場合、アダプタをEPNアセンブリ・ファイルで構成できます。
ただし、構成要素を動的に変更する場合は、構成をアダプタ固有の構成ファイルに配置する必要があります。
詳細は、13.1項「カスタム・アダプタ、イベントBean、およびSpring Beanの概要」を参照してください。
イベントBeanは、Oracle CEP管理フレームワークによる管理が可能な点を除いて、標準のSpring Beanとほぼ同じです。標準のSpring BeanはSpringフレームワークで管理されます。標準の<bean>
タグのかわりにOracle CEP <wlevs:event-bean>
ステージを使用して、イベントBeanをEPNアセンブリ・ファイルに登録します。
イベントBeanはステージの一種であり、Oracle CEP監視フレームワークによって監視でき、構成メタデータの注釈を利用します。また、Beanを通過するイベントを記録および再生するよう設定できます。イベントBeanは、Event Server APIインタフェースを実装するのではなく、XML宣言にメソッドを指定することによって、Event Server Beanライフサイクルに参加することもできます。
イベントBeanまたはSpring Beanを使用できます。
Oracle CEPサーバー・コンテナの能力を積極的に使用するためにイベントBeanを使用します。
Springへのレガシー統合にSpring Beanを使用します。
詳細は、次を参照してください:
Spring BeanはSpringフレームワークによって管理されます。標準の<bean>
タグを使用してSpring BeanをEPNアセンブリ・ファイルに登録します。
Spring Beanは、Oracle CEP監視フレームワークによって監視できません。また、構成メタデータの注釈も使用できず通過するイベントを記録および再生するように設定できません。
Spring BeanまたはイベントBeanを使用します。
Springへのレガシー統合にSpring Beanを使用します。
Oracle CEPサーバー・コンテナの能力を積極的に使用するためにイベントBeanを使用します。
詳細は、次を参照してください:
標準のSpring BeanおよびイベントBeanは、イベント・ソース、イベント・シンク、またはその両方に使用できます。イベント・ソースはイベントを生成し、イベント・シンクはイベントを受信します。
この項では次について説明します:
詳細は、次を参照してください:
com.bea.wlevs.ede.api.StreamSource
またはRelationSource
APIを実装して、EPN内のイベントBeanコンポーネントがイベント・ソースであることを指定します。
イベント・ソースであるイベントBeanの実装クラスは、アプリケーションのプライベートとして指定するか、または他のアプリケーションによる再利用が可能な公開されたOSGIサービスとして指定できます。
EPNコンポーネントとしてのBeanをフレームワークで完全に管理できるようにするには、標準のSpring Beanではなく、event-beanとして指定する必要があります。管理タスクにはモニターおよび記録再生が含まれます。
<wlevs:event-bean>
タグを使用して、イベントBeanをEPNアセンブリ・ファイルに登録します。例:
<wlevs:event-bean id="recplayEventSink" class="com.bea.wlevs.example.recplayRecplayEventSink"> <wlevs:listener ref="playbackHttpPublisher"/> </wlevs:event-bean>
com.bea.wlevs.ede.api.StreamSource
またはRelationSource
APIを実装して、EPN内の標準のSpring Beanコンポーネントがイベント・ソースであることを指定します。
Beanは、オプションで、InitializingBean
、DisposableBean
のような様々なライフサイクル・インタフェース、およびRunnableBean
のようなアクティブなインタフェースを実装することがあります。Spring BeanがRunnable
を実装し、RunnableBean
は実装しない場合、Oracle CEPはそれをスレッドで実行しません。これは、イベントBeanと異なった動作になります。
Spring Beanイベント・ソースでは、@Prepare
、@Rollback
、@Activate
などの構成メタデータの注釈を利用できます。
bean
要素を使用して、通常の方法でSpring BeanをEPNアセンブリ・ファイルに登録します。その後、このBeanをEPNの他のステージに対するイベント・ソースとして指定できます。
イベントBeanシンクはcom.bea.wlevs.ede.api.StreamSink
またはRelationSink
APIを実装する必要がある以外はイベント・シンクとしてのイベントBeanの機能はイベント・ソースによく類似しています。
イベント・シンクはアクティブではないため、Runnable
インタフェースを実装している場合、Oracle CEPではこれらを個別のスレッドで実行しません。
wlevs:listener
要素を使用してEPNアセンブリ・ファイルでイベント・シンクを参照します。
<wlevs:channel id="myStream" >
<wlevs:listener ref="myEventSink" />
</wlevs:channel>
com.bea.wlevs.ede.api.StreamSink
またはRelationSinkn
APIを実装して、EPN内の標準のSpring Beanコンポーネントがイベント・シンクであることを指定します。
Beanは、オプションで、InitializingBean
、DisposableBean
のような様々なライフサイクル・インタフェース、およびRunnableBean
のようなアクティブなインタフェースを実装することがあります。Spring BeanがRunnable
を実装し、RunnableBean
は実装しない場合、Oracle CEPはそれをスレッドで実行しません。これは、イベントBeanと異なった動作になります。
Spring Beanイベント・ソースでは、@Prepare
、@Rollback
、@Activate
などの構成メタデータの注釈を利用できます。
bean
要素を使用して、通常の方法でSpring BeanをEPNアセンブリ・ファイルに登録します。その後、このBeanをEPNの他のステージに対するイベント・シンクとして指定できます。
wlevs:listener
要素を使用してEPNアセンブリ・ファイルでイベント・シンクを参照します。
<wlevs:channel id="myStream" >
<wlevs:listener ref="myEventSink" />
</wlevs:channel>
アダプタまたはイベントBeanが単一のOracle CEPアプリケーションによってのみ使用される場合は、ファクトリを作成する必要はありません。ただし、同一のアダプタまたはイベントBeanが複数のアプリケーションで使用される場合は、ファクトリもプログラミングする必要があります。この場合、それぞれのアプリケーションで固有のアダプタ・インスタンスが取得されます。
アダプタまたはイベントBeanのファクトリはcom.bea.wlevs.ede.api.Factory
インタフェースを実装する必要があります。このインタフェースには、アダプタまたはイベントBeanのインスタンスを作成するために実装する単一のメソッドcreate
が含まれています。
wlevs:factory
要素を使用してEPNアセンブリ・ファイルにファクトリを登録します。
<wlevs:factory provider-name="myprovider" class="my.Implementation"/>
サービスのプロパティを指定する必要がある場合は、<osgi:service>
タグを使用してファクトリを登録する必要があります。
詳細は、13.5項「アダプタまたはイベントBeanファクトリの実装」を参照してください。
次の手順は、アダプタを作成するための一般的なステップを示します。
アダプタまたはイベントBeanを実装するには:
アダプタまたはイベントBeanのJavaクラスをプログラミングします。
アダプタまたはイベントBeanがイベント・ソースの場合、13.3項「アダプタまたはイベントBeanをイベント・ソースとして実装」を参照してください。
アダプタまたはイベントBeanがイベント・シンクの場合、13.4項「アダプタまたはイベントBeanをイベント・シンクとして実装」を参照してください。
必要に応じて、ファクトリ・クラスをプログラミングします。この手順は、アダプタまたはイベントBeanが複数のアプリケーションで使用される場合にのみ必要です。
13.5項「アダプタまたはイベントBeanのファクトリの実装」を参照してください。
アダプタ、イベントBean、およびアダプタ・ファクトリの登録情報を使用して、EPNアセンブリ・ファイルを更新します。
13.7項「EPNアセンブリ・ファイルの更新」を参照してください。
必要に応じて、アダプタのデフォルトの構成を変更します。
13.8項「アダプタまたはイベントBeanの構成」を参照してください。
アダプタの基本構成が不十分な場合は、必要に応じて構成を拡張します。
13.9項「アダプタまたはイベントBeanの構成の拡張」を参照してください。
上記の手順では、プロセッサ、ストリーム、ビジネス・ロジックPOJOなどのイベント・ネットワークの他のコンポーネントが含まれている同一のアプリケーションJARファイルにアダプタまたはイベントBeanがバンドルされると想定しています。複数のアプリケーションで共有できるようにアダプタまたはイベントBeanを固有のJARファイルにバンドルする必要がある場合は、13.11項「アダプタまたはイベントBeanの固有のバンドルでのアセンブリ」を参照してください。
この節では、着信データを受信し、EPNの次のコンポーネントに送信されるイベントを生成するイベント・ソースとして動作する着信アダプタを作成する方法について説明します。イベントBeanは同様に機能するため、このガイドラインはイベント・ソースとして動作するイベントBeanのプログラミングにも適用されます。
着信アダプタ・クラスは、通常マーケット・データ・フィードなどからの着信データのストリームを読み込み、アプリケーションの残りの部分によって認識されるOracle CEPイベント・タイプに変換し、ネットワークの次のコンポーネントにイベントを送信します。
次の例は、HelloWorldサンプルのアダプタ・クラスを示します。Javaコードの太字部分に対応するコーディングのガイドラインについては、例の後で説明しています。
package com.bea.wlevs.adapter.example.helloworld; import java.text.DateFormat; import java.util.Date; import com.bea.wlevs.ede.api.RunnableBean; import com.bea.wlevs.ede.api.StreamSender; import com.bea.wlevs.ede.api.StreamSource; import com.bea.wlevs.event.example.helloworld.HelloWorldEvent; public class HelloWorldAdapter implements RunnableBean, StreamSource { private static final int SLEEP_MILLIS = 300; private DateFormat dateFormat; private String message; private boolean suspended; private StreamSender eventSender; public HelloWorldAdapter() { super(); dateFormat = DateFormat.getTimeInstance(); } public void run() { suspended = false; while (!isSuspended()) { // Generate messages forever... generateHelloMessage(); try { synchronized (this) { wait(SLEEP_MILLIS); } } catch (InterruptedException e) { e.printStackTrace(); } } } public void setMessage(String message) { this.message = message; } private void generateHelloMessage() { String message = this.message + dateFormat.format(new Date()); HelloWorldEvent event = new HelloWorldEvent(); event.setMessage(message); eventSender.sendInsertEvent(event); } public void setEventSender(StreamSender sender) { eventSender = sender; } public synchronized void suspend() { suspended = true; } private synchronized boolean isSuspended() { return suspended; } }
アダプタJavaクラスのプログラミングでは、次のガイドラインに従います。上記の例でガイドラインのコード例は太字で示されています。
Oracle CEP APIのインタフェースおよびクラスをインポートします。
import com.bea.wlevs.ede.api.StreamSender; import com.bea.wlevs.ede.api.StreamSource; import com.bea.wlevs.ede.api.RunnableBean;
アダプタはイベント・ソースであるため、StreamSource
インタフェースを実装する必要があります。アダプタをスレッドで実行する必要がある場合は、RunnableBean
も実装します。StreamSender
インタフェースは、イベント・タイプをアプリケーション・ネットワークの次のコンポーネントに送信します。これらのAPIの完全な詳細は、Oracle CEP Java APIリファレンスを参照してください。
アプリケーションで使用されるイベント・タイプを表現するアプリケーション固有のクラスをインポートします。
import com.bea.wlevs.event.example.helloworld.HelloWorldEvent
com.bea.wlevs.event.example.helloworld.HelloWorldEvent
クラスはアプリケーションで使用されるイベント・タイプを表現するJavaBeanです。
アダプタ・クラスはイベント・ソースであり、固有のスレッドで実行されるため、StreamSource
およびRunnableBean
インタフェースを実装する必要があります。
public class HelloWorldAdapter implements RunnableBean, StreamSource {
StreamSource
インタフェースではイベントの送信に使用されるStreamSender
が提供されます。
RunnableBean
インタフェースが実装されるため、アダプタではrun
メソッドを実装する必要があります。
public void run() {...
ここに、マーケット・フィードなどからの着信データを読み込み、Oracle CEPイベント・タイプに変換し、ネットワークの次のコンポーネントにイベントを送信するコードを配置する必要があります。着信データの読込み方法の詳細については、データ・フィード・プロバイダのドキュメントを参照してください。サード・パーティJARファイルにパッケージ化されているベンダーAPIに確実にアクセスできるための情報は、20.2.2.2項「サード・パーティJARファイルへのアクセス」を参照してください。
HelloWorldのサンプルでは、generateHelloMessage
privateメソッドを使用してアダプタ自身が着信データを生成します。これは単に説明目的のためであり、実世界のシナリオではありません。generateHelloMessage
メソッドには他の一般的なイベント・タイプのプログラミング・タスクも含まれています。
HelloWorldEvent event = new HelloWorldEvent(); event.setMessage(message); eventSender.sendInsertEvent(event);
HelloWorldEvent
は、HelloWorldのサンプルで使用されるイベント・タイプです。イベント・タイプはJavaBeanで実装され、<wlevs:event-type-repository>
タグを使用してEPNアセンブリ・ファイルに登録されます。詳細は、1.4項「Oracle CEPイベント・タイプの作成」を参照してください。setMessage
メソッドではイベントのプロパティが設定されます。通常のアダプタの実装では、このような方法で着信データの特定のプロパティがイベント・タイプのプロパティに変換されます。最後に、StreamSender.sendEvent
メソッドにより、この新しいイベントがネットワークの次のコンポーネントに送信されます。
HelloWorldEvent
をEPNアセンブリ・ファイルでタプルとして定義した場合:
<wlevs:event-type-repository> <wlevs:event-type type-name="HelloWorldEvent"> <wlevs:properties> <wlevs:property name="message" type="char" length="200"/> </wlevs:properties> </wlevs:event-type> </wlevs:event-type-repository>
generateHelloMessage
メソッドは次のようになります:
@Service public void setEventTypeRepository(EventTypeRepository etr) { etr_ = etr; } private void generateHelloMessage() { String message = this.message + dateFormat.format(new Date()); EventType type = etr_.getEventType("HelloWorldEvent"); EventProperty messageProp = type.getProperty("message"); Object event = type.createEvent(); messageProp.setValue(event, message); eventSender.sendInsertEvent(event); }
アダプタではStreamSource
が実装されるため、イベントの送信に使用されるStreamSender
を渡すsetEventSender
メソッドを実装する必要があります。
public void setEventSender(StreamSender sender) { ...
通常のケースと同様、アダプタでSuspendableBean
が実装される場合は、たとえばアプリケーションがアンデプロイされた場合などにアダプタを停止するsuspend
メソッドを実装する必要があります。
public synchronized void suspend() throws Exception { ...
次のコード例は、HelloWorldアプリケーションでイベント・シンクとして動作するSpring Beanです。太字部分のコードについては、例の後で説明しています。
package com.bea.wlevs.example.helloworld; import com.bea.wlevs.ede.api.StreamSink; import com.bea.wlevs.event.example.helloworld.HelloWorldEvent; public class HelloWorldBean implements StreamSink { public void onInsertEvent(Object event) { if (event instanceof HelloWorldEvent) { HelloWorldEvent helloWorldEvent = (HelloWorldEvent) event; System.out.println("Message: " + helloWorldEvent.getMessage()); } } }
上記の例に示したプログラミングのガイドラインは、次のとおりです。
Beanではアプリケーションのイベント・タイプをインポートする必要があります。HelloWorldの場合はHelloWorldEvent
です。
import com.bea.wlevs.event.example.helloworld.HelloWorldEvent;
Beanはcom.bea.wlevs.ede.api.StreamSink
インタフェースを実装する必要があります。
public class HelloWorldBean implements StreamSink {...
StreamSink
インタフェースは、実装する必要のあるonInsertEvent (java.lang.Object)
という単一のメソッドがあります。このメソッドは、イベントを受信するためのコールバック・メソッドです。メソッドパラメータはオブジェクト
であり、イベントを送信したコンポーネントからBeanが受信した実際のイベントを表現します。
public void onInsertEvent(Object event)
イベントのデータ型は、アプリケーションのEPNアセンブリ・ファイルに登録されたイベント・タイプによって決定されます。この例のイベント・タイプはHelloWorldEvent
です。コードでは、受信したイベントが実際にHelloWorldEvent
であることがまず確認されます。
if (event instanceof HelloWorldEvent) { HelloWorldEvent helloWorldEvent = (HelloWorldEvent) event;
このイベント・タイプは、EPNアセンブリ・ファイルで以下のように構成されたJavaBeanです。
<wlevs:event-type-repository> <wlevs:event-type type-name="HelloWorldEvent"> <wlevs:class> com.bea.wlevs.event.example.helloworld.HelloWorldEvent </wlevs:class> </wlevs:event-type> </wlevs:event-type-repository>
EPNアセンブリ・ファイルの作成手順に関する情報は、3.3項「EPNアセンブリ・ファイルの作成」を参照してください。参照情報は、付録C「スキーマ参照: EPNアセンブリspring-wlevs-v11_1_1_3.xsd」を参照してください。
イベントは該当するJavaBeanのインスタンスであるため、標準のgetXXX
メソッドを使用して個々のプロパティにアクセスします。この例では、HelloWorldEvent
にはmessage
のプロパティがあり、getMessage
を使用してこのプロパティにアクセスします。
System.out.println("Message: " + helloWorldEvent.getMessage());
この項に記載されているOracle CEP APIに関する完全なAPIリファレンス情報は、Oracle CEP Java APIリファレンスを参照してください。
アダプタ・ファクトリ・クラスはcom.bea.wlevs.ede.api.AdapterFactory
インタフェースを実装する必要があり、これには1つのメソッドcreate
が含まれていますが、ここに特定のアダプタ・クラスを作成するコードを作成します。イベントBeanはFactory
を実装します。
次の例は、HelloWorldのサンプルで使用可能なアダプタ・ファクトリ・クラスです。
package com.bea.adapter.wlevs.example.helloworld; import com.bea.wlevs.ede.api.Adapter; import com.bea.wlevs.ede.api.AdapterFactory; public class HelloWorldAdapterFactory implements Factory { public HelloWorldAdapterFactory() { } public synchronized Adapter create() throws IllegalArgumentException { return new HelloWorldAdapter(); } }
これらのAPIの詳細は、「Oracle CEP Java API参照」を参照してください。
アダプタ、イベントBeanおよび標準のSpring BeanでJDBC (Java Database Connectivity) API (http://java.sun.com/javase/technologies/database/
)を使用して、リレーショナル・データベースに含まれているデータにアクセスできます。Oracle CEPでは、JDBC 3.0がサポートされています。詳細は、http://java.sun.com/products/jdbc/download.html#corespec30
を参照してください。
リレーショナル・データベースにアクセスするには:
Oracle CEPでJDBCを構成します。
詳細は、『Oracle CEP管理者ガイド』のOracle CEP用JDBCの構成に関する項を参照してください。
BeanのJavaコードで、DataSource
を使用するか、またはDriverManager
をインスタンス化して、通常どおりJDBC APIの使用を開始できます。例:
OracleDataSource ods = new OracleDataSource(); ods.setURL("jdbc:oracle:thin:user/passwd@localhost:1521/XE"); Connection conn = ods.getConnection();
プログラムに関する追加情報は、http://java.sun.com/j2se/1.5.0/docs/guide/jdbc/getstart/GettingStartedTOC.fm.html
を参照してください。
次の項で説明しているように、アダプタ、イベントBean、およびアダプタ・ファクトリをEPNアセンブリ・ファイルに登録する必要があります。
アプリケーションの他のコンポーネントの登録を含む、構成ファイルの完全な説明は、3.3項「EPNアセンブリ・ファイルの作成」を参照してください。
wlevs:factory
要素を使用してEPNアセンブリ・ファイルにファクトリを登録します。
<wlevs:factory provider-name="myprovider" class="my.Implementation"/>
サービスのプロパティを指定する必要がある場合は、osgi:service>
要素を使用して、EPNアセンブリ・ファイルにOSGIサービスとしてファクトリを登録する必要があります。OSGIサービス・レジストリのスコープはOracle CEP全体です。このため、指定のサーバーにデプロイされた複数のアプリケーションが同じアダプタ・ファクトリを使用する場合は、アダプタ・ファクトリをOSGIサービスとして登録するのが必ず一度きりになるようにします。
エントリを追加して、サービスをcom.bea.wlevs.ede.api.AdapterFactory
インタフェースの実装として登録します。key
属性のtype
、およびこのアダプタ・プロバイダを参照する名前を使用して、プロパティを指定します。最後に、ネストされた標準のSpring bean
要素を追加して、Springアプリケーション・コンテキストで特定のアダプタ・クラスを登録します。
たとえば、EPNアセンブリ・ファイルの次の部分では、HelloWorldAdapterFactory
をタイプhellomsgs
のプロバイダとして登録します。
<osgi:service interface="com.bea.wlevs.ede.api.AdapterFactory"> <osgi:service-properties> <entry key="type" value="hellomsgs"</entry> </osgi:service-properties> <bean class="com.bea.adapter.wlevs.example.helloworld.HelloWorldAdapterFactory" /> </osgi:service>
EPNアセンブリ・ファイルでは、wlevs:adapter
要素を使用してアダプタをイベント・プロセッサ・ネットワークのコンポーネントとして宣言します。同様に、イベントBeanの場合はwlevs:event-bean
要素を使用します。例:
<wlevs:event-bean id="recplayEventSink" class="com.bea.wlevs.example.recplayRecplayEventSink"> <wlevs:listener ref="playbackHttpPublisher"/> </wlevs:event-bean>
オプションのファクトリをOSGIサービスとして登録した場合は、provider
属性を使用して、osgi:service
エントリでtype
として指定した名前を参照します。例:
<wlevs:adapter id="helloworldAdapter" provider="hellomsgs"/>
これにより、アダプタはタイプhellomsgs
で登録されたファクトリによってインスタンス化されます。
wlevs:adapter
のwlevs:instance-property
子要素を使用して、アダプタBeanの静的プロパティを設定することもできます。静的プロパティはアダプタのデプロイ後に動的に変更されないプロパティです。
たとえば、アダプタ・クラスにsetPort
メソッドが含まれている場合は、次のようにポート番号を渡すことができます。
<wlevs:adapter id="myAdapter" provider="myProvider"> <wlevs:instance-property name="port" value="9001" /> </wlevs:adapter>
この項は、アダプタとイベントBeanの両方に当てはまります。簡略化のためアダプタについてのみ説明します。イベントBeanの構成はevent-bean>
要素で囲みます。
アプリケーションの各アダプタはデフォルトの構成があります。
デフォルトのアダプタ構成は通常ほとんどのアプリケーションで十分に機能します。ただし、この構成を変更する場合は、Oracle CEPアプリケーション・バンドルの一部としてデプロイされるXMLファイルを作成する必要があります。後からwlevs.Admin
ユーティリティを使用するか、または適切なJMX Mbeanを直接操作して、実行時にこの構成を更新できます。
詳細は、次を参照してください:
『Oracle CEP管理者ガイド』のwlevs.Adminコマンドライン・リファレンス
『Oracle CEP管理者ガイド』のOracle CEP用JMXの構成に関する項
アプリケーションに複数のアダプタが含まれている場合は、各アダプタごとに個別のXMLファイルを作成するか、すべてのアダプタの構成が含まれた単一のXMLファイルを作成するか、またはアプリケーションのすべてのコンポーネント(アダプタ、プロセッサ、およびストリーム)が含まれたファイルを作成できます。開発環境に最も適した方法を選択します。
次の手順では、アダプタの構成ファイルを作成する主なステップについて示します。簡略化のため、この手順ではアプリケーションのすべてのコンポーネントを1つのXMLファイルに構成することを想定しています。
アダプタの構成ファイルが記述された完全なXSDスキーマは、B.2項「コンポーネント構成スキーマwlevs_application_config.xsd」を参照してください。
アダプタまたはイベントBeanの構成について
お気に入りのXMLエディタを使用してXMLファイルを作成します。
このXMLファイルの名前は自分で決定しますが、その拡張は.xml
で終了することが必要です。
構成ファイルのルート要素はconfig
であり、次のステップに示すネームスペース定義を使用します。
アプリケーションの各アダプタは、config
のadapter
子要素を追加します。
name
子要素で各アダプタを一意に識別します。この名前は、アプリケーションのイベント処理ネットワークを定義するEPNアセンブリ・ファイルのwlevs:adapter
要素のid
属性の値と一致している必要があります。このように指定することで、Oracle CEPでは、このアダプタ構成が適用されるEPNアセンブリ・ファイル内の特定のアダプタ・コンポーネントを認識します。詳細は、3.3項「EPNアセンブリ・ファイルの作成」を参照してください。
たとえば、アプリケーションに2つのアダプタがある場合、構成ファイルは最初に次のようになります。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <helloworld:config xmlns:helloworld="http://www.bea.com/xml/ns/wlevs/example/helloworld"> <processor> ... </processor> <adapter> <name>firstAdapter</name> ... </adapter> <adapter> <name>secondAdapter</name> ... </adapter> </helloworld:config>
この例では、構成ファイルにfirstAdapter
とsecondAdapter
の2つのアダプタが含まれています。このため、EPNアセンブリ・ファイルには同じ識別子を持つアダプタが少なくとも2つ登録されている必要があります。
<wlevs:adapter id="firstAdapter" ...> ... </wlevs:adapter> <wlevs:adapter id="secondAdapter" ...> ... </wlevs:adapter>
注意: XMLファイルの識別子と名前は大/小文字が区別されるため、EPNアセンブリ・ファイルでコンポーネントの識別子を参照するときは、必ず大/小文字を同一にします。 |
次のXMLファイルの例は、firstAdapter
およびsecondAdapter
の2つのアダプタを構成する方法を示します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <sample:config xmlns:sample="http://www.bea.com/xml/ns/wlevs/example/sample"> <adapter> <name>firstAdapter</name> </adapter> <adapter> <name>secondAdapter</name> </adapter> </sample:config>
この節は、アダプタとイベントBeanの両方に当てはまります。簡略化のため、アダプタについてのみ説明します。
13.8項「アダプタまたはイベントBeanの構成」およびB.2項「コンポーネント構成スキーマwlevs_application_config.xsd」で説明しているように、アダプタにはデフォルトの構成データがあります。このデフォルトの構成は、通常は、簡単で基本的なアプリケーションで使用できます。
ただし、XSDスキーマの使用によって、Oracle CEPで提供される組込みのXMLタイプを拡張するアダプタ構成ファイルの新しいXML形式を指定して、この構成を拡張することもできます。XSDスキーマを拡張することで、任意の数の新しい要素をアダプタ構成に追加できます。新しい要素にname
属性を指定する必要がある他は制限もほとんどありません。この機能は、XSDスキーマやJava Architecture for XML Binding (JAXB)などの標準の技術に基づいています。詳細は、https://jaxb.dev.java.net/
を参照してください。
アダプタまたはイベントBeanの構成を拡張するには:
拡張されたアダプタ構成を記述する新しいXSDスキーマ・ファイルを作成します。このXSDファイルには、コンポーネントを記述するのにOracle CEPで定義されている組込みのXSDタイプを通常使用する場合でも、アプリケーションの他のコンポーネント(プロセッサやストリーム)の説明も含まれている必要があります。
詳細は、13.9.1項「XSDスキーマ・ファイルの作成」を参照してください。
アプリケーション・ビルド・プロセスの一部として、SunのGlassFishリファレンス実装のcom.sun.tools.xjc.XJCTask
AntタスクなどのJAXBバインディング・コンパイラを使用して、XSDスキーマ・タイプのJava表現を生成します(https://jaxb.dev.java.net/jaxb20-ea/docs/xjcTask.html
を参照)。ユーザーの利便のためにこのAntタスクはOracle CEP配布に含まれています。
次のサンプルbuild.xml
ファイルは、この方法を示しています。
<property name="base.dir" value="." /> <property name="output.dir" value="output" /> <property name="sharedlib.dir" value="${base.dir}/../../../../../modules" /> <property name="wlrtlib.dir" value="${base.dir}/../../../../modules"/> <path id="classpath"> <pathelement location="${output.dir}" /> <fileset dir="${sharedlib.dir}"> <include name="*.jar" /> </fileset> <fileset dir="${wlrtlib.dir}"> <include name="*.jar"/> </fileset> </path> <taskdef name="xjc" classname="com.sun.tools.xjc.XJCTask"> <classpath refid="classpath" /> </taskdef> <target name="generate" depends="clean, init"> <copy file="../../../../xsd/wlevs_base_config.xsd" todir="src/main/resources/extension" /> <copy file="../../../../xsd/wlevs_application_config.xsd" todir="src/main/resources/extension" /> <xjc extension="true" destdir="${generated.dir}"> <schema dir="src/main/resources/extension" includes="helloworld.xsd"/> <produces dir="${generated.dir}" includes="**/*.java" /> </xjc> </target>
この例では、拡張されたXSDファイルはhelloworld.xsd
です。helloworld.xsd
はOracle CEP XSDファイルをインポートするため、ビルド・プロセスによってOracle CEP XSDファイル(wlevs_base_config.xsd
およびwlevs_application_config.xsd
)がhelloworld.xsd
ファイルと同じディレクトリにコピーされます。
生成されたこれらのJavaファイルをクラスにコンパイルします。
コンパイルされたJavaクラス・ファイルをアプリケーション・バンドルにパッケージ化します。
13.3項「アダプタまたはイベントBeanをイベント・ソースとして実装」の説明に従って、アダプタをプログラムします。アダプタ・コード内からは、13.9.3項「アダプタまたはイベントBeanの構成へのプログラムからのアクセス」の説明に従って、通常の方法で拡張された構成にアクセスします。
アプリケーションのコンポーネントを記述する構成XMLファイルを作成する場合は、必ず拡張されたXSDファイルを説明として使用します。また、デフォルトのスキーマではなく、必ずこのスキーマのネームスペースを識別するようにします。例:
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <helloworld:config xmlns:helloworld="http://www.bea.com/xml/ns/wlevs/example/helloworld"> <adapter> <name>helloworldAdapter</name> <message>HelloWorld - the current time is:</message> </adapter> </helloworld:config>
新しいXSDスキーマ・ファイルはwlevs_application_config.xsd
XSDスキーマを拡張し(B.2項「コンポーネント構成スキーマwlevs_application_config.xsd」を参照)、アダプタの新しい構成要素などの新しいカスタム情報を追加します。カスタム情報には標準のXSDスキーマ構文を使用します。
13.9.2項「拡張されたXSDスキーマ・ファイルの完全な例」のXSDスキーマを基本テンプレートとして使用し、ニーズに合わせてコンテンツを変更することをお薦めします。新しい構成要素を追加するとともに、他の変更点としては、生成されたJavaコードのパッケージ名の変更やカスタム・アダプタの要素名の変更などがあります。カスタム・アダプタのみ、またはプロセッサなどの他のコンポーネントをスキーマで使用するかどうかを制御できます。
新しいXSDスキーマ・ファイルを作成するには:
任意のXMLエディタを使用して、特にJAXBを含む必須のネームスペースを使用して基本のXSDファイルを作成します。例:
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <xs:schema targetNamespace="http://www.bea.com/xml/ns/wlevs/example/helloworld" xmlns="http://www.bea.com/xml/ns/wlevs/example/helloworld" xmlns:xs="http://www.w3.org/2001/XMLSchema" xmlns:jxb="http://java.sun.com/xml/ns/jaxb" xmlns:xjc="http://java.sun.com/xml/ns/jaxb/xjc" xmlns:wlevs="http://www.bea.com/xml/ns/wlevs/config/application" jxb:extensionBindingPrefixes="xjc" jxb:version="1.0" elementFormDefault="unqualified" attributeFormDefault="unqualified"> ... </xs:schema>
wlevs_application_config.xsd
XSDスキーマをインポートします。
<xs:import namespace="http://www.bea.com/xml/ns/wlevs/config/application" schemaLocation="wlevs_application_config.xsd"/>
また、wlevs_application_config.xsd
によりwlevs_base_config.xsd
XSDファイルがインポートされます。
complexType>
XSD要素を使用して、拡張されたアダプタ構成のXMLタイプを記述します。
新しいタイプは、wlevs_application_config.xsd
に定義されたAdapterConfig
タイプを拡張する必要があります。AdapterConfig
はConfigurationObject
を拡張します。次に、必要に応じて、基本のアダプタ構成に新しい要素または属性を追加できます。たとえば、次のタイプHelloWorldAdapterConfig
は、基本のアダプタ構成にmessage
要素を追加します。
<xs:complexType name="HelloWorldAdapterConfig"> <xs:complexContent> <xs:extension base="wlevs:AdapterConfig"> <xs:sequence> <xs:element name="message" type="xs:string"/> </xs:sequence> </xs:extension> </xs:complexContent> </xs:complexType>
トップレベル要素を定義し、config
という名前にする必要があります。
config
要素の定義では、アプリケーションのコンポーネントに対応する子要素のシーケンスを定義します。要素名には任意の名前を付けることができますが、通常は構成するコンポーネント(adapter
、processor
、channel
)を示している必要があります。
各要素は、明示的にbase
属性値base:ConfigurationObject
でxs:extension
要素を使用するか、またはそれ自身がConfigurationObject
を拡張するXMLタイプを指定するかによって、ConfigurationObject
XMLタイプを拡張する必要があります。ConfigurationObject
XMLタイプは、wlevs_base_config.xsd
で定義され、name
という単一の属性を定義します。
アダプタ要素のタイプは、この方法の上記の手順で作成されたカスタム・タイプである必要があります。
プロセッサまたはストリームに対応するconfig
の子要素には、wlevs_application_config.xsd
に記述されている次の組込みXMLタイプを使用できます。
DefaultProcessorConfig
: デフォルトのプロセッサ構成の記述は、10.1項「EPL プロセッサ・コンポーネント構成の概要」を参照してください。
DefaultStreamConfig
: デフォルトのチャネル構成の記述は、8.1項「チャネル構成の概要」を参照してください。
例:
<xs:element name="config"> <xs:complexType> <xs:choice maxOccurs="unbounded"> <xs:element name="adapter" type="HelloWorldAdapterConfig"/> <xs:element name="processor" type="wlevs:DefaultProcessorConfig"/> </xs:choice> </xs:complexType> </xs:element>
必要に応じてjxb:schemaBindings
のjxb:package>
子要素を使用して、生成されたJavaコードのパッケージ名を指定します。
<xs:annotation> <xs:appinfo> <jxb:schemaBindings> <jxb:package name="com.bea.adapter.wlevs.example.helloworld"/> </jxb:schemaBindings> </xs:appinfo> </xs:annotation>
次の拡張されたXSDファイルをテンプレートとして使用します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <xs:schema targetNamespace="http://www.bea.com/xml/ns/wlevs/example/helloworld" xmlns="http://www.bea.com/xml/ns/wlevs/example/helloworld" xmlns:xs="http://www.w3.org/2001/XMLSchema" xmlns:jxb="http://java.sun.com/xml/ns/jaxb" xmlns:xjc="http://java.sun.com/xml/ns/jaxb/xjc" xmlns:wlevs="http://www.bea.com/xml/ns/wlevs/config/application" jxb:extensionBindingPrefixes="xjc" jxb:version="1.0" elementFormDefault="unqualified" attributeFormDefault="unqualified"> <xs:annotation> <xs:appinfo> <jxb:schemaBindings> <jxb:package name="com.bea.adapter.wlevs.example.helloworld"/> </jxb:schemaBindings> </xs:appinfo> </xs:annotation> <xs:import namespace="http://www.bea.com/xml/ns/wlevs/config/application" schemaLocation="wlevs_application_config.xsd"/> <xs:element name="config"> <xs:complexType> <xs:choice maxOccurs="unbounded"> <xs:element name="adapter" type="HelloWorldAdapterConfig"/> <xs:element name="processor" type="wlevs:DefaultProcessorConfig"/> <xs:element name="channel" type="wlevs:DefaultStreamConfig"/> </xs:choice> </xs:complexType> </xs:element> <xs:complexType name="HelloWorldAdapterConfig"> <xs:complexContent> <xs:extension base="wlevs:AdapterConfig"> <xs:sequence> <xs:element name="message" type="xs:string"/> </xs:sequence> </xs:extension> </xs:complexContent> </xs:complexType> </xs:schema>
この節は、アダプタとイベントBeanの両方に当てはまります。簡略化のため、アダプタについてのみ説明します。
アプリケーションをデプロイする場合、Oracle CEPでは(コンポーネント構成XMLファイルに指定された)各コンポーネントの構成がJava Architecture for XML Binding (JAXB)標準を使用してJavaオブジェクトにマップされます(詳細は、https://jaxb.dev.java.net/
を参照)。各コンポーネントの構成データは単一のXML要素に含まれるため、JAXBでもこの構成データを表現する単一のJavaクラスが生成されます。コンポーネントの初期化時、およびコンポーネントの構成が動的に変更されるたびに、Oracle CEPでは実行時にこのJavaクラスのインスタンスがコンポーネント(プロセッサ、チャネル、またはアダプタ)に渡されます。
アダプタの実装では、メタデータ注釈を使用してOracle CEPで実行時に呼び出されるJavaメソッドを指定できます。Oracle CEPでは構成のJavaクラスのインスタンスが指定されたメソッドに渡されるため、これらのメソッドをプログラミングして、アダプタに関する特定の実行時構成情報を取得できます。次の例では、activateAdapter
メソッドに@Activate
注釈を 付けて、アダプタの構成が最初にアクティブ化されたときに呼び出されるメソッドを指定する方法を示します。
@Activate public void activateAdapter(HelloWorldAdapterConfig adapterConfig) { this.message = adapterConfig.getMessage(); }
デフォルトでは、アダプタ構成のJavaクラスのデータ型はcom.bea.wlevs.configuration.application.DefaultAdapterConfig
です。ただし、構成XMLファイルを記述する独自のXSDファイルを作成してアダプタの構成を拡張した場合は、XSDファイルで型を指定します。上記の例では、Java構成オブジェクトのデータ型はcom.bea.wlevs.example.helloworld.HelloWorldAdapterConfig
です。
提供されているメタデータ注釈は次のとおりです。
com.bea.wlevs.management.Activate
: 構成がアクティブ化されたときに呼び出されるメソッドを指定します。
アダプタ・コードでこの注釈を使用する場合の詳細は、G.2項「com.bea.wlevs.configuration.Activate」を参照してください。
com.bea.wlevs.management.Prepare
: 構成が準備されたときに呼び出されるメソッドを指定します。
アダプタ・コードでこの注釈を使用する場合の詳細は、G.3項「com.bea.wlevs.configuration.Prepare」を参照してください。
com.bea.wlevs.management.Rollback
: 例外が原因でアダプタが停止した場合に呼び出されるメソッドを指定します。
アダプタ・コードでこの注釈を使用する場合の詳細は、G.4項「com.bea.wlevs.configuration.Rollback」を参照してください。
外部データ・フィードにアクセスする場合、アダプタはユーザー認証のためログイン資格証明(ユーザー名とパスワード)をデータ・フィードに渡す必要がある場合があります。
最も簡単で安全性の低い方法は、アダプタのJavaコード内に暗号化されていないログイン資格証明をハード・コード化することです。ただし、この方法ではパスワードを暗号化することができず、アダプタのJavaコードを再コンパイルせずに後からログイン資格証明を変更することもできません。
次の手順では、これらの問題が考慮された異なる方法について説明します。この手順では、データ・フィードにアクセスするユーザー名にjuliet
、パスワードにsuperSecret
を想定しています。
ログイン資格証明をEPNアセンブリ・ファイルで静的に構成するか、アダプタの構成を拡張して動的に構成するかを指定する必要があります。EPNアセンブリ・ファイルで資格証明を静的に構成する方が簡単ですが、後から資格証明が変更された場合は、EPNアセンブリ・ファイルへの更新が反映されるようにアプリケーションを再起動する必要があります。アダプタの構成を拡張する方法では、アプリケーションを再起動せずに資格証明を動的に変更できますが、構成の拡張には、XSDファイルの作成や、JAXBオブジェクトへのコンパイルなどの追加の手順が必要になります。
この項では次について説明します:
この手順では、EPNアセンブリ・ファイルで静的に構成したログイン資格証明を渡す方法について説明します。
アダプタからデータ・フィード・プロバイダへの静的ログイン資格証明の受け渡しについて
コマンド・ウィンドウを開き、『Oracle CEPスタート・ガイド』の開発環境の設定の説明に従って、環境を設定します。
アプリケーションのEPNアセンブリ・ファイルがあるディレクトリに移動します。
任意のXMLエディタを使用し、EPNアセンブリ・ファイルを編集して、アダプタを宣言しているwlevs:adapter
要素を更新します。
特に、ログイン資格証明のユーザー名とパスワードに対応する2つのインスタンス・プロパティを追加します。ここで、cleartextのパスワード値を指定します。後からこの値は暗号化されます。また、一時password
要素を追加し、その値はcleartextパスワードにします。例:
<wlevs:adapter id="myAdapter" provider="myProvider"> <wlevs:instance-property name="user" value="juliet"/> <wlevs:instance-property name="password" value="superSecret"/> <password>superSecret</password> </wlevs:adapter>
EPNアセンブリ・ファイルを保存します。
EPNアセンブリ・ファイルのpassword
要素の値を暗号化するためにencryptMSAConfig
コマンドを実行します。
prompt> ORACLE_CEP_HOME/ocep_11.1/bin/encryptMSAConfig . epn_assembly_file msainternal.dat_file
ORACLE_CEP_HOME
は、d:\oracle_cep
などのOracle CEPのインストール先のメイン・ディレクトリです。2番目の引数はEPNアセンブリ・ファイルが含まれているディレクトリです。この手順では実際にそのディレクトリに移動しているため、例では「.
」と示されています。epn_assembly_file
パラメータはEPNアセンブリ・ファイルの名前です。最後に、msainternal.dat_file
パラメータは、ドメインに関連付けられている.msainternal.dat
ファイルの場所です。デフォルトでは、このファイルはDOMAIN_DIR
/servername
ディレクトリにあります。DOMAIN_DIR
は、/oracle_cep/user_projects/domains/mydomain
などのドメイン・ディレクトリで、servername
はサーバー・インスタンスです。
詳細は、『Oracle CEP管理者ガイド』のencryptMSAConfigコマンドライン・ユーティリティに関する項を参照してください。
コマンドを実行すると、EPNアセンブリ・ファイルのpassword
要素の値が暗号化されます。
EPNアセンブリ・ファイルを編集します。
password
要素の暗号化された値をpassword
インスタンス・プロパティのvalue
属性にコピーします。
password
要素をXMLファイルから削除します。
例:
<wlevs:adapter id="myAdapter" provider="myProvider">
<wlevs:instance-property name="user" value="juliet"/>
<wlevs:instance-property name="password"
value="{Salted-3DES}B7L6nehu7dgPtJJTnTJWRA=="/>
</wlevs:adapter>
構成されたログイン資格証明のプロパティにアクセスしてパスワードを復号化するよう、アダプタのJavaコードを更新します。
アプリケーションのMANIFEST.MF
ファイルを編集し、Import-Package
ヘッダーにcom.bea.core.encryption
パッケージを追加します。20.2.2.1項「MANIFEST.MFファイルの作成」を参照してください。
アプリケーションを通常どおり再アセンブルし、デプロイします。第20章「Oracle CEPアプリケーションのアセンブルとデプロイ」を参照してください。
この手順では、アダプタの構成を拡張して動的に構成したログイン資格証明を渡す方法について説明します。
アダプタからデータ・フィード・プロバイダへの動的ログイン資格証明の受け渡しについて
String
型の2つの新しい要素user
およびpassword
を追加してアダプタの構成を拡張します。
たとえば、HelloWorldのサンプルのアダプタを拡張した場合、XSDファイルは次のようになります。
<xs:complexType name="HelloWorldAdapterConfig"> <xs:complexContent> <xs:extension base="wlevs:AdapterConfig"> <xs:sequence> <xs:element name="message" type="xs:string"/> <xs:element name="user" type="xs:string"/> <xs:element name="password" type="xs:string"/> </xs:sequence> </xs:extension> </xs:complexContent> </xs:complexType>
詳細な手順は、13.9項「アダプタまたはイベントBeanの構成の拡張」を参照してください。
コマンド・ウィンドウを開き、『Oracle CEPスタート・ガイド』の開発環境の設定の説明に従って、環境を設定します。
アダプタのコンポーネント構成XMLファイルがあるディレクトリに移動します。
任意のXMLエディタを使用してこのコンポーネント構成XMLファイルを編集し、<user>
および<password>
要素を使用して必要なログイン資格証明を追加します。ここでは、クリア・テキストのパスワード値を指定します。これは後から暗号化されます。例:
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <myExample:config xmlns:myExample="http://www.bea.com/xml/ns/wlevs/example/myExample"> <adapter> <name>myAdapter</name> <user>juliet</user> <password>superSecret</password> </adapter> </myExample:config>
アダプタの構成ファイルを保存します。
アダプタ構成ファイルのpassword
要素の値を暗号化するためにencryptMSAConfig
コマンドを実行します。
prompt> ORACLE_CEP_HOME/ocep_11.1/bin/encryptMSAConfig
. adapter_config_file msainternal.dat_file
ORACLE_CEP_HOME
は、d:\oracle_cep
などのOracle CEPのインストール先のメイン・ディレクトリです。2番目の引数はアダプタの構成ファイルが含まれているディレクトリです。この手順では実際にそのディレクトリに移動しているため、例では「.
」と示されています。adapter_config_file
パラメータはアダプタ構成ファイルの名前です。最後に、msainternal.dat_file
パラメータは、ドメインに関連付けられている.msainternal.dat
ファイルの場所です。デフォルトでは、このファイルはDOMAIN_DIR
/servername
ディレクトリにあります。DOMAIN_DIR
は、/oracle_cep/user_projects/domains/mydomain
などのドメイン・ディレクトリで、servername
はサーバー・インスタンスです。
詳細は、『Oracle CEP管理者ガイド』のencryptMSAConfigコマンドライン・ユーティリティに関する項を参照してください。
コマンドを実行すると、password
要素の値が暗号化されます。
構成されたログイン資格証明のプロパティにアクセスしてパスワードを復号化するよう、アダプタのJavaコードを更新します。
アプリケーションのMANIFEST.MF
ファイルを編集し、Import-Package
ヘッダーにcom.bea.core.encryption
パッケージを追加します。20.2.2.1項「MANIFEST.MFファイルの作成」を参照してください。
アプリケーションを通常どおり再アセンブルし、デプロイします。第20章「Oracle CEPアプリケーションのアセンブルとデプロイ」を参照してください。
この項では、拡張されたアダプタ構成から動的にユーザーとパスワードの値を取得し、com.bea.core.encryption.EncryptionService
APIを使用して暗号化されたパスワードを復号化するようにアダプタのJavaコードを更新する方法について説明します。
次に示すコード・スニペットは、13.3項「アダプタまたはイベントBeanをイベント・ソースとして実装」に示したアダプタのJavaコードのHelloWorldを基に作成されます。
暗号化されたパスワードの複合化に必要な追加のAPIをインポートします。
import com.bea.core.encryption.EncryptionService; import com.bea.core.encryption.EncryptionServiceException; import com.bea.wlevs.util.Service;
@Service
注釈を使用してEncryptionService
への参照を取得します。
private EncryptionService encryptionService; ... @Service public void setEncryptionService(EncryptionService encryptionService) { this.encryptionService = encryptionService; }
@Prepare
コールバック・メソッドで、拡張されたアダプタ構成のuser
およびpassword
プロパティの値を通常どおり取得します(password
値のコードのみ示しています)。
private String password;
...
public String getPassword() {
return password;
}
public void setPassword(String password) {
this.password = password;
...
@Prepare
public void checkConfiguration(HelloWorldAdapterConfig adapterConfig) {
if (adapterConfig.getMessage() == null
|| adapterConfig.getMessage().length() == 0) {
throw new RuntimeException("invalid message: " + message);
}
this.password= adapterConfig.getPassword();
...
}
拡張されたアダプタ構成へのアクセスに関する情報は、13.9.3項「アダプタまたはイベントBeanの構成へのプログラムからのアクセス」を参照してください。
@Prepare
コールバック・メソッドでEncryptionService.decryptStringAsCharArray
メソッドを使用して暗号化されたパスワードを複合化します。
@Prepare public void checkConfiguration(HelloWorldAdapterConfig adapterConfig) { if (adapterConfig.getMessage() == null || adapterConfig.getMessage().length() == 0) { throw new RuntimeException("invalid message: " + message); } this.password= adapterConfig.getPassword(); try { char[] decrypted = encryptionService.decryptStringAsCharArray(password); System.out.println("DECRYPTED PASSWORD is "+ new String(decrypted)); } catch (EncryptionServiceException e) { throw new RuntimeException(e); } }
decryptStringAsCharArray
メソッドのシグネチャは次のとおりです。
char[] decryptStringAsCharArray(String encryptedString) throws EncryptionServiceException
ベンダーAPIを使用してこれらの資格証明をデータ・フィード・プロバイダに渡します。
この節は、アダプタとイベントBeanの両方に当てはまります。簡略化のため、アダプタについてのみ説明します。
13.2項「アダプタまたはイベントBeanの実装」に示す手順では、プロセッサ、ストリーム、ビジネス・ロジックPOJOなどのイベント・ネットワークの他のコンポーネントが含まれている同一のアプリケーションJARファイルに、アダプタおよびアダプタ・ファクトリがバンドルされることが想定されています。
ただし、アダプタを固有のJARファイルにバンドルし、他のアプリケーション・バンドルでアダプタを参照する必要がある場合もあります。これは、たとえば、2つの異なるアプリケーションが同じデータ・フィード・プロバイダからのデータを読み込み、両方のアプリケーションが同じイベント・タイプを使用する場合に役立ちます。この場合、2つの異なるアプリケーションで実装が重複するよりも、同一のアダプタおよびイベント・タイプの実装を共有するほうが有意義です。
異なるバンドルでアダプタおよびアダプタを使用するアプリケーションを構成する方法には、実際の違いはありません。次のガイドラインに示すように、構成を配置する場所が異なります
アダプタのJavaクラス、アダプタ・ファクトリのJavaクラス、およびオプションで、アダプタが着信データを変換するイベント・タイプのJavaクラスのみが含まれているOSGIバンドルを作成します。簡略化のため、このバンドルの名前をGlobalAdapter
であると想定します。
GlobalAdapter
バンドルのEPNアセンブリ・ファイルで:
13.7.1項「アダプタまたはイベントBeanのファクトリの登録」の説明に従って、アダプタ・ファクトリを通常どおりOSGIサービスとして登録します。
イベント・タイプもバンドルに含める場合は、1.4項「Oracle CEPイベント・タイプの作成」の説明に従って登録します。
wlevs:adapter
要素を使用してアダプタ・コンポーネントを宣言しないでください。このタグは、アダプタを実際に使用するアプリケーション・バンドルのEPNアセンブリ・ファイルで使用します。
アダプタをさらに構成するには、13.8項「アダプタまたはイベントBeanの構成」の説明に従って通常の手順を実行します。
イベント・タイプをGlobalAdapter
バンドルに含める場合は、GlobalAdapter
バンドルのMANIFEST.MF
ファイルでJavaBeanクラスをエクスポートします。20.2.2.1項「MANIFEST.MFファイルの作成」の説明に従って、Export-Package
ヘッダーを使用します。
第20章「Oracle CEPアプリケーションのアセンブルとデプロイ」」の説明に従って、通常の方法でGlobalAdapter
バンドルをアセンブルおよびデプロイします。
アダプタを使用するアプリケーションのEPNアセンブリ・ファイルで、13.7.2項「アプリケーションのアダプタおよびイベントBeanコンポーネントの宣言」の説明に従って、通常の方法でアダプタ・コンポーネントを宣言します。この場合、実際にアダプタを使用するEPNアセンブリ・ファイルとは異なる(GlobalAdapter
バンドルの) EPNアセンブリ・ファイルにOSGI登録が行われますが、OSGIとして登録されたアダプタ・ファクトリの指定には引続きprovider
属性を使用します。
GlobalAdapter
バンドルでイベント・タイプをエクスポートした場合は、使用する側のアプリケーションに明示的にインポートする必要があります。これを行うには、20.2.2.1項「MANIFEST.MFファイルの作成」の説明に従って、アプリケーション・バンドルのMANIFEST.MFファイルのImport-Package
ヘッダーにパッケージを追加します。