Oracle® Fusion Middleware Oracle Infrastructure Webサービス・コンセプト・ガイド 11g リリース1(11.1.1) B61390-01 |
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この章では、メッセージ転送最適化メカニズム(MTOM)形式でエンコードされたメッセージがOracle Infrastructure Webサービスにより処理される方法について説明します。
JPEG形式のイメージなどのバイナリ・コンテンツは、クライアントとWebサービスの間で渡すことができます。通常、バイナリ・コンテンツを渡すためには、XMLドキュメントにxsd:base64Binary
文字列として挿入します。この形式でバイナリ・コンテンツを送信すると、伝送中の送信メッセージのサイズが大幅に増え、処理に要する空間と時間の点でコストが高くなります。
MTOMを使用すると、バイナリ・コンテンツをMIME添付ファイルとして送信できるため、ワイヤ書式の送信サイズを小さくできます。バイナリ・コンテンツは、意味上はXMLドキュメントの一部です。メッセージ上のWS-Security署名などの操作を適用できる点で、SWA(添付ファイル付きのSOAPメッセージ)よりも優れています。詳細は次の仕様を参照してください。
SOAP 1.2: http://www.w3.org/TR/2005/REC-soap12-mtom-20050125
SOAP 1.1: http://www.w3.org/Submission/2006/SUBM-soap11mtom10-20060405
MTOMを使用してバイナリ・コンテンツを添付ファイルとして渡すと、Webサービス・スタックのパフォーマンスが向上します。MTOMエンコード・メッセージにバイナリ・コンテンツが含まれていない場合、パフォーマンスは影響を受けません。
MTOMは、SOAP 1.2メッセージ用の最適化された送信メカニズムに、XMLスキーマ型xs:base64
Binaryの要素を含むエンベロープを提供します。MTOMは、次の仕様で説明されているデータ処理メカニズムを利用します。
XOP(XML-binary Optimized Packaging): コンテンツの型がxs:base64
BinaryのXML Infosetをより効率的にシリアライズするためのメカニズムを提供します。XOP仕様は、Webサイトhttp://www.w3.org/TR/xop10/
で入手可能です。
DMCBDX(Describing Media Content of Binary Data in XML): コンテンツ型の情報をXMLインスタンスおよびスキーマのバイナリ・データに提供します。この情報を使用して、バイナリ・データの処理を最適化できます。DMCBDX仕様は、Webサイトhttp://www.w3.org/TR/2005/NOTE-xml-media-types-20050504/
で入手できます。
RRSHB(Resource Representation SOAP Header Block): SOAPメッセージを使用して、JPEGイメージなどのWebリソース表現をSOAPヘッダー・ブロックで送信できます。MTOMおよびXOPと組み合せると、RRSHB SOAPヘッダー・ブロックに含まれるWebリソースは、SOAPヘッダー内のxs:base64Binary文字列ではなく未処理のバイナリMIME添付ファイルとして送信できます。RRSHB仕様は、Webサイトhttp://www.w3.org/TR/2005/REC-soap12-rep-20050125/
で入手できます。
これらの仕様は、OSUCR(SOAP Optimized Serialization Use Cases and Requirements)で説明されている要件を満たしています(http://www.w3.org/TR/2004/WD-soap12-os-ucr-20040608/
を参照)。
第2章「Oracle Infrastructure Webサービスへのポリシーのアタッチ」で説明されているように、Oracle WSMには、Oracle Fusion Middlewareをインストールすると自動的に使用可能になる一連の事前定義済のポリシーおよびアサーション・テンプレートが用意されています。
表7-1にリストされているMTOMアタッチメント・ポリシーは、即時に利用可能です。
表7-1 事前定義済のMTOMアタッチメント・ポリシー
信頼性のあるメッセージング・ポリシー | 説明 |
---|---|
oracle/wsmtom_policy |
MTOM形式でないインバウンド・メッセージを拒否し、アウトバウンド・メッセージがMTOM形式であることを確認します。 |
事前定義済のMTOMアタッチメント・ポリシーの詳細は、Web Servicesのセキュリティおよび管理者ガイドのMTOMアタッチメント・ポリシーに関する項を参照してください。
MTOMポリシーは、設計時にOracle JDeveloperを使用して、あるいは実行時にOracle Enterprise Managerを使用して、Oracle Infrastructure Webサービスにアタッチできます。詳細は、第2章「Oracle Infrastructure Webサービスへのポリシーのアタッチ」を参照してください。
構成手順は必要ありません。