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Oracle Fusion Middleware Oracle Portalユーザーズ・ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B61383-01
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21.1 ページのキャッシュ

ページ・キャッシュ・オプションは、ページのレスポンス時間の高速化に役立ちます。この項では、ポートレット・キャッシュ・オプションとそれらの適用方法について説明します。内容は次のとおりです。

21.1.1 ページのキャッシュ方法の変更

ページのキャッシュ方法を変更するには、次の手順を実行します。

  1. キャッシュ・オプションを変更するぺージに移動します。

    ページの検索方法は、8.1項「Oracle Portalでのページの検索」を参照してください。

  2. 編集モードに切り替えます。

  3. ページ・ツールバーの「ページ」の横の「プロパティ」リンクをクリックします。

    ページ・グループではなくページのリンクをクリックしてください。

  4. 「メイン」タブの「ページ・キャッシュ」セクションに移動し、ページ・キャッシュ・オプションを選択します。

    各キャッシュ・オプションの説明は、21.1.2項「ページ・キャッシュ・オプション」を参照してください。

  5. 「OK」をクリックして変更を保存します。

21.1.2 ページ・キャッシュ・オプション

表21-1は、ページ・キャッシュ・オプションのリストとその説明です(「ページの編集: メイン」タブ)。

  • ユーザー・レベルでのみページ定義をキャッシュ

  • ページの定義およびコンテンツをユーザー・レベルで[ ]分間キャッシュ

  • システム・レベルでのみページ定義をキャッシュ

  • ページの定義およびコンテンツをシステム・レベルで[ ]分間キャッシュ

  • キャッシュしない

表21-1 ページ・キャッシュ・オプション

オプション 説明

ユーザー・レベルでのみページ定義をキャッシュ

Oracle Web CacheとPortalキャッシュの両方に、各ユーザーのページ定義をキャッシュします。ページ定義には、次のものがあります。

  • ページ構造を記述するメタデータ

  • ページ上のポートレットのID

  • ページ上に存在するアイテム

  • ページで使用されているスタイルのID

このオプションは、動的なポートレット・コンテンツとユーザー固有のページ定義を使用するページに選択します。たとえば、ユーザー固有のページ定義には次のものがあります。

  • ページのパーソナライズ

  • アイテム・レベルのセキュリティが設定されたアイテム

  • 「ナビゲーション」アイテム: ページ・リンク、ページ・パス、ログイン/ログアウト・リンク

  • 「Portalスマート・リンク」アイテム: 編集、パーソナライズ、個人用ページ

  • 「Portalスマート・テキスト」アイテム: 現行ユーザー

次の点に注意してください。

  • 各ユーザーのデータを格納すると、記憶域とパフォーマンスに影響を与えることがあります。

  • このオプションでは、ユーザーのリクエストごとにページの再生成は行われません。ページ定義は、ユーザーがページに初めてアクセスしたときに生成されます。リクエストごとにポートレット・コンテンツが取り出され、ページがアセンブルされます。この処理により、ページに動的なポートレット・コンテンツを表示できます。

  • ページにユーザー固有のポートレット・コンテンツが含まれている場合は、このオプションを選択する必要はありません。ポートレットのキャッシュ・レベルは、ポートレット・インスタンス・レベルで個別に指定できます。21.3項「ポートレットのキャッシュ」を参照してください。

  • ページ・コンテンツにセキュリティで保護されたタブやサブタブ・リンクが含まれているために、ページ・コンテンツがユーザー固有である場合も、これらはページ定義とは別にユーザー・レベルでキャッシュされるため、ページ定義はユーザー固有ではありません。

  • このオプションは、標準ページ、モバイル・ぺージおよびJSPページに対してのみ有効です。

ページの定義およびコンテンツをユーザー・レベルで[ ]分間キャッシュ

ユーザーごとに、指定された秒数、前のオプションで説明したページ定義とすべてのポートレット・コンテンツを含むアセンブル済のページのコンテンツをキャッシュします。これは、ユーザー・レベルの有効期限ベースのキャッシュと呼ばれます。

このオプションは、指定された時間中変化しないポートレットとユーザー固有のページ・コンテンツ(ページ定義またはポートレット・コンテンツ)を使用するページに選択します。

次の点に注意してください。

  • このオプションを選択すると、Parallel Page EngineとOracle Portalの中間層サーバーの負荷が軽減され、パフォーマンスが向上します。ユーザーのリクエストごとに、ページ・コンテンツのアセンブルとページ定義およびポートレット・コンテンツの再生成は行われません。ただし、有効期限ベースのキャッシュでは、アセンブル済のページのポートレット・コンテンツがキャッシュされるため、キャッシュからページを取り出したときに一部のポートレット・コンテンツが古くなっている可能性があります。

  • 完全にアセンブルされたページは、Oracle Web Cacheとブラウザにキャッシュされ、Portalキャッシュにはキャッシュされません。

  • ページ定義が変更されると、Oracle Web Cache内のキャッシュおよび完全にアセンブルされたページは無効になります。

  • ページに「リフレッシュ」スマート・リンクが含まれている場合(ページに直接またはページのナビゲーション・ページ・ポートレット内に)、リンクはログイン・ユーザーに表示されます。このリンクをクリックすると、ページはデータベースから再生成されます。

  • このオプションは、標準ページとモバイル・ページに対してのみ有効です。

システム・レベルでのみページ定義をキャッシュ

ユーザー全員のページ定義を一度キャッシュします。すべてのユーザーが同じページ定義を使用します。次のものが含まれます。

  • ページ構造を記述するメタデータ

  • ページ上のポートレットのID

  • ページ上に存在するアイテム

  • ページで使用されているスタイルのID

このオプションは、動的なポートレット・コンテンツを使用し、ユーザー全員に同じページ定義を使用するページに選択します。

このオプションは、記憶域要件を軽減し、パフォーマンスを向上します。どのユーザーに対しても、リクエストごとのページ定義の再生成を行いません。ページ定義は、任意のユーザーがページに初めてアクセスしたときに生成されます。リクエストごとにポートレット・コンテンツが取り出され、ページがアセンブルされます。この処理により、ページに動的なポートレット・コンテンツが表示されます。

このオプションは、次の場合に使用できます。

  • ポートレット・コンテンツがユーザー固有: ページのポートレットのキャッシュ・レベルを、ポートレットのインスタンス・レベルで個別に指定できます。21.3項「ポートレットのキャッシュ」を参照してください。

  • ページにセキュリティで保護されたタブとサブページ・リンクが含まれている: これらはページ定義とは別にユーザー・レベルでキャッシュされます。

次の場合は、このオプションを選択しないでください。

  • ページがパーソナライズ可能: ユーザー全員に対して同じページを使用する場合、ページのパーソナライズは行えません。このオプションでは、「パーソナライズ」リンクと他のすべてのパーソナライズ・コントロールは無効になります。

  • ユーザーに基づいてアイテムの表示を変える必要がある: ユーザー全員にアイテムが同じように表示されます。

  • 承認と通知が有効になっている: システム・レベルのキャッシュは承認対応のページには適していません。承認対応のページはすべてのユーザーに同じコンテンツを表示することを想定していないためです。5.4.2項「ページ・グループでの承認と通知の有効化」も参照してください。

ページ・パフォーマンスが重要な場合は、ページ定義に次の特定のユーザー固有アイテムが含まれているときにこのオプションを使用できます。

- アイテム・レベルのセキュリティが設定されたアイテム

- 「ナビゲーション」アイテム(ページ・リンク、ページ・パス、ログイン/ログアウト)

- 「Portalスマート・リンク」アイテム(編集)

- 「Portalスマート・テキスト」アイテム(現行ユーザー)

このオプションを使用すると、これらのアイテムはユーザーのアクセス権限に関係なく、すべてのユーザーに同じように表示されます。表示の面では最適な設定ではありませんが、ユーザーは適切なアクセス権限を持つアクションのみ実行できます。たとえば、ページに「編集」リンクが含まれている場合、編集権限を持たないユーザーを含む、ページを表示するすべてのユーザーに「編集」リンクが表示されます。ユーザーがリンクをクリックするまで、セキュリティ・チェックは行われません。

注意: このオプションは、標準ページ、モバイル・ぺージおよびJSPページに対してのみ有効です。

ページの定義およびコンテンツをシステム・レベルで[ ]分間キャッシュ

ユーザー全員に対して、指定された秒数、前のオプションで説明したページ定義とすべてのポートレット・コンテンツを含むアセンブル済のページのコンテンツをキャッシュします。これは、システム・レベルの有効期限ベースのキャッシュと呼ばれます。

このオプションは、指定された時間中変化しないポートレットとユーザー全員に同じページ・コンテンツ(ページ定義およびポートレット・コンテンツの両方)を使用するページに選択します。

次の点に注意してください。

  • ページは、ユーザーがページをリクエストしても動的にアセンブルされません。このため、Parallel Page EngineとOracle Portal中間層サーバーの負荷を最小限に抑えるためには最適の選択肢です。ただし、有効期限ベースのキャッシュでは、アセンブル済のページのポートレット・コンテンツがキャッシュされるため、キャッシュからページを取り出したときに一部のコンテンツが古くなっている可能性があります。

  • 完全にアセンブルされたページは、Oracle Web Cacheとブラウザにキャッシュされ、Portalキャッシュにはキャッシュされません。

  • ページ定義が変更されると、Oracle Web Cache内のキャッシュおよび完全にアセンブルされたページは無効になります。

  • ページに「リフレッシュ」スマート・リンクが含まれている場合(ページに直接またはページのナビゲーション・ページ・ポートレット内に)、リンクはログイン・ユーザーに表示されます。このリンクをクリックすると、ページはデータベースから再生成されます。

  • このオプションは、標準ページとモバイル・ページに対してのみ有効です。

次の場合は、このオプションを選択しないでください。

  • ページがパーソナライズ可能: ユーザー全員に対して同じページを使用する場合、ページのパーソナライズは行えません。このオプションでは、「パーソナライズ」リンクと他のすべてのパーソナライズ・コントロールは無効になります。

  • ユーザーに基づいてコンテンツの表示を変える必要がある: ユーザー全員に同じページが表示されます。ポートレットには、パブリック・コンテンツのみが表示されます。ユーザー全員にすべてのページ・タブ、サブページ・リンクおよびアイテムが表示されます。ユーザーは適切なアクセス権限を持っている操作のみを実行できます。

  • 承認と通知が有効になっている: システム・レベルのキャッシュは承認対応のページには適していません。承認対応のページはすべてのユーザーに同じコンテンツを表示することを想定していないためです。5.4.2項「ページ・グループでの承認と通知の有効化」も参照してください。

キャッシュしない

ページ・キャッシュを無効にします。

このオプションを使用すると、Portalのパフォーマンスが低下するので注意してください。このオプションは、絶対に必要な場合以外は使用しないでください。頻繁にアクセスされるページでは使用しないでください。このオプションを設定する必要があるページ数を最小限に抑えてください。

次のような状況では、ページ・キャッシュを無効にする必要があります。

  • その場で表示され(つまりページ上に直接表示され)、常に最新の状態に保つ必要がある動的コンテンツを生成する「PL/SQL」アイテムまたは「URL」アイテムがページに含まれている場合(このタイプのコンテンツには、キャッシュされないポートレットまたは有効期限の短いポートレットが適しています)。

  • 弱い無効化イベント(ユーザー・グループのメンバー構成の変更など)によってページに対する権限を最近失ったアクティブなユーザーが、そのページをキャッシュから表示する可能性がある場合。


21.1.3 ページのキャッシュのクリア

ページに関連付けられているキャッシュ・エントリを手動でクリアできます。たとえば、ページに対するユーザーの権限を取り消し、権限レベルの変更を即座に適用する場合に役立ちます。キャッシュをクリアしないと、そのユーザーはキャッシュに残っているページにアクセスできます。

ページのキャッシュをクリアするには、次のようにします。

  1. キャッシュをクリアするページに移動します。

  2. 編集モードに切り替えます。

  3. ページ・ツールバーの「ページ」の横の「プロパティ」リンクをクリックします。

    ページ・グループではなくページのリンクをクリックしてください。

  4. 「メイン」タブの「ページ・キャッシュ」セクションに移動し、「キャッシュのクリア」オプションを選択します。

  5. 「OK」をクリックして、ページに戻ります。