この章では、Oracle Portalのインストール前およびインストール後に実行する必要のある作業について説明します。それぞれのトポロジでインフラストラクチャや中間層をインストールおよび構成する方法の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』を参照してください。
この章の内容:
Oracle Portalを以前のリリースからアップグレードする場合は、Oracle Technology Network(OTN)のアップグレードに関するドキュメント(http://www.oracle.com/technology/products/ias/portal/upgrade.html
)を参照してください。
Oracle Portal 11gリリース1(11.1.1)は、次のような段階を経てインストールされます。
WebLogic Serverのインストールは、Core Application Server、Administration Console、Configuration WizardおよびUpgrade Framework、Web 2.0 HTTP Pub-Sub Server、JDBC Drivers、WebLogic Server Clients、WebLogic Web Server Plug-Ins、UDDIおよびXquery Support、Server Examplesで構成されます。WebLogic Serverのインストールには、Oracle WebLogic Serverリソースに論理的に関連するグループであるOracle WebLogic Server管理ドメインが含まれます。ドメインには管理サーバーという特別なOracle WebLogic Serverインスタンスが含まれており、ドメイン内のすべてのリソースがそこで一元的に構成および管理されます。通常、ドメインは、管理対象サーバーというOracle WebLogic Serverインスタンスも含めるように構成します。管理対象サーバーは、ポータル・アプリケーション・コンポーネント、Webサービスおよびそれぞれの関連リソースをホストします。Webアプリケーション、EJB、Webサービスおよびその他のリソースは管理対象サーバーに配置し、アプリケーション・サーバーは構成および管理にのみ使用します。管理対象サーバーはクラスタにグループ化できます。
デフォルトのPortal管理対象サーバーはWLS_PORTALで、次の場所にあります。
MW_HOME\user_projects\domains\<ClassicDomain>\config\fmwconfig\servers
注意: Oracle Portalのインストールを続行する前に、WebLogic Serverがインストールされていることを確認してください。『Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』を参照してください。WebLogic ServerをインストールするとMiddlewareホームが作成されます。Middlewareホームは、すべてのOracle Fusion Middlewareコンポーネントのインストールに使用されます。 |
インフラストラクチャのインストールには、次の作業が含まれます。
Oracle Databaseのインストール
Oracle Databaseを使用すると、高いパフォーマンス、信頼性およびスケーラビリティを維持しつつ、Portalデータを保存、更新および効率的に取得することができます。Oracle Database 10gリリース2(10.2.0.4.0)またはOracle Database 11gリリース1(11.1.0.6.0)をインストールする必要があります。詳細は、ONTのサイト(http://www.oracle.com/technology/products/database/oracle11g/index.html
)を参照してください。
Oracle Metadata Repositoryのインストール
メタデータ・リポジトリには、Oracle Portalのメタデータが含まれます。Oracle Fusion Middlewareの構成に関するメタデータやPortalのメタデータを含めることもできます。
インフラストラクチャのインストール時に、Oracle Metadata Repositoryによって新しいデータベースが作成され、Oracle Portalコンポーネントが使用するスキーマのコレクション(Oracle Portalメタデータ・スキーマなど)がデータベースに移入されます。
リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)CD-ROMを使用して、1つのデータベースに複数のリポジトリを作成できます。RCUでは必須のPortalスキーマが作成されます。詳細は、第3.1.2項「RCUを使用したPortalスキーマのロード」を参照してください。
Oracle Portalをインストールすると、いくつかのデフォルトのデータベース・スキーマとユーザー・アカウントもインストールされます。デフォルトのデータベース・スキーマの詳細は、第7章「Oracle Portalの保護」の第7.3.1項「Oracle Portalのセキュリティ・オプションの構成」を参照してください。
関連項目: 『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』 |
注意: 次に進む前に、インストールするPortalのスキーマを作成します。 |
Oracle Single Sign-On 10gおよびOracle Delegated Administration Services 10gのインストール
Oracle Identity Managementを使用すると、様々なサーバーでユーザー、デバイスおよびサービスのIDを構成および管理したり、それらのIDの管理を委任したり、エンドユーザーにセルフサービス権限を与えたりすることができます。また、エンタープライズ・アプリケーション間でシングル・サインオン・アクセスを構成および有効化し、オンライン・リソースへのアクセスを有効な資格証明を持つユーザーに制限することができます。
Oracle Portalでは、10gリリースのOracle Single Sign-On(SSO)とOracle Delegated Administration Services(DAS)が必要です。これらの10gコンポーネントにアクセス不可能な場合は、コンポーネントをインストールして、製品が適切に機能するようにしなければなりません。詳細は、Oracle Identity Management 10g(10.1.4.0.1)ドキュメント・ライブラリ(http://download.oracle.com/docs/cd/B28196_01/index.htm
)を参照してください。
RCUを使用したPortalスキーマのロード
リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)は、データベースでOracle Fusion Middlewareデータベース・スキーマを作成および管理するためのグラフィカルなCLIベースのツールです。Oracle Portalをインストールするには、データベースにスキーマが作成されている必要があり、RCUを使用してスキーマをデータベースに作成およびロードします。Portalスキーマを作成するには、次の手順を実行します。
ORACLE_HOME
\bin\rcu.bat
からrcu.bat
(Windows)を実行します。
「ようこそ」画面が表示されたら、「次へ」をクリックします。
「リポジトリの作成」画面で「作成」を選択してコンポーネントのスキーマをデータベースにロードし、「次へ」をクリックして続行します。
データベース接続詳細画面で、次の情報を入力します。
データベース・タイプ: ドロップダウン・リストからデータベース・タイプを選択します。
ホスト名: データベースが実行されているサーバーの名前を入力します。次の形式で入力します。
myhost.mydomain.com
RACデータベースの場合、このフィールドでVIP名またはいずれかのノード名を指定します。
ポート: データベースのポート番号を入力します。Oracleデータベースのデフォルトのポート番号は、1521
です。
サービス名: データベースのサービス名を入力します。通常、サービス名はグローバル・データベース名と同じです。
ユーザー名: データベースのユーザー名を入力します。
パスワード: データベース・ユーザーのパスワードを入力します。
ロール: ドロップダウン・リストからデータベース・ユーザーのロールを選択します。
「次へ」をクリックします。
「リポジトリ作成ユーティリティ - 前提条件チェック」画面が表示されます。すべての前提条件が満たされたら「OK」をクリックします。
「コンポーネントの選択」画面で、データベース・スキーマに追加する接頭辞(MPSなど)を入力して、次のチェック・ボックスのみを選択します。
「AS共通スキーマ」とその下のメタデータ・サービス・ポータルを選択します。
「WebCenter Suite」とその下の「WebCenterポートレット」を選択します。
「次へ」をクリックします。
前提条件を確認したら、「OK」をクリックします。
「スキーマ・パスワード」画面で、主要スキーマ・ユーザーおよびその他の補助スキーマ・ユーザーごとにスキーマ・パスワードを入力します。
「次へ」をクリックしてデフォルトの設定を受け入れて、「表領域のマップ」画面で次の操作を行います。
「はい」をクリックして、不足する表領域をRCUで作成できるようにします。
不足する表領域がある場合は、「OK」を選択して表領域の作成を確認します。
「サマリー」画面(作成操作)の情報を確認し、「作成」をクリックしてスキーマの作成を開始します。
「完了サマリー」画面でログ・ファイルの場所を書き留め、「閉じる」をクリックして画面を終了します。メインRCUログ・ファイルおよびコンポーネント・ログ・ファイルが、次のディレクトリに書き込まれます。
ORACLE_HOME
\rcu\log\logdir.date_timestamp
関連項目: 『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』 |
Oracle Fusion Middleware中間層のインストール時に、Oracle Portalは、インフラストラクチャ・サービスを使用するように構成されます。中間層のポータル・アプリケーションの配置も、このときに実行されます。この場合の手順は、次のとおりです。
Oracle Web Cacheの構成情報が、Oracle Metadata RepositoryのOracle Portalスキーマに格納されます。
ユーザーとグループの情報が、Oracle Internet Directoryで作成されます。
Oracle Fusion Middlewareのプロバイダ・グループが、Oracle Portalに追加されます。
Oracle Portalサービスの監視が構成されます。
プロバイダのユーザー・インタフェースが、Oracle Portalで動作するように構成されます。Oracle Portalからプロバイダのユーザー・インタフェース・フレームワークにアクセスするために使用される中間層URLが、「グローバル設定」ページに追加されます。
デフォルトのWebプロバイダ(OmniPortletとWebクリッピング)が登録されます。
Web Services for Remote Portlets(WSRP)コンテナがインストールされます。
このWSRPコンテナのデフォルトのプリファレンス・ストアは、ポータル・リポジトリ・データベースに格納されています。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Portal開発者ガイド』を参照してください。
注意: Oracle Portalでは、すべてのWSRPプロデューサとの通信がサポートされます。 |
WSRPコンテナの実行用に、サンプルのJSR 168アプリケーションがインストールされます。
Oracle TextとSecure Enterprise Searchが構成されます。
インストール時に指定したパラメータを使用して、構成ファイルMW_HOME
\user_projects\domains\<DomainName>\config\fmwconfig\servers\WLS_PORTAL\applications\portal\configuration\portal_dads.conf
にOracle Portal DADが作成されます。
webcache.xml
ファイルがORACLE_INSTANCE
\config\WebCache\webcache1
に作成されます。
webcache.xml
にはOracle Web Cacheの無効化設定が格納され、OmniPortletやWebクリッピングなどのWebプロバイダによって使用されます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Portal開発者ガイド』を参照してください。
これらの手順の詳細は、インストール後に、\Program Files\Oracle\Inventory\logs
ファイル(Windows)および/etc/oraInst.loc
ファイル(Unix)を参照してください。
Oracle Portalのデフォルトのユーザー・アカウントとグループの詳細は、第7.1.2.1項「Oracle Portalのデフォルトの生成済ユーザー・アカウント」および第7.1.2.2項「Oracle Portalのデフォルトの生成済グループ」を参照してください。
この新しいデータベースの初期化パラメータは、アウト・オブ・ボックスの状態では、ユーザー数が少ない小規模なOracle Portalの構成に適しています。Oracle Portalを使用する場合は、既存のデータベースにOracle Metadata Repositoryをインストールする場合の要件に基づき、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』で指定されている設定を使用してデータベースの初期化パラメータを変更することをお薦めします。構成を変更する場合は、使用する構成の規模およびOracle Portalを同時に使用するユーザーの数に応じて、初期化パラメータをさらに調整する必要があります。
表3-1に、様々なインストール・コンポーネントとそのバージョンを示します。
表3-1 インストール・コンポーネントおよびバージョン
データベースの数 | Oracle WebLogic Server | インフラストラクチャ・コンポーネント | Oracle Fusion Middleware中間層 |
---|---|---|---|
1つのデータベース |
10.3.1 |
|
11.1.1.1.0 |
2つのデータベース |
10.3.1 |
|
11.1.1.1.0 |
2つのデータベース |
10.3.1 |
|
11.1.1.1.0 |
この項では、インストール後にOracle Portalにアクセスするための手順について詳しく説明します。
お使いのブラウザで次のURLを入力して、Oracle Portalにアクセスします。
http://<host>:<port>/portal/pls/<dad>
たとえば、次のようになります。
http://portal.example.com:8090/portal/pls/portal
「Portalビルダー」ページが表示されます。
表3-2は、Oracle Portalへのアクセス時に使用するURLの構成要素を示しています。
表3-2 Portal URLの説明
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
Oracle Portalをインストールしてあるコンピュータを定義します。 ホスト名と絶対ドメイン名の両方を入力してください。たとえば、 この名前は、 |
|
Oracle Portalにアクセスするためのポート番号を定義します。 |
|
Oracle Portal WLS内で実行されているPortalサービスへリクエストをルーティングするように指定します。 注意: 以前のバージョンでは、Oracle PortalのURLの書式は |
|
リクエストがPL/SQLプロシージャであることを指定します。 |
|
Oracle Portalのインストール用に指定したデータベース・アクセス記述子(DAD)を定義します。DADには、データベースへの接続方法に関する情報が入っています。通常のデフォルトのインストールでは、DADは'portal'です。 |
右上端にある「ログイン」リンク(図3-1を参照)をクリックします。
orcladminパスワードを使用して、orcladminユーザーとしてログインします。
ログインすると、デフォルトでは「ようこそ」タブに移動します。ここでドキュメント・ライブラリを参照したり、クイック・ヒントおよび「Oracle Portalの開始」に移動できます。
ログインによってOracle Portalが稼働中であることを確認したら、Oracle Portal Diagnostic Assistant(PDA)を実行し、生成されたレポートを表示して、その他の確認を行うことができます。PDAの実行方法は、第G.2.5項「Oracle Portal Diagnostics Assistantの使用」を参照してください。
中間層(Oracle Portalを含む)のインストール時に、構成を行うかどうかを指定し、インストールの最後でOracle Portalを自動的に起動することができます。そのオプションを選択すると、Oracle Universal Installer(OUI)によってOracle Portalが構成されます。
インストールのみを選択した場合、Portalは構成されません。インストール後にOracle Portalを構成する場合は、Oracle Fusion Middleware Oracle Portal、Forms、Reports、Discovererインストレーション・ガイドのインストールのみに関する項を参照してください。