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Oracle Fusion Middlewareリリース・ノート
11gリリース1(11.1.1) for Microsoft Windows(32-Bit)
B55923-02
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24 Oracle Service Bus

この章では、Oracle Service Busに関連する問題について説明します。内容は次のとおりです。

24.1 Oracle Service Bus 11.1.1.3.0の新機能

この項では、Oracle Service Bus 11gリリース1パッチ・セット2(11.1.1.3.0)の新機能および拡張機能について説明します。

24.1.1 インストールおよびデプロイメント

Oracle Service Busのインストールは、他のOracle SOA製品と同様になりました。インストーラはOracle Unified Installerであり、Oracle Service Busは、別のインストーラを使用してOracle WebLogic Server 10.3.3をインストールした後に、個別にインストールします。

本番環境へのインストール後、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用してデータベース・スキーマを作成します。

今回のリリースでは、Oracle Service BusとOracle SOA Suiteを同じMiddlewareホーム(MW_HOME)にインストール可能で、Oracle Service BusとOracle SOA Suiteは同じドメインで共存できます。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Service Busのインストレーション・ガイドを参照してください。

24.1.2 Coherenceによるサービス結果キャッシュ

Oracle Service Busでは、現在、Coherenceによるビジネス・サービスのサービス結果キャッシュがサポートされます。Oracle Coherenceは、頻繁に使用されるデータに対する迅速なアクセスを提供することで、組織がミッションクリティカルなアプリケーションを定期的にスケーリングできるようにするインメモリー・データ・グリッド・ソリューションです。

サービス結果キャッシュによって、ビジネス・サービスからのレスポンスをキャッシュできます。この機能により、ビジネス・サービスからのレスポンスがそれほど変化しない場合、パフォーマンスが大幅に向上する可能性があります。Oracle Service Busでは、すべてのビジネス・サービスに対して1つのキャッシュを使用します。ビジネス・サービスからの有効で正しい結果のみがキャッシュされます。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Service Busの管理者ガイドのビジネス・サービスの結果をキャッシュすることによるパフォーマンスの向上に関する項を参照してください。

この新機能の構成方法の詳細は、ビジネス・サービスの「メッセージ処理構成」ページに関する項を参照してください。

24.1.3 メッセージ・フロー・トランザクション

Oracle Service Busでは、非トランザクション・インバウンド・トランスポート(XA以外の接続ファクトリによるHTTPやJMSなど)のJTAグローバル・トランザクションのコンテキストでメッセージ・フローを開始および実行するプロキシ・サービスを構成できます。以前のリリースでは、プロキシ・サービスのメッセージ・フローは、インバウンド・トランスポートがグローバル・トランザクション(トランザクションが伝播されるJMS/XAやSBなど)を開始または伝播する場合にのみ、JTAグローバル・トランザクションのコンテキストで実行されていました。

Oracle Service Busでは、非同期インバウンド・エンドポイントの同じJTAグローバル・トランザクションのコンテキストでもリクエスト・パイプラインとレスポンス・パイプラインの両方を実行できます。

この機能の構成方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Service Busの管理者ガイドに含まれるプロキシ・サービスの「メッセージ処理」ページに関する項を参照してください。

24.1.4 ネイティブJava EJBトランスポート

JEJB(インバウンド)トランスポートでは、メッセージ・フローで直接受信したPOJOメソッド引数とともに、ステートレス・セッションBean(SLSB)としてプロキシ・サービスを公開できます。POJO引数は、Javaコールアウトを使用して操作できます。POJO引数は、JEJBアウトバウンド・トランスポートによって起動されたSLSBに引数として直接送信できます。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Service Busの開発者ガイドのJEJBトランスポートに関する項を参照してください。

24.1.5 JMSオブジェクト・メッセージ

Oracle Service Busでは、JMSトランスポートは、JMSキューおよびトピックを対象にJavaオブジェクトを送受信できるように拡張されています。このサポートは、サービス・タイプ・メッセージングでJavaを使用するようにプロキシまたはビジネス・サービスを構成することで有効化されます。

24.1.6 カスタムXPath関数

Oracle Service Busでは、ユーティリティのJavaコードをカスタムXPath関数にラップするフレームワークが提供されます。これらの関数は、メッセージ・フローや分割-結合で使用されるインラインXQuery式およびXQueryマッパー変換全体で再利用できます。カスタムXPath関数は、設計ツール(コンソールおよびIDE)で使用できます。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Service Busの開発者ガイドのカスタムXPath関数の作成および使用に関する項を参照してください。

24.1.7 JCAアダプタ

Oracle Service Busでは、Oracle SOA Suite 11gリリース1パッチ・セット2(11.1.1.3.0)のJCAアダプタ・アーティファクトがサポートされます。トランスポート・ヘッダーにおける正規化されたメッセージ・プロパティのサポートと同様に、現在、JCAバインドおよびTopLink/EclipseLinkのマッピングXMLファイルに対してOracle Service Busの新しいリソース・タイプを使用できます。Oracle Service Bus 10gリリース3のJCAアーティファクトのアップグレードは、シームレスです。

ファイルおよびBAMアダプタの動作保証も追加されました。Oracle SOA SuiteまたはJDeveloper 10gリリース3に基づいたJCAアダプタ・アーティファクトを使用するOracle Service Bus 10gリリース3サービスの自動アップグレードが提供されます。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Service Busの開発者ガイドのJCAトランスポートに関する項およびOracle Fusion Middleware Oracle Service Busの管理者ガイドのJCAバインドに関する項を参照してください。

24.1.8 SOA-Directトランスポート

Oracle Service Busでは、Oracle SOA Suite 11g以上と組み合せて使用するSOA-DIRECTトランスポートが提供されます。SOA-DIRECTトランスポートでは、Oracle Service BusからOracle SOA Suiteに対してトランザクションおよびセキュリティ・コンテキストが伝播されます。

SOA-DIRECTトランスポートでは、Oracle Service BusとOracle SOA Suiteサービス・コンポーネントの間でネイティブ接続が行われます。Oracle SOA Suiteには、直接バインディング・フレームワークがあり、コンポジット・アプリケーションのOracle SOA Suiteサービス・コンポーネントを公開できます。Oracle Service BusのSOA-DIRECTトランスポートは、SOA直接バインディング・フレームワークを通じてこれらの公開されたサービスと対話します。また、これらのサービス・コンポーネントは、サービス・バス・レイヤーで対話し、Oracle Service Busの各種機能を利用します。

SOA Suiteでは、直接バインディング参照を使用したトランザクションおよびセキュリティ・コンテキストなどのSBトランスポート・バインディングでOracle Service Busプロキシ・サービスを起動できます。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Service Busの開発者ガイドのOracle SOA Suiteトランスポート(SOA-DIRECT)に関する項を参照してください。BPEL Process Managerトランスポート(ユーザー・インタフェースではbpel-10g)は、Oracle SOA Suite 10gリリース3でのメッセージング専用ですが、現在もOracle Service Busで使用できます。

24.1.9 エンドツーエンドのライフ・サイクル管理

Oracle Service Busでは、サービスのOracle Service Registry情報を保持したまま、直接Oracle Enterprise RepositoryからHTTPサービスを介してSOAP/XMLを参照および使用できます。Oracle Service Registry情報は、Oracle Service Busのビジネス・サービスをOracle Service Registryと同期するために使用されます。Oracle Service Busでは、Oracle Service Busプロキシ・サービスをOracle Enterprise Repositoryに収集し、サービスのサービス・キーを指定することもできます。サービス・キーは、異なるOracle Service Registryにサービスを公開する際にOracle Enterprise Repositoryによって使用されます。これにより、ライフ・サイクル・ステージ全体でサービス・キーを保持し、異なるライフ・サイクル・ステージでサービスを一意に識別できます。

24.1.10 OWSMポリシー

Oracle Service Busでは、レガシーのBEA WLS 9.2固有のセキュリティ・ポリシーに加え、SOAPベースのプロキシまたはビジネス・サービスでOracle Web Services Managerのセキュリティ・ポリシーの豊富なセットを使用できます。Oracle Web Services Managerの認可ポリシーは、現在サポートされていません。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Service Busの開発者ガイドのOracle Web Services ManagerによるOracle Service Busの保護に関する項を参照してください。

24.1.11 その他の拡張機能

製品のその他の拡張機能は次のとおりです。

24.1.11.1 EJB 3.0

Oracle Service Busで新しく導入されたJEJBトランスポートおよび既存の(XML)EJBトランスポートでは、バージョン3.0 EJBの起動がサポートされます。また、JEJBトランスポートでは、EJB 3.0ステートレス・セッションBeanとしてプロキシ・サービスを公開できます。

24.1.11.2 WSIL 1.1のサポート

Oracle Service Busでは、Web Services Inspection Language(WSIL)1.1を使用してWSDLベースのプロキシ・サービスを検出できます。これにより、Oracle JDeveloperなどで提供されるWSILブラウザで、Oracle Service Busプロキシ・サービスを検出し、標準的な方法でアーティファクトをダウンロードできます。

24.1.11.3 アラート・ロギングのスケーラビリティの拡張

Oracle Service Busでは、分散化された方法でアラートをロギングすることで、アラートのスケーラビリティが向上しています。アラートのロギングは、現在、アラート宛先で有効化および無効化できます。「アラートのロギング」コンソール・ページは、多数のアラートに十分対応できるように拡張されています。

24.1.11.4 分割-結合の拡張

分割-結合の拡張機能は次のとおりです。

  • トランザクションのサポート: 分割-結合をJTAグローバル・トランザクションのコンテキスト内で実行できます。

  • 待機: 分割-結合では、指定の期間ブランチの実行を停止する待機アクションがサポートされます。

24.1.11.5 UDDIの拡張

Oracle Service Busでは、UDDIからのインポートによって作成されるビジネス・サービスの名前を変更できます。複数のバインディング・テンプレートを含むUDDIサービスを対象にインポートおよび自動サブスクリプションの確立を行うための拡張サポートも追加されています。

24.1.11.6 その他のトランスポートの拡張

その他のトランスポートの拡張機能は次のとおりです。

  • MQ動的キューおよび別名キュー: Oracle Service Busでは、モデル・キューに基づいて動的に作成されるMQ動的(レスポンス)キューを基盤とするMQリクエスト/レスポンス・ビジネス・サービスでレスポンス相関がサポートされます。また、MQ別名キューからのインバウンドMQトランスポートでメッセージを受信するためのサポートも追加されています。

  • リクエスト/レスポンス・ペアのJMSフェイルオーバー: Oracle Service Busでは、CorrelationIDとMessageIDの両パターンについて高可用性機能が拡張されており、リクエスト/レスポンスJMSビジネス・サービスのリクエストURIごとにレスポンスURI(およびサービス・アカウント)を指定できます。

  • 電子メールのロード・バランシング: Oracle Service Busでは、ロード・バランシング用に複数のエンドポイントURL(mailtoアドレス)を指定できます。

24.2 一般的な問題および回避方法

この項では、一般的な問題および回避方法について説明します。内容は次のとおりです。

24.2.1 64ビットのWindowsでインストーラのインタフェースが開かない問題

Oracle Bug#9449493に従って記載されています。

64ビットのWindowsに64ビット版のOracle Service Busをインストールして32ビットのJDK/JREを参照すると、インストーラのユーザー・インタフェースが表示されなくなります。

この問題を回避するには、次のコマンドを使用してOracle Service Busのインストーラを実行します。

setup.exe -jreLoc <path_to_JDK/JRE>

次に例を示します。

setup.exe -jreLoc C:\oracle11g\jrockit_160_17_R28.0.0-679

24.2.2 Sun JDK 1.6.0_03を使用するとインストーラが起動しない問題

Oracle Service Busをインストールする場合、インストール・プロセスの開始時にSun JVM 1.6.0_03を参照すると、インストーラのユーザー・インタフェースが表示されなくなります。Sun JVM 1.6.0_03には、必要なJAXP 2.1 API JARが欠落しています。

この問題を回避するには、かわりにSun jdk 160_18を使用します。

24.2.3 インストール後にIDEを起動するとエラーが発生する問題

インストール後にIDE(Oracle Enterprise Pack for Eclipse)を起動しようとしても、「プラグイン'plug-in_name'はクラスをインスタンス化できませんでした」というエラーが発生してIDEが起動しません。

この問題に対処するには、Oracle Fusion Middlewareホーム・ディレクトリのデフォルトの場所にデフォルトのディレクトリ名(wlserver_10.3)でOracle WebLogic Serverをインストールする必要があります。

24.2.4 メッセージ本体が空であると電子メール・ビジネス・サービスが例外をスローする問題

サービス・タイプが任意のXMLである電子メール・ビジネス・サービスは、<soap-env:Body></soap-env:Body>などの空の本体が含まれるプロキシ・サービスからメッセージを受信すると、IOExceptionをスローします。この問題のパッチは、将来提供される予定です。Oracleサポートに連絡してください。

24.2.5 プロジェクトを別の構成プロジェクトにコピーする操作が正常に動作しない問題

Eclipseのプロジェクト・エクスプローラ・ビューで、Oracle Service Busプロジェクトをコピーして別のOracle Service Bus構成プロジェクトに貼り付けると、貼り付けたプロジェクトがプロジェクト・エクスプローラ・ビューの一番上にスタンドアロン・ノードとして表示されます。

コピーしたプロジェクトを目的のOracle Service Bus構成プロジェクトに移動するには、コピーしたプロジェクトを目的の構成プロジェクトにドラッグします。

24.2.6 「拡張アラート履歴」のグラフにサーバー・ロケールの書式でアラート数が表示される問題

Oracle Service BusコンソールでSLAアラートまたはパイプライン・アラートの「拡張アラート履歴」の棒グラフを表示すると、各棒グラフ上部のアラート数が、ブラウザ・ロケールではなくサーバー・ロケールの書式で表示されます。この問題は、jFreeChartの制限により発生します。

24.2.7 Internet Explorer 8で「分割-結合のサマリー」ページに余分な空白が表示される問題

Internet Explorer 8でOracle Service Busコンソールの「分割-結合のサマリー」ページを表示すると、ページの右側に余分な空白が表示されます。

この問題を修正するには、Internet Explorer 8の互換表示設定を使用します。Internet Explorer 8のツールバーの「互換表示」アイコンをクリックして「互換表示設定」ウィンドウを開きます。互換表示で表示するURLのリストに現在のURLを追加するか、ウィンドウの一番下にある表示オプションの1つ(「互換表示ですべてのWebサイトを表示する」など)を選択します。

24.2.8 依存リソースにファイル拡張子がないとIDEでUDDIインポートに失敗する問題

Eclipseで依存リソース(WSDLベース・サービスのスキーマなど)が含まれるUDDIリポジトリからサービスをインポートする際に、その依存リソースにファイル拡張子(.xsdなど)が存在しないと、インポートに失敗します。

この問題を回避するには、依存リソースに拡張子を手動で追加し、親リソース(WSDLなど)を変更して依存リソース名に拡張子を含めるようにします。

24.2.9 エラー時にドメイン・コマンド・ウィンドウが閉じる問題

startWebLogic.cmd/.shスクリプトを使用してOracle WebLogic Serverドメインを開始すると、エラーの発生時にコマンド・ウィンドウが突然閉じて、エラーの原因を参照することができません。

この問題を修正するには、ドメインのsetDomainEnv.cmd/.shスクリプトを編集してdoExitFlag=falseにすることをお薦めします。

別の方法として、startWebLogicスクリプトの実行時にnoExitパラメータを使用できます。たとえば、startWebLogic.cmd noExitと指定します。

24.2.10 Oracle Service Busコンソールのオンライン・ヘルプの検索で英語のみの結果が表示される問題

Oracle Service Busコンソールのオンライン・ヘルプで検索を実行すると、英語以外のヘルプ・コンテンツを表示していても、英語のみの結果が返されます。

この問題は、Oracle Service Busの将来のリリースで対処される予定です。

24.3 構成の問題および回避方法

この項では、構成に関する問題およびその回避方法について説明します。内容は次のとおりです。

24.3.1 インバウンド・データベース・アダプタを使用する論理削除でアラートが2回表示される問題

データベース用Oracle JCAアダプタと組み合せてOracle Service Bus JCAプロキシ・サービスを使用すると、論理削除パイプライン・アラートが2回表示されます。

この動作の発生を抑止するには、論理削除操作で次のガイドラインに従います。

  • 主キー列に対してインバウンド論理削除操作を実行しないでください。

  • 予約値も行に表示される場合、MarkReservedValue列を使用するインバウンド操作で論理削除を実行すると、追加のアラートが表示されます。予約値は、分散ポーリングにのみ使用してください。

24.3.2 JNDIプロバイダでクラスタURLのIPv6 IPアドレスが使用できない問題

IPv6の16進形式を使用してOracle Service Busサービスのクラスタ・エンドポイントURIを入力すると、検証エラーが返されます。次に例を示します。

t3://[0db8::ffff:ffff:ffff:ffff%4]:7001,[0db8::ffff:ffff:ffff:ffff%4]:7002

または

t3://[0db8::ffff:ffff:ffff:ffff]:7001,[0db8::ffff:ffff:ffff:ffff]:7002

この問題を回避するには、16進形式のかわりにIPv6マシンのホスト名を使用します。

24.3.3 リスニング・ポートがIPv6である場合にサーバーの起動およびURLアクセスに失敗する問題

サーバーのリスニング・ポートまたはURLアクセスでIPv6形式を使用する場合、(IPv4互換性を指定する)アドレスの最後から%4を削除すると、一部の状況下でサーバーの起動に失敗するか、URLアクセスに失敗します。

この問題を回避するには、次のパターンを使用します。

  • Windows

    • <listen-address>0db8::ffff:ffff:ffff:ffff%4</listen-address>

    • http://[0db8::ffff:ffff:ffff:ffff%4]:7001/sbconsole

  • Linux

    • <listen-address>0db8::ffff:ffff:ffff:ffff</listen-address>

    • http://[0db8::ffff:ffff:ffff:ffff%4]:7001/sbconsole

Linuxのlisten-addressは、最後に%4を必要としない唯一の使用例です。

24.3.4 WLSTを使用してクラスタのOracle Service Busドメインを拡張すると構成エラーが発生する問題

Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Tool(WLST)を使用して、Oracle Service Busがクラスタにデプロイされている既存のドメインを拡張すると、不適切なドメイン構成になります。

この問題を回避するには、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを使用して、Oracle Service Busがクラスタにデプロイされているドメインを拡張します。

WLSTを使用して、クラスタにデプロイされた新規Oracle Service Busドメインを作成することは可能です。ただし、WLSTを使用してそのドメインを拡張することはできません。

24.3.5 Oracle Database Express Edition 10gとともにOracle Service Bus 11gを使用する場合のJDBCの制限事項

Oracle Database Express Edition 10gとともにOracle Service Bus 11gを使用する場合、ojdbc5.jarまたはojdbc6.jarリソースを使用するとエラーが発生します。ojdbc14.jarリソースを使用してください。

24.3.6 SQL Serverでレポート・アクションを使用する場合のメッセージ長の制限

Oracle Bug#9556359に従って記載されています。

SQL ServerデータベースをOracle Service Busレポート・プロバイダと組み合せて使用する場合、レポート・アクションに関連するメッセージの長さが445文字を超えると、そのレポート・アクションのデータを格納できません。レポート・プロバイダでは、表の索引の最大長を超えると、問題が発生します。この問題が発生した場合、Oracleサポートに連絡してください。

24.3.7 Oracle BAMアダプタで他のJCAアダプタとは異なるロギング・メカニズムが使用される問題

Oracle BAMアダプタ(Business Activity Monitoring)は、他のJCAアダプタが使用するJCAフレームワークのロギング・インタフェースを使用しません。Oracle BAMアダプタのログ・メッセージは、server.logファイルではなくserver.diagnostics.logファイルに記録されます。alsbdebug.xmlのalsb-transports-debugまたはalsb-jca-framework-adapter-debugフラグを変更しても、Oracle BAMアダプタのロギングは変化しない可能性があります。

24.3.8 ビジネス・サービスの起動時にデータベース・アダプタでデバッグ・ログが生成されない問題

データベース用Oracle JCAアダプタでは、対応するJCAビジネス・サービスがOracle Service Busで起動されたときにデバッグ・ログが生成されません。オラクル社では、この問題のパッチを提供する予定です。

24.3.9 WSDLサービスでの「接頭辞'tnsのネームスペースが見つかりません」というエラー

セッションのアクティブ化、有効なWSDLの生成、または同様のアクティブ化タスクの実行時に、WSDLベースのサービスで「接頭辞'tnsのネームスペースが見つかりません」というエラーが返されます。

このエラーは、通常、WSDLの実行時表現に一致するよう自動的に名前を変更されなかったネームスペースが含まれるpartnerLinkパラグラフがWSDLに存在するために発生します。

この問題を回避するには、次のいずれかのオプションを使用します。

  • WSDLのpartnerLinkパラグラフをコメント・アウトします。

または

  • partnerLink情報を保持する場合、</plnk:partnerLinkType>終了要素の後に空の<wsdl:types xmlns:wsdl="http://schemas.xmlsoap.org/wsdl/"/>要素を追加します。

24.4 ドキュメントの訂正箇所

この項では、ドキュメントの訂正箇所を示します。内容は次のとおりです。

24.4.1 スクリプトを使用したインポートまたはエクスポート

WLST、Antまたはコマンドラインを使用してOracle Service Bus構成をインポートまたはエクスポートする場合、次のことに注意してください。

  • 必ず次のパスをクラスパスに含めます。

    • OSB_ORACLE_HOME/lib/sb-kernel-api.jar

    • OSB_ORACLE_HOME/lib/sb-kernel-impl.jar

    • OSB_ORACLE_HOME/modules/com.bea.common.configfwk_version

  • 必ずスクリプトのリソースJAR名に正しいバージョン番号を含めます。

24.4.2 データベース・アダプタのビジネス・サービス・エンドポイント・プロパティ

Oracle Service Busでは、データベース用Oracle JCAアダプタに接続するビジネス・サービスで、cacheConnectionsエンドポイント・プロパティの値が暗黙的にtrueに設定されます。このプロパティ値がtrueに設定されていると、データベース・アダプタに対するアウトバウンド接続がキャッシュされます。デフォルトを変更してこのプロパティをfalseに設定すると、アウトバウンド起動ごとに接続のオープンとクローズが発生します。

24.4.3 フォーマット・ビルダーのヘルプにおける間違ったエスケープ文字書式

フォーマット・ビルダーのヘルプでは、デリミタ一致ルールを作成する際のエスケープ文字が間違っており、そのエスケープ文字を使用するとMFLを保存できません。エスケープ文字は、1つの円記号(\)ではなく、2つの円記号(\\)にする必要があります。付随するグラフィックも間違ったエスケープ文字を示しています。正しいドキュメントは次のとおりです。

「フィールド・データの一部として出現するデリミタ文字の前にはエスケープ文字を指定してください。エスケープ文字の値は、参照フィールドを通じて、およびエスケープ文字フィールドに値を指定することによって取得できます。たとえば、エスケープ文字が\\の場合、データはA\\;B;として表されます。」

グラフィックも2つの円記号を示す必要があります。

24.4.4 エクスポート時のコマンドラインおよびスクリプトの更新

コマンドラインまたはスクリプトでOracle Service Bus構成をエクスポートする際のオプションが変更されました。http://www.oracle.com/pls/as111130/lookup?id=OSBDV123にあるOracle Fusion Middleware Oracle Service Busの開発者ガイドのコマンドラインまたはスクリプトを使用したOracle Service Bus構成のエクスポートに関する項に記載されている内容のかわりに、次の情報を使用します。

24.4.4.1 作業の前に

作業を始める前に、次の前提条件および指示を参照してください。

  • 必ずOSB_ORACLE_HOME/lib/sb-kernel-api.jarをクラスパスに含めます。

  • 必ずスクリプトのリソースJAR名に正しいバージョン番号を含めます。

  • Java 1.6が必要です。

  • Oracle Service Bus 10gR3 MP1以上およびEclipseをインストールする必要があります。

  • ワークスペース・ファイルが読取り専用の場合、出力またはワークスペース・ログ・ファイルに例外スタック・トレースが記録されることがあります。

  • 終了値の0(ゼロ)は、エクスポートが成功したことを意味します。

24.4.4.2 コマンドラインを使用した構成のエクスポート

Oracle Service Busには、次のコマンドライン引数を使用して構成および起動できるConfigExportクラスがあります。コマンドラインによるエクスポートは、高度な柔軟性を求める経験豊富なユーザー向けです。

コマンドラインによるエクスポートでは、EclipseワークスペースからOracle Service Bus構成JARが生成されます。

java -Xms384m -Xmx768m
-Dosgi.bundlefile.limit=500
-Dosgi.nl=en_US
-Dosb.home=OSB_ORACLE_HOME
-Dweblogic.home=WEBLOGIC_HOME
-Dharvester.home=${osb.home}/HARVESTER_HOME
-Dsun.lang.ClassLoader.allowArraySyntax=true
-jar ECLIPSE_HOME/eclipse/plugins/org.eclipse.equinox.launcher_launcher_version.jar
-data WORKSPACE_DIR 
-application com.bea.alsb.core.ConfigExport
-configProject PROJECT_NAME 
-configJar config_filename.jar
-configSubProjects projects_to_export
-includeDependencies true/false

変数の意味は次のとおりです。

  • OSB_ORACLE_HOMEは、Oracle Fusion Middlewareホームの最上位のOracle Service Busディレクトリです。

  • WEBLOGIC_HOMEは、インストール済のOracle WebLogic Serverの場所です。

  • HARVESTER_HOMEは、ハーベスタの場所です。ハーベスタは、Oracle Enterprise Repositoryのツールであり、Oracle Service Busなどの複数のソースからOracle Enterprise Repositoryにエンタープライズ・アーティファクトを収集できます。ハーベスタは、Oracle Service Busのインストールに含まれます。

  • ECLIPSE_HOMEは、Oracle Service Bus IDEプラグインにリンクされているインストール済のEclipseの場所です。

  • launcher_versionは、EclipseのランチャJARのバージョンです。

  • WORKSPACE_DIRは、エクスポートするOracle Service Busアーティファクトが含まれる場所です。たとえば、c:/oracle/user_projects/workspaces/defaultなどです。この場所にEclipseワークスペースが含まれる場合、そのワークスペースが使用され、構成jarはワークスペース・プロジェクトからエクスポートされます。この場所にワークスペースが含まれず、かわりにEclipse Oracle Service Busプロジェクトのみが含まれる場合、プロジェクトは構成JARのエクスポート用の一時ワークスペースにインポートされます。

  • PROJECT_NAMEは、エクスポートするOracle Service Bus構成プロジェクトの名前です。たとえば、OSB Configurationなどです。この引数を指定しない場合、ワークスペースで最初に検出されたOracle Service Bus構成プロジェクトがエクスポートされます。

  • config_filename.jarは、エクスポートするOracle Service Bus構成JARの名前および場所です。たとえば、c:/sbconfig.jarなどです。

  • configSubProjects projects_to_exportは、エクスポートする構成内の1つ以上の特定プロジェクトです。configSubProjectsを指定しない場合、構成内のすべてのプロジェクトがエクスポートされます。

  • includeDependencies true/falseでは、JNDIプロバイダやプロキシ・サーバーなどの構成レベルの依存関係をエクスポートに含めるかどうかを指定します。

次に、コマンドラインによるOracle Service Bus構成のエクスポートの例を示します。


注意:

次の例は、サンプルのコマンドライン操作です。このサンプルを使用する場合、現在のインストール環境を参照してパスおよびファイル名が正確であるかどうかを確認してください。

java -Xms384m -Xmx768m
-Dosgi.bundlefile.limit=500
-Dosgi.nl=en_US
-Dosb.home=D:/oracle/Oracle_OSB1
-Dweblogic.home=D:/oracle/wlserver_10.3
-Dharvester.home=${osb.home}/harvester
-Dsun.lang.ClassLoader.allowArraySyntax=true
-jar D:/oracle/oepe_11gR1PS1/eclipse/plugins/org.eclipse.equinox.launcher_1.0.201.R35x_v20090715.jar
-data D:/oracle/user_projects/myWorkspace
-application com.bea.alsb.core.ConfigExport
-configProject config
-configJar sbconfig.jar
-configSubProjects OSB Project 1,OSB Project 2
-includeDependencies true

24.4.4.3 Antを使用した構成のエクスポート

Apache Antビルド・ファイルを使用してOracle Service Bus構成をエクスポートできます。Antによるエクスポートでは、EclipseワークスペースからOracle Service Bus構成JARが生成されます。

次の例は、サンプルのAntビルド・ファイルおよび付随するプロパティ・ファイルです。


注意:

次の例は、サンプル・スクリプトです。このサンプル・スクリプトを使用する場合、現在のインストール環境を参照してパスおよびファイル名が正確であるかどうかを確認してください。

Antビルド・ファイルの例

<project name="ConfigExport">
    <property file="./build.properties"/>
    <property name="eclipse.home" value="${oracle.home}/oepe_11gR1PS2"/>
    <property name="weblogic.home" value= "${oracle.home}/wlserver_10.3"/>
    <property name="metadata.dir" value="${workspace.dir}/.metadata"/>
    <target name="export">
        <available file="${metadata.dir}" type="dir"
         property="metadata.dir.exists"/>
        <java dir="${eclipse.home}"
jar="${eclipse.home}/plugins/org.eclipse.equinox.launcher_1.0.201.R35x_v20090715.jar"
          fork="true"
          failonerror="true"
          maxmemory="768m">
           <arg line="-data ${workspace.dir}"/>
           <arg line="-application com.bea.alsb.core.ConfigExport"/>
           <arg line="-configProject ${config.project}"/>
           <arg line="-configJar ${config.jar}"/>
           <arg line="-configSubProjects ${config.subprojects}"/>
           <arg line="-includeDependencies ${config.includeDependencies}"/>
           <sysproperty key="weblogic.home" value="${weblogic.home}"/>
           <sysproperty key="osb.home" value="${osb.home}"/>
           <sysproperty key="osgi.bundlefile.limit" value="500"/>
           <sysproperty key="harvester.home" value="${osb.home}/harvester"/>
           <sysproperty key="osgi.nl" value="en_US"/>
           <sysproperty key="sun.lang.ClassLoader.allowArraySyntax" value="true"/>
        </java>
<antcall target="deleteMetadata"/>
    </target>
<target name="deleteMetadata" unless="metadata.dir.exists">
         <delete failonerror="false" includeemptydirs="true"
          dir="${metadata.dir}"/>
</target>
</project>

build.propertiesの例

oracle.home=c:/oracle
workspace.dir=c:/oracle/user_projects/workspaces/default
config.project="OSB Configuration"
config.jar=c:/sbconfig.jar
config.subprojects="OSB Project 1,OSB Project 2"
config.includeDependencies=true

setDomainEnvスクリプトの実行後にant exportを実行すると、デフォルト・ワークスペースからc:\sbconfig.jarにOSB Configurationプロジェクトがエクスポートされます。