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Oracle® Complex Event Processing開発者ガイド
11g リリース1 (11.1.1) for Eclipse
B61654-01
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15 データ・カートリッジを使用したアプリケーションの構成

この節では、次の内容について説明します。

データ・カートリッジの詳細は、『Oracle CEP CQL言語リファレンス』のデータ・カートリッジの概要に関する項を参照してください。

15.1 データ・カートリッジ・アプリケーション・コンテキストについて

データ・カートリッジの実装によって、Oracle CEPサーバーがデータ・カートリッジのインスタンスとインスタンスによって提供される複合オブジェクトに伝播するアプリケーション・コンテキストを定義できます。

次のデータ・カートリッジに対してアプリケーション・コンテキストを構成できます。

データ・カートリッジの詳細は、『Oracle CEP CQL言語リファレンス』のデータ・カートリッジの概要に関する項を参照してください。

15.2 Oracle Spatialデータ・カートリッジ・アプリケーション・コンテキストの構成方法

Oracle CEPアプリケーションのイベント処理ネットワーク(EPN)アセンブリ・ファイルにあるspatial:context要素を使用して、Oracle Spatialデータ・カートリッジのインスタンスのアプリケーション・コンテキストを定義します。

com.oracle.cartridge.spatial.GeometryからのすべてのコンストラクタとメソッドおよびOracle Spatialデータ・カートリッジ機能は、spatial:contextを認識します。たとえば、SRIDがOracle Spatialデータ・カートリッジ・アプリケーション・コンテキストの値から自動的に設定されます。

Oracle Spatialデータ・カートリッジ・アプリケーション・コンテキストを構成するには:

  1. Oracle CEP IDE for EclipseのEPNエディタを開きます。

    5.1項「EPNエディタを開く」を参照してください。

  2. いずれかのコンポーネントを右クリックし、「アセンブリのソースに移動」を選択します。

  3. 例15-1に示すように、EPNファイルを編集してspatial:context要素を追加します。

    例15-1 EPNアセンブリ・ファイル内のspatial:context要素

    <spatial:context id="SpatialGRS80" />
    
  4. このEPN内で一意の値をid属性に割り当てます。

    これは、以降のOracle CQL問合せで、このアプリケーション・コンテキストを参照するときに使用される名前です。例15-1で、idSpatialGRS80です。


    注意:

    id値は、Oracle Spatialデータ・カートリッジ名のspatialと異なる必要がります。詳細は、『Oracle CEP CQL言語リファレンス』のデータ・カートリッジ名に関する項を参照してください。

  5. アプリケーション要件に応じて、spatial:context要素の他の属性を構成します。

    表15-1spatial:context要素の属性を示します。

    表15-1 spatial:context要素の属性

    属性 説明

    anyinteract-tolerance

    containまたはinside演算子のデフォルトの許容度。

    デフォルト: 0.0000005

    rof

    バッファリングとプロジェクト化に使用するReciprocal Of Flattening (ROF)パラメータを定義します。

    デフォルト: 298.257223563

    sma

    バッファリングとプロジェクト化に使用するSemi-Major Axis (SMA)パラメータを定義します。

    デフォルト: 6378137.0

    srid

    SRID整数。有効な値:

    • CARTESIAN: 直交座標系の場合。

    • LAT_LNG_WGS84_SRID: WGS84座標系の場合。

    • Oracle Spatial SDO_COORD_SYS表のCOORD_SYS_ID列の整数値。

    デフォルト: LAT_LNG_WGS84_SRID

    詳細は、『Oracle Spatial開発者ガイド』のSDO_SRIDに関する項を参照してください。

    tolerance

    バッファリングなどの幾何演算で無視される最短距離。

    デフォルト: 0.000000001


    例15-2は、測地基準系1980 (GRS80)座標系(srid="4269")を使用してEPNアセンブリ・ファイルでSpatialGRS80という名前の空間コンテキストを作成する方法を示します。

    例15-2 EPNアセンブリ・ファイル内のspatial:context要素

    <spatial:context id="SpatialGRS80" srid="4269" sma="63787.0" rof="298.25722101" />
    
  6. 名前によってこのアプリケーション・コンテキストを参照するOracle CQL問合せを作成します。

    例15-3は、Oracle CQL問合せでspatial:contextを参照する方法を示します。この場合、問合せはSpatialGRS80 (例15-1で定義されます)のリンク名を使用してこのアプリケーション・コンテキストをOracle Spatialデータ・カートリッジに伝播します。SpatialGRS80spatial:context属性設定は、createPointメソッド・コールに適用されます。アプリケーション・コンテキストはSRIDを定義するので、createPointメソッドにその引数を渡す必要はありません。

    例15-3 Oracle CQL問合せでspatial:contextの参照

    <view  id=”createPoint”>    select com.oracle.cep.cartridge.spatial.Geometry.createPoint@SpatialGRS80(
            lng, lat, 0d)    from CustomerPos[NOW]</view>
    

    Oracle Spatialデータ・カートリッジを使用したOracle CQL問合せの作成の詳細は、『Oracle CEP CQL言語リファレンス』のOracle Spatialデータ・カートリッジの使用に関する項を参照してください。