ヘッダーをスキップ
Oracle Fusion Middlewareリリース・ノート
11gリリース1(11.1.1) for Microsoft Windows(32-Bit)
B55923-02
  ドキュメント・ライブラリへ
ライブラリ
製品リストへ
製品
目次
目次

戻る
戻る
 
次へ
次へ
 

26 Oracleテクノロジ・アダプタ

この章では、Oracleテクノロジ・アダプタおよび『Oracle Fusion Middlewareテクノロジ・アダプタ・ユーザーズ・ガイド』に関連する問題について説明します。内容は次のとおりです。

26.1 一般的な問題および回避方法

この項では、一般的な問題および回避方法について説明します。内容は次のとおりです。

26.1.1 Oracle JCAアダプタの問題および回避方法

この項では、すべてのアダプタ(Oracle AQ Adapter、Oracle JMS Adapter、Oracle Files/FTP Adapter、Oracle MQ Series Adapter、Oracle Database AdapterおよびOracle Socket Adapter)に当てはまる問題と回避方法について説明します。

この項で説明する問題は次のとおりです。

26.1.1.1 ECID伝播はOracleテクノロジ・アダプタでサポートされていない

ECID(Execution Context Identifier)伝播はOracleテクノロジ・アダプタでサポートされていません。ECIDはOracle Enterprise Managerでのメッセージ・フローの追跡に使用されます。このため、この機能はOracleテクノロジ・アダプタで使用できません。

26.1.1.2 アウトバウンド・アダプタがGLOBAL_RETRYで例外をスローした場合、アウトバウンド・アダプタがアウトバウンド再試行を行わない

アウトバウンド・アダプタがGLOBAL_RETRYで例外をスローした場合、アウトバウンド・アダプタ・レベルで構成されている再試行が行われません。再試行はコール元にフォールバックします。コール元はBPELプロセスの場合もあります。Oracle BPELプロセスの次のトランザクション・セマンティクスでインバウンドからBPELプロセス(コール元BPELプロセス)へ再試行が行われることが認識されています。

シナリオ1:

<property name="bpel.config.transaction">requiresNew</property>
<property name="bpel.config.oneWayDeliveryPolicy">sync</property>

シナリオ2:

<property  name="bpel.config.transaction">required</property>
<property name="bpel.config.oneWayDeliveryPolicy">sync</property>

アダプタがLOCAL_RETRYをスローした場合、アウトバウンド・アダプタ・レベルで構成されている再試行が行われます。

インバウンド再試行が機能するには、Oracle BPELプロセスにデハイドレーション・ポイントがない必要があることに注意してください。

26.1.1.3 強制停止時のJCAバインディング・コンポーネントのエラー・メッセージ

Oracle WebLogic Serverの強制停止時にサーバーがデータを処理していると、JCAバインディング・コンポーネントのエラー・メッセージが表示されることがあります。これらのメッセージは無害です。

26.1.1.4 アダプタ構成ウィザードの再実行時にWSDLに対する手動編集が失われる

アダプタ構成ウィザードを使用してアダプタを編集するたびに、ウィザードではユーザー入力によるデータが使用されてアダプタWSDLが再作成されます。以前にWSDLを手動で編集した場合、アダプタ構成ウィザードでは、次回のアダプタ編集時にそれらの変更が破棄されます。

この問題を回避するには、アダプタ構成ウィザードを使用するたびに、同じ手動編集を行います。

26.1.1.5 DBアダプタのアウトバウンド操作についてMBeanにペイロードしきい値を設定する方法

DBアダプタのアウトバウンド操作(選択、Pure SQL、およびストアド・プロシージャ・アダプタの選択操作など)について、MBeanにペイロードしきい値を設定できます。ただし、MBeanに設定した値は、動的に反映されません。MBeanの値を変更した場合、SOAコンポジットを再デプロイする必要があります。

MBeanにペイロードしきい値を設定するには、次の手順を実行します。

  1. composite.xmlファイルのしきい値を使用してコンポジットをデプロイします。composite.xmlのこの値によって、EMコンソールで定義されたMBeanの値が上書きされます。

  2. MBeanの値を変更し、その値を反映する場合、コンポジット・アプリケーションを再デプロイする必要があります。

26.1.1.6 Enterprise ManagerのMBeanの値が所定の動作と一致しない

データベース・アダプタのインバウンド操作を構成する場合、SOAコンポジット・アプリケーションに値を指定しないでください。DBインバウンド・アダプタに約70バイトのデータ・サイズを指定します。

DefaultPayloadSizeThresholdにEnterprise Managerで値を設定する次のシナリオを参照してください。

  1. -1バイトから2バイトにしきい値のデフォルト値を変更します。データは拒否されます(これは所定の動作です)。

  2. 2バイトから-1バイトにしきい値のデフォルト値を変更します。データは拒否されます(これは所定の動作ではありません)。

  3. -1バイトから50000バイトにしきい値のデフォルト値を変更します。データは処理されます(これは所定の動作です)。

  4. 50000バイトから-1バイトにしきい値のデフォルト値を変更します。データは処理されます(これは所定の動作です)。

手順2と4の結果は同じである必要がありますが、現在のところそうなっていません。

一連の手順で手順2のような操作を実行すると、例外が発生します。この例外は、アダプタ・フレームワークは-1の値をany valueではなくrestricted valueとして処理するというメッセージとして表示されます。

26.1.2 ファイルおよびFTP用Oracle JCAアダプタの問題および回避方法

この項では、Oracle File AdapterとOracle FTP Adapterに関連する次の問題および回避方法について説明します。

内容は次のとおりです。

26.1.2.1 SOAサーバーのフェイルオーバー時にファイルが失われる

Oracle File Adapterは、インバウンド・ディレクトリからファイルを取得してファイルを処理し、処理したファイルを出力ディレクトリに送信します。ただし、この処理時にSOA管理対象サーバーでフェイルオーバーが起こると、Oracle File Adapterの非トランザクション型特性から、ファイルが失われることがあります。この結果、インバウンド・アダプタで読み取られたファイルの一部が出力ディレクトリに送信されない場合があります。Oracle File Adapterを高可用性向けに構成し、フェイルオーバー時にファイルが失われないようにする必要があります。

26.1.2.2 実行時のDOM解析例外

Oracle File AdapterおよびOracle FTP Adapterでバイト・オーダー・マーク(BOM)付きのUnicode XMLファイルを読み取る際、実行時にDOM解析例外がスローされます。Unicode XMLファイルにBOMが使用されていない場合、例外はスローされません。

26.1.2.3 XMLデバッチ・シナリオで拒否処理が適切に機能しない

余分なタグや不正データなどのエラーのXMLペイロードを使用するシナリオをデバッチする場合、拒否されたメッセージとともに出力ファイルが作成されます。

26.1.2.4 論理ディレクトリが使用される場合、Enterprise ManagerからのJCAプロパティの更新が適用されない

Oracle File AdapterおよびOracle FTP Adapterでインバウンドおよびアウトバウンド操作に論理ディレクトリが使用される場合、Oracle Enterprise ManagerコンソールからのJCAプロパティの更新が適用されません。

26.1.2.5 Oracle FTP AdapterのFTPSでのデバッチ・シナリオの前提条件

Oracle FTP Adapterの大きなペイロードに対するFTP over SSL(FTPS)でのデバッチ・シナリオでは、同期プロセスを使用する必要があります。同期プロセスが使用されない場合、FTPサーバーからエラー・コード421がスローされます。

26.1.2.6 チャンク読取り機能でSecure FTPはサポートされていない

Oracle FTP Adapterのチャンク読取り機能では、SSHトランスポートを使用したSFTP(Secure FTP)はサポートされていません。

26.1.2.7 動的ファイル名を使用する場合の編集可能なAppendプロパティ

出力ファイルに動的ファイル名が指定されている場合、Appendプロパティは編集しません。しかし、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールでは、出力ファイルに動的ファイル名が指定されている場合でもAppendプロパティを編集できます。出力ファイルに動的ファイル名を指定する場合、Appendプロパティを編集しないようにしてください。

動的ファイル名を使用する場合、Appendプロパティの値はfalseである必要があります。デフォルトでは、Appendプロパティはfalseで、動的ファイル名を使用する際、これは編集しません。

26.1.2.8 エラーを含む入力ファイルからの読取り操作で失われるデータ

Oracle File Adapterで複数の無効なレコードを含むファイルを処理する場合、無効なレコードは拒否されたメッセージのディレクトリに送信されますが、有効なレコードは失われます。データの損失を防ぐには、無効なデータを含む入力ファイルをエラー・アーカイブ・キューに送信する必要があります。エラーを含む入力ファイルをエラー・アーカイブ・キューに送信するには、ファイル読取り操作のWSDLファイルに次のプロパティを設定する必要があります。

  • PhysicalErrorArchiveDirectory="physical_directory_ path"
    
  • LogicalErrorArchiveDirectory="logical_directory_path"
    

26.1.2.9 添付ファイルとペイロード検証の競合

添付ファイルの使用時にペイロード検証を有効化すると、Oracle FTP Adapterは、java.lang.NullPointerExceptionが発生して失敗し、「FtpIn FtpInAdapter Service FtpInはインバウンド・メッセージをコンポジットに配信できませんでした」などのエラーが記録されます。

添付ファイルの使用時は、ペイロード検証を無効化してください。添付ファイルには、ペイロード検証は不要です。

26.1.3 AQ用Oracle JCAアダプタの問題および回避方法

この項では、AQ用Oracle JCAアダプタに関連する次の問題および回避方法について説明します。

内容は次のとおりです。

26.1.3.1 オブジェクト・タイプからフィールドを読み取るAQ用Oracle JCAアダプタはサーバー・ロケール・エンコーディングに依存する

アウトバウンドのAQ用Oracle JCAアダプタ、メディエータまたはBPELと、インバウンドのAQ用Oracle JCAアダプタを含むSOAプロジェクトで、ビジネス・ペイロード・オプションに「オブジェクト内のフィールド」を選択すると、各国語文字が化けます。この問題はサーバー・ロケール・エンコーディングに依存し、ネイティブ・ロケールでのみ起こります。ただし、サーバーがUTF-8エンコーディングで稼働している場合、この問題は起こりません。

26.1.3.2 AQ用Oracle JCAアダプタはOracle E-Business Suiteアプリケーションでキューからメッセージをデキューしない

E-Business Suiteアプリケーションでのキューからのデキューには、AQ用Oracle JCAアダプタではなくAdapter for Oracle Applicationsを使用することをお薦めします。

26.1.3.3 ペイロード・フィールド選択時のAQ_INVALID_PAYLOAD_HEADERS_OUTBOUNDエラー

アダプタ構成ウィザードを使用してオブジェクト・ペイロードを構成する場合、ビジネス・ペイロードを次のいずれかで構成できます。

  • オブジェクト全体

  • オブジェクト内のフィールド

「オブジェクト内のフィールド」を選択し、「ペイロード以外のフィールドへのアクセスも必要」オプションを選択しない場合、コンポジットはAQ_INVALID_PAYLOAD_HEADERS_OUTBOUNDエラーとともに実行時に失敗する可能性があります。

この問題を回避するには、「オブジェクト内のフィールド」オプションを選択してビジネス・ペイロードを構成する場合、必ず「ペイロード以外のフィールドへのアクセスも必要」オプションを選択します。

詳細は、『Oracle Fusion Middlewareテクノロジ・アダプタ・ユーザーズ・ガイド』のアダプタ構成ウィザードの「オブジェクト・ペイロード」ページに関する項を参照してください。

26.1.3.4 XSDを使用したペイロード検証の有効化

Oracle Enterprise Managerコンソールを使用してSOA-INFRAレベルでペイロード検証を有効化する場合、インバウンドのAQ用Oracle JCAアダプタ(AQ用Oracle JCAアダプタを使用するB2BアダプタまたはOracle Adapter for Oracle Applications(Oracle E-Business Suite Adapter)を含む)では、ペイロードXSDで次のブロックを使用することをお薦めします。

xmlns:nxsd="http://xmlns.oracle.com/pcbpel/nxsd"
nxsd:validation="true" 

26.1.4 JMS用Oracle JCAアダプタの問題および回避方法

この項では、Oracle JMS Adapterに関連する次の問題および回避方法について説明します。

26.1.4.1 Oracle JMS Adapterのフロー制御設定の例

例外「weblogic.messaging.kernel.QuotaException: 割当て制限ブロック時間を超えました。割当て制限は使用できません。」が発生した場合、WLS JMSプロバイダで調整可能なフロー制御設定を使用し、生成および消費されるメッセージの数を制御します。

制御設定の調整の詳細は、次を参照してください。

http://download.oracle.com/docs/cd/E13222_01/wls/docs90/ConsoleHelp/pagehelp/JMSjmsconnectionjmsconnectionfactoryconfigflowcontroltitle.html

次に、使用フロー制御設定の使用とペイロード・サイズが5Kのメッセージの様々なしきい値の例を示します。

Config JMSServer:
    Message Buffer Size:5000
    
Config JMSConnectionFactory:
    Flow Control:
    Flow Maximum: 30
    Flow Minimum: 1
    Flow Interval: 10
    Flow Step: 10
  
check Flow Control Enabled
    Default Delivery: Send Timeout: 3000000
    
Config JMS Destinations:
       Bytes Threshold High: 50000
       Bytes Threshold Low:  50
       Messages Threshold High: 100
       Messages Threshold Low: 1
       Set Quota

26.1.4.2 Oracle JMS Adapterの再入可能なウィザードで接続先およびJNDI名が無効な場合警告メッセージが表示される

ある環境から別の環境へプロジェクトを移行する際、Oracle JMS Adapterのウィザードで次のページの「接続先」および「JNDI名」フィールドに編集モードで移入されます。

  • 「消費操作のパラメータ」ページ

  • 「発行操作のパラメータ」ページ

  • 「リクエスト操作パラメータ」ページ

  • 「リプライ操作パラメータ」ページ

  • 「リクエスト/リプライ操作パラメータ」ページ

ただし、「次へ」をクリックすると、アダプタ構成ウィザードでこれが有効な接続先かどうかが検証され、無効な場合はその旨の警告メッセージが表示されます。続行するか有効な接続先を入力するかを選択できます。

26.1.4.3 クラスタ環境で分散トピックが余分なメッセージを作成する

Oracle JMS Adapterをクラスタ内にデプロイされている分散トピックに使用する場合、トピックに実際に渡されたメッセージの数より多いメッセージがシナリオで処理されます。

トピックの各サブスクライバに、WLS JMSで処理されるメッセージのコピーが渡されます。したがって、処理されるメッセージの数は、分散トピックでアクティブなサブスクライバの数と同じです。これは、Oracle WebLogic Application Server 10.3のOracle WebLogic JMSの既知の動作です。

26.1.4.4 キュー名の変更後も引き続き古いキューがポーリングされる

エンキュー/デキューのリクエスト/リプライ・シナリオでOracle JMS Adapterを使用する場合、キュー名(インバウンド・キューおよび応答キュー)を新規値に変更しても、引き続き古いキューがポーリングされます。

この問題を回避するには、新しいキュー名を構成してコンポジットを再デプロイします。

26.1.5 データベース用Oracle JCAアダプタの問題および回避方法

この項では、Oracle Database Adapterに関連する次の問題および回避方法について説明します。

26.1.5.1 「アクティブな作業ユニットの取得」プロパティの値がアウトバウンドSELECT操作用に保存されない

SELECT操作を行うようアウトバウンドOracle Database Adapterを構成する際、アダプタ構成ウィザードの「詳細オプション」ページで「アクティブな作業ユニットの取得」を選択した場合、GetActiveUnitofWorkプロパティの値が.jcaファイルに保存されません。

この問題の回避方法は、次の例に示すようにこのプロパティをOracle Database Adapterの.jcaファイルに手動で追加することです。

<property name="GetActiveUnitOfWork" value="true"/>

26.1.5.2 リモート・フォルト時のバインディング・フォルト再試行はOracle Enterprise Managerコンソールで取得されない

composite.xmlでバインディング・フォルト再試行が指定されていてフォルト・ポリシーが定義されていない状況で、Oracle Database Adapterがリモート・フォルト(データベースの停止)でトランザクションを再試行するシナリオについて考えます。このようなシナリオでは、Oracle Database Adapterで行われるバインディング・フォルト再試行はOracle Enterprise Managerコンソールの監査証跡で取得されません。

26.1.5.3 スキーマ・オブジェクトを再作成した後に発生する無効なデータ型の例外

Oracle Database PL/SQL文または他のスキーマ・オブジェクト(データ型など)を再作成するか、パッケージ本体を再コンパイルしてOracle Database Adapterを使用するSOAコンポジットを再デプロイすると、Oracle Database Adapterランタイムによって「ORA-00902: データ型が無効です。」という例外がスローされます。

この問題を回避するには、次のOracle WebLogic Serverプロパティを設定します。

  • データ・ソース:

    • 初期容量: 0

    • 文キャッシュ・サイズ: 0

  • アダプタ接続プール:

    • 初期容量: 0

SOAコンポジットがこれらのプロパティ設定と互換性がない場合、この問題を回避するには、Oracle WebLogic Serverを停止して起動します。

詳細は、次を参照してください。

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JDBCの構成と管理』のJDBCデータソースの構成に関する項

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverリソース・アダプタのプログラミング』の接続管理に関する項

26.1.5.4 デフォルトで無効化されるMarkReservedValueを使用した分散ポーリング

今回のリリースでは、スキップ・ロックに基づく新しい分散ポーリング・アプローチを使用することをお薦めします。MarkReservedValueが設定されたOracle Database Adapterサービスを編集すると、その値は削除されて新しいベスト・プラクティスが有効になります。

予約値に基づく古い分散ポーリング・アプローチを使用するには、ドロップダウン・メニューから値を選択します。

26.1.5.5 SQL Server 2008におけるストアド・プロシージャの制限事項

Oracle Database Adapterストアド・プロシージャのインタフェースでは、SQL Server 2008の次のデータ型がサポートされません。

  • TIME

  • DATE

  • DATETIME

  • DATETIME2

  • DATETIMEOFFSET

26.1.6 MQ Series用Oracle JCAアダプタの問題および回避方法

この項では、Oracle MQ Series Adapterに関連する次の問題および回避方法について説明します。

26.1.6.1 Oracle MQ Series Adapterはメディエータに対する非同期リクエスト/レスポンス・パターンをサポートしない

Oracle MQ Series Adapterでは、非同期リクエスト/レスポンス・パターンはサポートされません(メディエータがサーバーの場合)。

26.1.6.2 アウトバウンド・リソースがXAの場合、Oracle MQ Series Adapterでアウトバウンド再試行が行われない

アウトバウンド・リソースにXAを選択した場合、アウトバウンド・リソースがXAの場合のアウトバウンド再試行がOracle MQ Series Adapterでサポートされないため、例外がスローされ、再試行されません。反対に、アウトバウンド・リソースがXA以外の場合、再試行は正常に行われます。

26.1.6.3 クラスタ環境でチャネルを停止するとOracle MQ Seriesがハングする

複数の管理対象サーバーを使用する場合、チャネルを停止しようとすると、Oracle MQ Seriesがハングします。これは、WindowsとUNIXの両オペレーティング・システムで起こります。

26.1.6.4 その他のエンコーディングの追加がサポートされない

標準JavaエンコーディングとそのマッピングがMQ Series Adapterに用意されていますが、必要なその他のJavaエンコーディングの追加がアダプタ構成ウィザードでサポートされません。

リストにない標準Javaエンコーディングのサポートを追加するには、次の手順を実行します。

  1. MQSeriesAdapter.rarファイルからMQSeriesAdapter.jarファイルを抽出します。

  2. MQSeriesAdapter.jarファイルからmq.propertiesファイルを抽出します。

  3. mq.propertiesファイルにエントリを追加します。このファイルには、MQ SeriesエンコーディングとJavaエンコーディングとの間のマッピング用のエントリが2つあります。必要な新規エンコーディングごとに、mq.propertiesに2つのエントリを作成する必要があります。MQ Seriesエンコーディングから対応するJavaエンコーディングへのエントリと、Javaエンコーディングから対応するMQ Seriesエンコーディングへのエントリを作成します。

26.1.6.5 MQ Seriesバージョン7.0.0.2およびXAトランザクションの使用

MQ Series用Oracle JCAアダプタは、MQ Seriesバージョン7.0.0.2での動作が保証されています。XAトランザクションを使用する場合、対話共有のレベルを0(ゼロ)に設定してサーバー接続チャネルを構成する必要があります。

26.1.6.6 キュー名の変更後も引き続き古いキューがポーリングされる

エンキュー/デキューのリクエスト/リプライまたはデキュー/エンキューのリクエスト/リプライ・シナリオでOracle MQ Series Adapterを使用する場合、キュー名(インバウンド・キューおよび応答キュー)を新規値に変更しても、引き続き古いキューがポーリングされます。

この問題を回避するには、新しいキュー名を構成してコンポジットを再デプロイします。

26.1.6.7 キュー・マネージャの強制停止後にOracle MQ Series Adapterの再接続に失敗する

インバウンド・キュー・マネージャを-iオプション(endmqm -i QUEUE-MANAGERなど)を使用して強制的に停止し、その後再起動すると、次のようにOracle MQ Series Adapterの再接続が適切に行われません。

  • インバウンド・キューのオープン入力数がデフォルト値の2から1に減少し、インバウンド・メッセージはアウトバウンド・キューに配信された後、インバウンド・キューに戻されます。Oracle MQ Series Adapterはこの動作を無限に繰り返します。

  • 状況によっては、オープン入力数がデフォルト値の2から1に減少し、メッセージはアウトバウンド・キューのみに配信されます。

この問題の回避方法は次のとおりです。

  • 非ブロック・モードでSOAインスタンスを構成します。

  • インバウンド・パートナ・リンクを再起動します。

  • 管理対象インスタンスを停止して起動します。

26.1.7 ソケット用Oracle JCAアダプタの問題および回避方法

この項では、Oracle Socket Adapterに関連する次の問題および回避方法について説明します。

26.1.7.1 Oracle Socket Adapterはクラスタ・ベースの環境でサポートされていない

Oracle Socket Adapterはクラスタ・ベースの環境でサポートされていません。インバウンドOracle Socket Adapterをクラスタ環境にデプロイしようとすると、管理対象サーバーの1つで、サーバーのポートがすでに使用されているというエラー・メッセージがスローされます。

26.1.7.2 複数のNICを備えたホストではインバウンド操作のホスト名を単一のIPアドレスにする必要がある

アダプタ構成ウィザードを使用してOracle Socket Adapterを構成する場合に、ステップ4/7で次のいずれかを選択するとします。

  • インバウンド同期リクエスト/リプライ

  • インバウンド受信

この場合、アダプタ構成ウィザードのステップ5/7では、次のことに留意してください。

  • 所定のソケット接続JNDI名のデフォルト・ポートを上書きする場合、「ホストおよびポートの指定」を選択します。

  • 「ホストおよびポートの指定」を選択する場合、「ホスト名」の値を入力する必要があります。次の点に注意してください。

    • ホストにただ1つのIPアドレスが関連付けられている場合、つまり、ホストにただ1つのネットワーク・インタフェース・カード(NIC)が存在する場合、localhostと入力します。

    • ホストに複数のIPアドレスが関連付けられている場合、つまり、ホストに複数のNICが存在する場合、Oracle Socket Adapterでリスニングする単一のIPアドレスを入力します。

      Oracle Socket Adapterでリスニングできるのは、ただ1つの特定のIPアドレスです。Oracle Socket Adapterは、複数のIPアドレスでリスニングできません。

26.1.7.3 EncByteOrderCheckBoxに関する例外の回避方法

ソケット・アダプタ・プロジェクト(インバウンドとアウトバウンドの両方)を設計するか、既存のプロジェクトを編集すると、次のプロパティがJCAファイルに追加されます。

<property name="EncByteOrderCheckBox" value="false"/>

このEncByteOrderCheckBoxプロパティは、アダプタによって認識されず、次の例外がスローされます。

Error while performing
Endpoint Activation: BINDING.JCA-12532
Cannot set JCA WSDL Property
roperty setEncByteOrderCheckBox is not defined for
oracle.tip.adapter.socket.SocketActivationSpec

この問題を回避するには、.jcaファイルからEncByteOrderCheckBoxを削除します。つまり、プロパティ自体がアダプタに認識されないため、.jcaファイルから次のプロパティを削除します。

<property name="EncByteOrderCheckBox" value="false"/>

26.1.8 ネイティブ・フォーマット・ビルダーの問題および回避方法

この項では、ネイティブ・フォーマット・ビルダーに関連する次の問題および回避方法について説明します。

26.1.8.1 NXSDで空白デリミタ・オプションがサポートされていない

ネイティブ・フォーマット・ビルダー・ウィザードの「デリミタの指定」ページで「デリミタ」リストの「空白(任意の数のタブ、スペース)」がサポートされていません。

26.1.8.2 サイズが10MBを超えるペイロードでペイロード検証に失敗する

ペイロード検証を有効化すると、サイズが10MBを超えるペイロードでjava.lang.ClassCastExceptionが発生して検証に失敗することがあります。

詳細は、『Oracle Fusion Middlewareテクノロジ・アダプタ・ユーザーズ・ガイド』のペイロード検証に関する項を参照してください。

26.2 構成の問題および回避方法

この時点で既知の構成の問題はありません。

26.3 ドキュメントの訂正箇所

この項では、『Oracle Fusion Middlewareテクノロジ・アダプタ・ユーザーズ・ガイド』の訂正箇所を示します。内容は次のとおりです。

26.3.1 DBActivationSpecプロパティUndyingは11gで常にtrue

「データベース用Oracle JCAアダプタ」のUndyingに関する項に、新しいプロパティUndyingがサポートされると記載されています。しかし、Undyingは現在常にtrueです。このため、この構成プロパティは削除されています。

26.3.2 サード・パーティ・アダプタのオンライン・ヘルプで「JCAファイル」属性が定義されていない

composite.xmlのページで「サービス・アダプタ」リストから公開コンポーネントのスイムレーンに「サード・パーティ・アダプタ」をドラッグ・アンド・ドロップし、「ヘルプ」ボタンをクリックしたとき、オンライン・ヘルプに「JCAファイル」属性が定義されていません。

正しい定義: JCAファイルにより、サービスにアダプタ構成情報が提供されます。

このヘルプ・トピックの正しいタイトル: サード・パーティ・アダプタ

このヘルプ・トピックの正しいブレッドクラム: 「SOAコンポジット・エディタのコンポーネント・パレット」→「アダプタ・サービス」→「サード・パーティ・アダプタ」→「アダプタ構成ウィザード」

26.3.3 JMSアダプタのオンライン・ヘルプで「ペイロード」属性が定義されていない

Oracle JMS Adapterのアダプタ構成ウィザードで、「メッセージ本文のタイプ」が「MapMessage」のとき、「消費操作のパラメータ」ページのオンライン・ヘルプに「ペイロード」属性が定義されていません。

正しい定義: オプションで、ペイロードとして指定するMapMessageエントリの名前を指定します。他のすべてのMapMessageエントリは、jca.jms.Map.xxxxxxxxMapMessageエントリの名前)で識別されるアダプタ・プロパティに変換されます。「ペイロード」属性を構成しない場合、MapMessage全体がXMLに変換され、XMLファイルがペイロードとして転送されます。

26.3.4 JMSアダプタのオンライン・ヘルプで「添付として」属性が定義されていない

Oracle JMS Adapterのアダプタ構成ウィザードで、「メッセージ本文のタイプ」が「MapMessage」のとき、「消費操作のパラメータ」ページのオンライン・ヘルプに「添付として」属性が定義されていません。

正しい定義: このオプションを選択して、Oracle JMS Adapterでペイロードを添付として不透明にコピーします。これにより、コンポジット・アプリケーション内のコンテンツを処理することなく、大量のデータ(通常はバイナリ・データ)を効率的に転送できます。

26.3.5 Oracle Socket Adapterの構成プランでのTCPポートの指定

『Oracle Fusion Middlewareテクノロジ・アダプタ・ユーザーズ・ガイド』の「Oracle Socket Adapter」の章では、Oracle Socket Adapterの構成プランにTCPポートを指定する方法が欠落しています。

これを行うには、次の手順を実行します。

  1. 次のコードを構成プランのXMLファイルに追加します。

    <service name="Receive">
        <property name="Port">
              <replace>2222</replace>
       </property>
        <binding type="jca"/>
    </service>
    
  2. 次のようにポート・プロパティを.jcaファイルに追加します。

    <property name="Port" value="Port"/>
    
  3. composite.xmlファイルのservice要素にポート・プロパティを追加し、デフォルト値(この例では1111)を指定します。

    <service name="Receive" ui:wsdlLocation="Receive.wsdl">
        <interface.wsdl interface="..." />
        <binding.jca config="Receive_tcp.jca"/>
        <property name="Port" type="xs:string" many="false" override="may">1111</property>
    </service>
    
  4. 構成プランを使用してコンポジットをデプロイします。

    デプロイすると、Oracle Socket Adapterは、構成プランの指定どおりポート2222でリスニングします。

    構成プランなしでコンポジットをデプロイする場合や、構成プランでPortプロパティを上書きしない場合、Oracle Socket Adapterは、composite.xmlファイルのデフォルトのPortプロパティで指定されているソケット(この例ではポート1111)でリスニングします。

26.3.6 Oracle Database Adapterの動作保証

『Oracle Fusion Middlewareテクノロジ・アダプタ・ユーザーズ・ガイド』のJDBCドライバおよびデータベース接続の構成に関する項の最初に、次の記載があります。

今回のリリースで、Oracle JCAアダプタは、Oracle WebLogic Serverタイプ4 JDBCドライバを使用する次のサード・パーティ・データベースに対して動作保証されています。

  • Microsoft SQL Server 2008

  • Sybase 15

  • Informix 11.5

正しくは次のとおりです。

今回のリリースで、Oracle Database Adapterは、Oracle WebLogic Serverタイプ4 JDBCドライバを使用する次のサード・パーティ・データベースに対して動作保証されています。

  • Microsoft SQL Server 2005、2008

  • Sybase 15

  • Informix 11.5

  • MySQL 5.x+

  • DB2/UDB 9.5およびそれ以降のFixPak